正反対の僕と彼女~2人の関係の行方~
#1 9.体育祭~彼女は運動も得意?~その2
竹取合戦の集合場所には、すでに多くの生徒が集まっており、晴人は急いで整列した。
竹取合戦は団体競技の中では、入るポイントが低いとは言えないので、どこの団も気合が入っていた。 しかし、1番気合が入っていたのは、晴人を応援する結華であった。
「はるくん、頑張ってー」
結華の声は、グラウンドの隅から、隅までしっかり届くような大声で、多くの生徒が結華の方へと視線を向けた。その生徒たちは、生徒会長に抑えられながらも、アイドルのコンサートにいるような自家製応援グッズをもった、結華を目にすることになる。
もちろん、晴人も結華を見てしまい、顔を真っ赤にしながら競技に参加した。幸いな事に、晴人が結華の応援している人だと気づいたのは、習志野と泉だけだった。
竹取合戦では、結華に応援されてしまったので、泉や、習志野も見ているだろうし、手を抜いたら後で結華になんと言われるか分からないので、晴人は仕方なく、真面目に取り組む事にした。
応援が竹取合戦をより白熱させていく中、持ち前の存在感の薄さで、晴人は2本の竹を自陣に持ち帰るという大手柄をあげた。
晴人の活躍もあり、秋組が竹取合戦ではトップとなり、そこそこなポイントが加算され、秋組が総合得点でも一歩リードしていた。
竹取合戦も終わり、することもなくなった晴人は、校内にある購買の自動販売機の為に、解放されている校舎へと向かおうとする。そこへ、結華、泉、習志野がやって来て、それぞれ晴人を褒める。
「はるくん、よく頑張ったわねー。よーし、よし、よし」
結華は晴人を抱きしめ、頭を撫でくりまわし、泉と習志野に晴人は渡さない、と言うように見せつけた。
その後、結華はどこからともなく現れた、生徒会長である習志野佳奈によって、出場種目の徒競走の集合場所へと連れていかれてしまった。
「あなた、家でもああなの?」
「家だともっとすごいこともあるよ」
晴人は、思い出し、ため息をつきながら答えた。
泉は、もっとすごいのって、裸とか?などと小さな声で呟いた。
実際に晴人が家で、受けている結華の愛情表現は、あーんから始まり、寝ている布団に潜り込まれるなど、1日中カップルでもなかなかしないような事なのだ。
「なんと言うか、うん、ごめんなさいね。変なこと聞いてしまって」
聞いた習志野も、晴人の顔を見て、謝りその場はなんとも言えない空気になってしまった。
晴人は、購買に向かい、習志野は屋上へと向かい、泉は体育祭実行委員会のテントに逃げるようにして向かって行った。
*****
普段はどの時間でも、少しは人がいる購買だが、今日は本当に誰もおらず、晴人は初夏の暑さと、竹取合戦による疲れを回復する為に、購買の自動販売機で、キンキンに冷えたジュースを買うと、1つ上の階の渡り廊下へと向かった。体育館への渡り廊下はちょうどグラウンドが見える位置にあり、日陰なので、晴人は結華の活躍を眺めながら冷えきったジュースを飲んで昼休みまでの時間を過ごした。
そして昼休み、体育祭とはいえとくに変わるわけでもなく、普段と変わらぬ休み時間だ。違う点をあげるとするのなら、生徒が体操服でいる事、全体的にお祭り気分で、苦手な人にとっては少し辛いものでもある。
かくいう苦手な人達は、今日も同じように屋上に集まる訳で、習志野と晴人は、普段のように、昼食の弁当をお互い話す訳でもなく、食べ続けていた。ここも普段とは違い、それぞれの姉も、同じ空間で昼食の弁当を食べているという事だ。4人が屋上に集まって、誰と話すでもなく、黙々と弁当を食べているのは、側から見るとシュールなものだ。もっとも、側から見る人はいないが。
「ところであなた達、午前中の成果はどうだったの?」
沈黙に耐えきれず、言葉を発したのは、習志野佳奈だった。
「僕は、竹取合戦に出て、あとは体育館渡りでジュースを飲みながら、体育祭を眺めていましたけど」
「そっかー、それでいくら探してもはるくんが見つからなかったのか」
膝に晴人を無理やり乗せた結華は、はるくん成分補給などと言いながら晴人に抱きつきつつそう言った。晴人はとても食べづらそうに、弁当を食べ進めた。
「私は特に出る種目もないし、あちこちで時間を潰したわよ」
「美優はもう少し、学校行事に参加しなさいよ。ここの生徒でしょ?」
「あんたは、生徒会長でしょ? こんな立ち入り禁止の場所に来てもいいの? 生徒会長ならルールは守らないとよ」
習志野の言っていることは、全くの正論であったが、態度を見るに習志野佳奈をおちょくっているようで、2人のくだらない姉妹喧嘩が始まってしまった。結華と晴人は、喧嘩とは縁のない姉弟だったので、新鮮だなぁと思いながら、昼休み終了5分前の予鈴がなるまで眺めていた。
昼休み終了五分前の予鈴が聞こえるとともに、習志野姉妹の喧嘩も終わり、4人は、屋上へと続く階段を下りていき、体育祭午後の部のそれぞれの準備を始めた。午後の部は、団別リレーと部活対抗仮装リレーがメインとなるので、出場しない生徒の多くは、1番よく見られる場所を探していたりする。
竹取合戦は団体競技の中では、入るポイントが低いとは言えないので、どこの団も気合が入っていた。 しかし、1番気合が入っていたのは、晴人を応援する結華であった。
「はるくん、頑張ってー」
結華の声は、グラウンドの隅から、隅までしっかり届くような大声で、多くの生徒が結華の方へと視線を向けた。その生徒たちは、生徒会長に抑えられながらも、アイドルのコンサートにいるような自家製応援グッズをもった、結華を目にすることになる。
もちろん、晴人も結華を見てしまい、顔を真っ赤にしながら競技に参加した。幸いな事に、晴人が結華の応援している人だと気づいたのは、習志野と泉だけだった。
竹取合戦では、結華に応援されてしまったので、泉や、習志野も見ているだろうし、手を抜いたら後で結華になんと言われるか分からないので、晴人は仕方なく、真面目に取り組む事にした。
応援が竹取合戦をより白熱させていく中、持ち前の存在感の薄さで、晴人は2本の竹を自陣に持ち帰るという大手柄をあげた。
晴人の活躍もあり、秋組が竹取合戦ではトップとなり、そこそこなポイントが加算され、秋組が総合得点でも一歩リードしていた。
竹取合戦も終わり、することもなくなった晴人は、校内にある購買の自動販売機の為に、解放されている校舎へと向かおうとする。そこへ、結華、泉、習志野がやって来て、それぞれ晴人を褒める。
「はるくん、よく頑張ったわねー。よーし、よし、よし」
結華は晴人を抱きしめ、頭を撫でくりまわし、泉と習志野に晴人は渡さない、と言うように見せつけた。
その後、結華はどこからともなく現れた、生徒会長である習志野佳奈によって、出場種目の徒競走の集合場所へと連れていかれてしまった。
「あなた、家でもああなの?」
「家だともっとすごいこともあるよ」
晴人は、思い出し、ため息をつきながら答えた。
泉は、もっとすごいのって、裸とか?などと小さな声で呟いた。
実際に晴人が家で、受けている結華の愛情表現は、あーんから始まり、寝ている布団に潜り込まれるなど、1日中カップルでもなかなかしないような事なのだ。
「なんと言うか、うん、ごめんなさいね。変なこと聞いてしまって」
聞いた習志野も、晴人の顔を見て、謝りその場はなんとも言えない空気になってしまった。
晴人は、購買に向かい、習志野は屋上へと向かい、泉は体育祭実行委員会のテントに逃げるようにして向かって行った。
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普段はどの時間でも、少しは人がいる購買だが、今日は本当に誰もおらず、晴人は初夏の暑さと、竹取合戦による疲れを回復する為に、購買の自動販売機で、キンキンに冷えたジュースを買うと、1つ上の階の渡り廊下へと向かった。体育館への渡り廊下はちょうどグラウンドが見える位置にあり、日陰なので、晴人は結華の活躍を眺めながら冷えきったジュースを飲んで昼休みまでの時間を過ごした。
そして昼休み、体育祭とはいえとくに変わるわけでもなく、普段と変わらぬ休み時間だ。違う点をあげるとするのなら、生徒が体操服でいる事、全体的にお祭り気分で、苦手な人にとっては少し辛いものでもある。
かくいう苦手な人達は、今日も同じように屋上に集まる訳で、習志野と晴人は、普段のように、昼食の弁当をお互い話す訳でもなく、食べ続けていた。ここも普段とは違い、それぞれの姉も、同じ空間で昼食の弁当を食べているという事だ。4人が屋上に集まって、誰と話すでもなく、黙々と弁当を食べているのは、側から見るとシュールなものだ。もっとも、側から見る人はいないが。
「ところであなた達、午前中の成果はどうだったの?」
沈黙に耐えきれず、言葉を発したのは、習志野佳奈だった。
「僕は、竹取合戦に出て、あとは体育館渡りでジュースを飲みながら、体育祭を眺めていましたけど」
「そっかー、それでいくら探してもはるくんが見つからなかったのか」
膝に晴人を無理やり乗せた結華は、はるくん成分補給などと言いながら晴人に抱きつきつつそう言った。晴人はとても食べづらそうに、弁当を食べ進めた。
「私は特に出る種目もないし、あちこちで時間を潰したわよ」
「美優はもう少し、学校行事に参加しなさいよ。ここの生徒でしょ?」
「あんたは、生徒会長でしょ? こんな立ち入り禁止の場所に来てもいいの? 生徒会長ならルールは守らないとよ」
習志野の言っていることは、全くの正論であったが、態度を見るに習志野佳奈をおちょくっているようで、2人のくだらない姉妹喧嘩が始まってしまった。結華と晴人は、喧嘩とは縁のない姉弟だったので、新鮮だなぁと思いながら、昼休み終了5分前の予鈴がなるまで眺めていた。
昼休み終了五分前の予鈴が聞こえるとともに、習志野姉妹の喧嘩も終わり、4人は、屋上へと続く階段を下りていき、体育祭午後の部のそれぞれの準備を始めた。午後の部は、団別リレーと部活対抗仮装リレーがメインとなるので、出場しない生徒の多くは、1番よく見られる場所を探していたりする。
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