創造主は暇だったので冒険者になった。

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5.

部屋に戻るとすぐにベッドに寝転…ぼうとしたのだが。
─なんだ?─
ベッドに掛けてある布団が、心無しか膨らんでいる。思い切ってはぐって見ると、中から出て来たのは子猫のように丸まった…。
─エルフの、少女か?─
腰まである青い髪に尖った耳。幼い身体付きの少女は、スースー寝息を立てている。俺は最初こそ少し驚いたが、面白い事を思い出した。

エルフは耳が弱い

試しに青い髪の間から飛び出た耳を撫でてやる。すると、
「ふぁ…ん」
エルフは小さく声をあげたが、起きる様子は無い。しばらく「あ」とか「やう」とか言わせて遊んでいると、やっとうっすら目を開けた。
「おい、起きろエルフ。もう充分遊ばせて貰ったからお前に用は無いぞ。」
エルフは体を起こしたが、まだ寝ぼけている。
「退ける気は無いか。なら、こうだ。」
ぼんやりとこちらを見上げるエルフの左耳を、思いっきりつまんだ。
「いっひゃあぅぅ!」
エルフは叫んで、ベッドの向こう側に転げ落ちてしまった。
「なっ、なっ何をするのですか!てか誰ですか!」
「お前こそ誰だ。」
「私に名を問うのですか?まぁ良いでしょう、答えてあげますよ。私の名はルナ・ネイシア。貴方先程私の耳触りましたね。私の体に触れようなどと十年早いのです!」
「じゃあお前は三十億年程俺と話すには早いな。」
「何を言うのです。名乗りもせずに!」
「エンデだ。」
「あう…なんか調子狂いますねぇ。」
「もう良いだろう、俺は眠い。ここで寝るのは構わんが、邪魔するなよ?」
最後に釘を刺しておくと、ルナという少女は耳を抑えてうずくまってしまった。
─静かでいいや─

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