異世界転移したら中々異常が多いサイコブラッディーな非日常

家上浮太

母親の大いなる魔女

「何言ってるの?ダーリン、異世界転生の術式、これは転移魔法の中でも、異世界から異世界に、しかも条件がシビアで殺されないと術式が起動しない、転生と転移を兼ねていて、そんなべらぼーにアルティメットな魔法を実行できるのはこの大いなる魔女でしょ?自画自賛しないでダーリン」
とことん色っぽい、唾の長い帽子。
露出の多く、胸が強調された服装。
杖は、幻想的な宝石が多数合成されていた。
胸が豊満オブ豊満、巨乳、爆乳より上ゆく超乳。
使い魔がサキュバスの黒メイド。
執事はなんと獅子の獣人らしい。
「そう言ってだね、ハニー、道具用意したの僕だよ、少しは傲慢になってもいいんじゃない?」
「道具だけでしょ?ダーリンは魔法が使えない、なのに魔法そのものは無効化できる力を持つから、まぁ、容量超過で私のは通じるけど、魔方陣を描くだけでも落書きになるんだから無能め」
「無能とは失礼だなぁ」
「でも集めてくれてありがとう」
そうして彼女は夫にキスをした。
舌を口にいれてのディープキス。
吸血鬼の王はそれだけで腰砕け。
「さぁ、息子、歓迎のキスを!」
「え!マシデスカ!」
息子にも異常なまでのディープキス。
ご丁寧に腹部から乳首まで指が這う。
「はい、魔法の勉強はこれで終わり」
「へ?」
「私の魔力源を貴方の体に移送したの」
「あ、はい」
「魔力源は通称ウロボロスと言ってね、無限だから分けた所で、何も問題ない、というより、腑分けする事によって真価を発揮するの、それはね、腑分けした相手は私に絶対服従なの、忠誠度が高いほど新しい魔法が使えるようになる、今は、エレメント系の水、火、風、雷、土、ぐらいしか使えないからね、人間にとっては凄いけど私にとっては低級魔法よ、忠誠度を上げる仕組みはね、まずはこれを着けること、これは奴隷用の首輪よ」
それに反発する、もう反抗期であった。
「だが断る」
「何ィ!!」
「この岸辺露伴が最も好きな事のひとつは自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ…ってな」
「はい、合格、まずは反逆するのが正解よ」
「女の魔性で最初から屈服する男は不必要」
「分かってるわねぇ、殺される所だったわ」
「こっちは歴代最速のジョジョパロだぜ!」
「伝説になってしまうじゃないの、ふふっ」
「ハニー!伝説はこれからじゃないの!!」
「そうだったわね、ダーリン」
「魔法無効化の魔法使いなんて信じられんぞ!」
「どちらか一方を決めるなんてひもじいわよ?」
「そりゃそうだけどさ」
「六大王の一角なんだからシャキッとしなさい」
「わ、分かったよ」
「尻に敷かれてる」
「あら、ルシェ顔面騎乗を希望?」
「そんな事は言ってませんよ母さん!?」
その言葉に手を合わせてさらに恍惚する。
「あら、母さんって言ってくれたのね!」
「う、うん」
「やった、やった!正真正銘の息子だわ!」
「ん?」
「これよ!これが親子関係という主従関係! 」
「歪んで覚えてないか?母さん」
「知識としてそうだと分かってたけどやっと!」
親にでも、虐待されていたのか。
息子はそっとしておく事にした。
「うん、よろしく母さん」
「はうぅ!ヤバい、ヤバい、ヤバい、遂に息子が出来ちゃったみたいだわ、ダーリン!」
「え!そこを確認中だったのかい?」
「人間は裏切りやすい生命だからね」
「彼は異世界人だから違うのでは?」
「彼だけが特殊で特別だったのよ?」
「そうか、なら異世界も俯瞰したら似たような物だったんだな、ならルシェは選ばれた子!?」
「そうよ!まさにアルティメットな息子よ!」
「アルティメット…………」
口癖だろう。
究極を知るがゆえに多用する。
大いなる魔女には、相応しい。
「で、父さん」
「父さん!?」
胸を押さえる吸血鬼の王。
「なんだい、息子よ!」
「この場所はどこだ?」
「えっと辺境の屋敷にある祭壇」
「辺境の屋敷?」
「いやー大いなる魔女と結婚したから他の六大王から追われる身になってね、というか、隠遁生活真っ最中、ここに張った結界は不可視と透明化と感知避けの三重だから、バレないだろうけどね」
「祭壇ねぇ…………」
人間の死体らしき者が積み上がってる。
それは全てバラバラにされた生け贄だ。
魔法陣の他には壁にも紋様が多種多様。
地面には血の海が靴を今も濡らしていた。
「わしゃ悪魔なのか!?」
「悪魔?大いなる魔女と六大王の息子だからね、たかが悪魔なんてレベルじゃないわ、貴方は六大王より上の上魔大王通称魔王になる器なのよ!」
「魔王!それはときめくワードだな!」
「でしょ?じゃ頑張ってね、息子、今日は歓迎会よ、パーティーよ!酒池肉林よ!狂える宴よ!」

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