“5人集”は個々の最強異能力を所持しているチート集団だった。【ほのぼの暮らすけどね、】
第28話 初戦少女と幸運の武器
初めて殴る硬い鱗は、とても赤い。
かと言ってもまだ澄んだような赤い色だ。
「...ッ、かてぇ。」
ただ硬い。しかし、裏に返せば...
「コンにやろう、おらァ!」
「GYAAAAAA」
ただそれだけである。
硬い。ただそれだけ。
「あの、すいません。」
するとペアで組んでいたニズが声をかけて来た。
「ん?なんだよ、急に。」
「いや、飛行魔法使うの初めてじゃなかったのですか?」
「うん、初めてだけど。」
勘違いはして欲しくない方だが、俺はなんとなく身体がそう分かるから仕方がない。うん、仕方がない。
「まあ今はそれより、ドラゴンが先だろう?」
「すいません。ドラゴンより今はあなたが怖いです。」
「...。」
「...。」
その後、1分無言の時間が続いて動き始めた。
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グーレとツミキ ペア[第2正門付近]
「おー、凄い数の冒険者達じゃのう」
「そんな悠々と関心している場合ではありませんよ!」
初めての冒険者揃いに気楽なグーレと対照的なツミキがツッコミを入れる。
「さてと、何かないかなーー」
「あっ、そうだ」
ふと気づいたような素振りを見せてツミキは召喚魔法を詠唱し始めた。すると金色の魔法陣の中から同じ魔法陣が刻まれた銃が出現した。
「おーー!!かっこよすぎだぞ、ツミキよ!!」
「ありがたいけど、それはサクヤさんからあなたの為のものらしいわよ。」
「ほう、ならばまた後で礼をいはなければならないな!」
「ええそうね」
自分自身でもプレゼントされるものはありがたくそして嬉しく貰うグーレだが。
「にしても、この道具どうやればいいのじゃ?」
我に返るように改めて自分の手にしている物の使い方を確認するがツミキも知らない様子。そこに...
(おーーい!聞こえるか?)
「おお、頭の中にサクヤの声が!!」
【共有感覚】での会話が始まった。
(これは俺の能力の一つだ。心の中で思った事を特定の人に送ることができたり、他にも便利機能がある能力だ。)
「んんーえー(と、こうかのう?)」
(そうだ、その能力は複数の人に送ることができるが、ホストは俺だから共有感覚の機能を付けなければ会話する事は出来ないからな。)
(承諾したのじゃ。)
そんなこんなで説明を他にもして本題に入る。
(だからこの能力には俺が知っている知識をグーレにもあたかも知っていたようになるってわけだ。)
(なるほど、じゃあ早速やってみようかのう!)
(じゃあ、その武器を握って自己意識を集中させろ!で、なんだが)
(どうしたんじゃ?)
するとサクヤはバツが悪そうに言う。
(実はその武器はクランツェル図書館での物だ。なんせそこにある中でもグーレに合う武器があってな。その武器自体の名称は“銃”と言う。)
(銃、とな?)
(ああ、引き金を引くことにより弾丸が跳ぶという飛び道具だ。)
グーレは嬉しそうに喋り出した。
(ほう、飛び道具とな!それはさぞかしいい巡り合わせじゃのう!ではして見せようぞ!)
グーレは自分が手に持っている武器を握り手を前に出す。すると不意に身体が軽くなるように周りに金色の魔法陣が足元に浮かび上がる。
「汝は我が主になるか。」
「無論、主になるのは妾!」
「それは、願望とな?」
「否!!」 
するとグーレは一呼吸置いて喋り出した。
「妾の思い、それは妾の力で助けれる命を救うこと!!」
「さすれば汝は生き抜ける為の運はあるのか?」
「無論、いや。運に関しては専売特許じゃ」
「良かろうお主のおうせの通りに」
「「我は汝。誠の意義なり!!」」
すると金色の魔法陣は一回り大きくなり力ず良く光を鮮明にした。
「おい、なんだあれは」「ハンター?こんな所ではお前の役目はないはずだぞ」「けれど見たことないような金色の武器だぞ!」
周りの冒険者達が騒ぐ。それと同時に今のグーレの感覚は未体験の境地に立たされていた。
「妙な感じぞ。自分の知らない知識を脳内に送られてくるような」
脳内に送られる情報に戸惑いつつもグーレの身体は無意識に真上の上空に弾を撃った。
その時、足元にある金色の魔法陣だけが空高くに舞い上がる。するとガラスのようにパリーンと割れる。破片は宙に舞い散りながらもゆっくり、ゆっくりと降り注ぐ。
唖然と見ていたのは、冒険者達だけである。ドラゴンにも困惑のような眼があるのではないかと、伺うも全く紅い眼を濁ませない。
するとグーレは武器をドラゴンに向ける。
「焔龍かどうかわ知らぬがここがお主の墓場じゃよ。」
そう言いながら引き金を引く。その瞬間舞っていたはずの金色の破片は瞬時にドラゴンに刺さる。
「GYAAAAAA!」
ドラゴンは逃げようとして翼をはためかせ後方に行く。しかしながら、その行動に合わせるかのようにグーレが動く。
「生ぬるいわぁ!」
っと、追って銃を打つ。
その時同時にドラゴンが口から炎を放つ。大きな渦を巻くように自分に襲いかかろうとする。
「【氷壁】」
ツミキの魔法の詠唱が済む瞬間に地面から氷の壁が炎を絶つ。
すると横から入り込んだ金色の破片がドラゴンに突き刺さる。
「GYAAAA....。」
そのまま、ドラゴンは身体の骨が抜けるように体勢を崩した。
「マジか、焔龍をものの数分で...。」
「なんたってあんな武器見たことないぞ!」「【氷壁】を無詠唱でだなんて一体何者?」
「神様からの使いなんじゃないか?」
「ふぅ、この武器妾は気に入ったぞ!」
「それは、さぞかしサクヤさんも喜ぶわね。」
「我も汝が気に入った。」
すると武器がひとりでに動き出し、宙に浮かぶ。すると金色に眩い光を放つ。
その後、艶や張りのある金色の髪、目までも金で出来ているのかと思うような金色の眼、身長はサクヤと同等の高さのある端麗な女性が現れた。
「汝が我の主となるものか?」
「左様!」
グーレは活きのいい返事をする。
「名乗るのが遅れたのう」
するとグーレが手を前に差し出す。
「妾はクドュック・C・グーレ」
「我はエウテュキラー」
それぞれが握手を交わす
「ふむ、サクヤが言うた通り幸運の持ち主なんじゃな。」
「ほう、もうサクヤとは面識があったんじゃな。」
「否、ただ神様のお告げつと言うものだ。」
「なるほどのう。」
冒険者達だけがまた別空間にいるように話を進めていく。それに気が付いたのかツミキが呼ぶ。
「あの、二人ともいい感じになっている所で悪いのだけど。」
すると二人は周りを見渡す。そこにはまじまじとグーレ達を見ている冒険者達だった。
「次に行こうか…。」
「そうじゃの...。」
「はぁ、【転送】」
色んなガヤが起きながらも彼女達は次の場所に向かった。
長期間休業申し訳ありませんでした。
次回は明日予定です。
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