fate/badRagnarökーー魔王の名はアーリマンーー

家上浮太

バトルロイヤル

胸が割れた。
ナイフではない。
つまり外部ではない。
内側から固有結界の中から。
両儀式が短剣でブチ裂きながら。





「さぁ、やりあおうぜ?馬鹿悪鬼共」
「ええんやで、本気になってもな!」
「ちっ、また殺人鬼が増えやがったか」





その短剣はエレシュキガルから貰った物。
「冥界の女王からの伝言だ、ネルガルは私の物よ、だとよ、お前に対してこれは効くらしい」
「死そのものには死そのもので、か」




「遅いぞ、それでは魔王の名が泣くぞ?」
殺人貴が、蝙蝠の右腕を切り飛ばした。
「まだ獲物持っとる方は残っとるで!」





「お前!」
「知らなかったのか、俺はお前も殺したい」
「ちっ、本性表したな、鬼女め」





「ええぞ!もっとやらんかい!」
畳をいつのまにかしき茶を啜る。
「なんであいつはあんなんなんだ!?」
「不味いぞ、殺人貴、奴の術式に落ちている」





「さて、と、遊びは終わりだ」
切り飛ばした筈の右腕から腕が。
それは人間の物ではない触手だ。
「さっきから肩がこる、後ろの正面は誰?」





「あの女は何だ?」
「悪霊の類いかよ」





「狂月の元、血濡れよ世界の王女ポトニアテローン、アナト!」





「きゃはははは!」
聖杯の悪意の形。
天真爛漫の殺意。
白い猫耳パーカー、下は、白きパンツのみ。
両手には短剣が二つ、逆手持ちで持たれる。





「受肉してくれたんだね!母さん!」





「母さんをよくもよくもよくもよくも!!」





「なーんて、母さんは無敵なんだよぉ!!」





「共闘戦線を張ろう」
「あぁ、分かったよ」





快刀乱麻を断つ、長いドスを。
「さぁ、母親、一緒になろう」
そうして母親は武器になった。
「さぁ、じゃんじゃん吸わせてね♥息子♥」





「実質神性レベルのぶつかり合いじゃねぇか」





「肺損傷してるから、きついわー」
「泣き言か、死んでから言ってくれ」
鮮血の女神と死の女神がぶつかり合う。





「捕捉したぞ」
遠野志貴が蝙蝠の後頭部の死の点を突く。





「あかん」
完全に殺された蝙蝠は笑いながら死んだ。
「楽しかったでぇ、ほなさいなら!!!」

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