創造主は暇だったので冒険者になった。

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飛ばし

創造主はそれまで空っぽだった幾つかの空間に、大量の塵をばら撒いた。ばら撒かれた塵は空間を漂いながら、ぶつかり合ってその粒を次第に大きくしていった。

それから数百億年が経ったある時、他の空間で暇を持て余していた創造主は、塵を撒いたあの空間に、久しぶりに手を加える事にした。大量にあった小さな小さな塵達はまとまって、まばらな大きさの球体となり、ぶつかることも少なくなって空間をさまよっていた。創造主は、大きめの球体を数百個選び、それぞれにエネルギーを与えた。エネルギーを与えられた球体達はその熱で自身を溶かし、その空間に熱と光の概念をもたらした。

創造主は塵しか無かった空間に、様々な物質を入れた。物質は球体の重みに引かれ、球体の周りに物質が溜まる形になった。エネルギーを与えられた球体から丁度良い距離と大きさを有する幾つかの球体は、他の塵との衝突を繰り返しながらも物質を留めさせ、やがてその表面に気体と水溶液を作り出した。

創造主は次に、それらの球体の水溶液の中に生命と種子を投入した。水溶液に入れられた生命はエネルギー球から出る光で生き永らえ、決して生命に優しいとは言えない気体と水溶液を中和しながら数を増やしていった。数を増やした生命は、お互いに寄り集まってより複雑な作りをした生命へと変化していった。

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