異世界転移したら中々異常が多いサイコブラッディーな非日常

家上浮太

狂おしきまでに退廃とした夜会

フェニーチェ・ピピストレッロに付き従った吸血鬼の尖鋭にして、尖兵達の眷属達。
大いなる魔女の使い魔達と執事達。
その夫婦に従う使用人達と料理人。

テーブルに並べられた料理と飲み物。
豪華絢爛な会場、退廃的なムードで満ちる。





「あの!息子さん!」
左腰に双剣に眼鏡をかけた剣士。
右腰に双剣に短髪であった双士。
顔は似ていて姉妹のようである。
その内の左腰に双剣に眼鏡をかけた剣士の質問に対して返答をする。
「ルシェでいい」
「私はツベイア・エインファンです」
「ずるーい!お姉ちゃん!私はリベリア・エインファン、双子の姉妹!どっちも双剣使いの『四狂剣』だよ!これからよろしくね!ルシェさん!」
「これから?護衛役か?」
「仲間達だよ!」
「そうか、それはすまない」
「まぁ同じような者ですよ姉さん」
左腰に双剣に眼鏡をかけた剣士が右腰に双剣に短髪であった双士を姉扱いした。
少し疑う、寝首をかかれる要素が匂うから。





「やぁ息子よ!」
「父さん?」
「ジゼン・バルウェン、肉の提供者だ」
右腕が無く、鼻もなく、そこは包帯をされ。
臓器は少し無いようで、時折血を吐露する。
左足も無く歩くための木の杖をついていた。
「あぁパーツだけに重視をするな、大いなる魔女にとっては肉体工学など神の領域に踏み込んでいる、パーツさえ有れば、クローンを創れる、クローンは本物と同程度だが、肉の器にしかならない、魂はまた別らしい、その魂が君と言うわけだ、ルシェ、いや、タクミ・ブラッドクロス」





「貴様が吸血鬼の王の義理の息子か、羨ましい」
剣呑かつ、目が鋭く、とてつもなく不機嫌。
背中には太刀が禍々しい妖気を隠せてない。
一転して、柔和な微笑みを顔に反映させる。
「……お兄ちゃんって呼んでもいいんだよ?」
「お兄ちゃん」
「はぅわぁ!」
「ねぇ僕不安だから旅に同行してよお兄ちゃん」
「了解した!地獄に行こう!弟!」





「勧誘作業ですか、ここは冒険者の酒場では無いんですよ?ですけど、どうしても、誘って欲しいのなら、精液分けてくれるかしら?」
「帰れクソビッチ」
「あんまりだぁあ!!」
「なぁ回復役に相応しい魔族っているか?」
「それでしたらフォールンエルフなんてどうでしょ?」





「ま、待て!それは分相応だ!大いなる魔女に嫉妬で殺されたくない!」
浅黒い肌をして、露出の高い服装、もはや紐で纏われたドレス、胸はそれなりに大きい、吟遊詩人の才能もあるらしく大きな琴を弾いていた。
「回復役として参加して欲しい」
「あ、あぁそれなら、面目は立つな」





「どう楽しめてるかしら?ル、ルルルシェ」
酒をラッパ飲みしながら大いなる魔女の母がこちらに絡み酒をしに来た、酒の匂いと香水はどちらもキツく、華美なデュエットを奏でていた。
「ルンルン気分?」
「ルシェと会話できるだけで妊娠しちゃいそう」
「そんな母さんの胎内にナイフを刺したい」
「あら、元いた世界でのあなたの殺し文句ね」
「もちろん、つい、猟奇的な事を言ってしまう」
「それでこそ殺人鬼よ」
「で、ナイフの件で相談がある」
「ちゃぁんと分かってる、魔剣を用意したの」
「タイプと性能は?」
「三日月の具現、切れば切るほど理性が飛ぶ、というよりスポーツ選手のゾーンと同じ集中力が得られる、常人なら持っただけで発狂するわよ?」
「この僕に相応しい傑作だな」
「でしょ?徹夜する事百八日で私が作ったの、ちょっと月まで行って、体表を剥がしてきたのよ」
「凄絶過ぎる…………」
「魔力物質としては月が一番だからね」
「魔力物質?」
「魔法の道具にする価値のある物の事よ」
「分かった、月を武器にしたと思っておく」「それとサキュバスの体液を混ぜて私の生理の血液も混ぜてね、その凶刃は赤黒くなっているのよぉ」
「なぬっ!?」
「いたりつくせりでしょ?」
「あぁ、愛が重い(物質的に)」
「月はそっちの世界より数倍大きいからね」
「酒を飲ませてもらうよ」
「あらら、間接キッス?」
「そうだよ、母さん、今夜は寝かせないぜ」
「まぁっ!?」
「煩悩なるままに色情に狂ってやるぜ」

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