fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー
黒桐幹也9
「助け!」
ばぎゃり!
鬼神アルゴルモアに一口、まさに鬼一口。
護れなかった、彼女を護るなんて無理だった。
こんな化け物と対峙しても。
この人類悪、理は掌握だ。
愛しているからこそ弄ぶ。
人理そのものに独占欲を向ける。
そんなとんでもない相手と戦闘しながら、闇の聖杯を護るだなんて無理だった。
「げっふ、あー、やっぱり闇の聖杯は最高だ」
そう言うと彼から目を逸らす。
体も既に明後日の方向である。
「最後が土蜘蛛とは因果かなんかかねぇ………」
飛翔、脚力のみによるジャンプ。
それは音を置いてけぼりにする。
「待て!待つんだ!その闇の聖杯が無いと式は!」
「俺を闇の聖杯でどうするつもりだった?」
両儀式が復活していた。
「………式?」
「そうだぜ、カイゼルユニット・ヘルを貰ってきてさ、軽々しく甦ってやった、お前のためにな」
「君もか!?」
「大半のカイゼルユニットは血族に掌握されているが、残り物には福がある、てわけだな、じゃ、鬼退治と行こうか、コクトー、世界を救おうか」
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