黒套の復讐者
唖然
馬車は元々ベルクートの物だった。
用を足しに馬車を降りてるところをワーウルフに襲われ、馬もワーウルフから逃げるのに馬車ごとどっかに行ったのだった。
ヒューゴがたまたまクエスト帰りに人を乗せてない馬車を見つけて心配になって探しに来てくれたのだ。
ラインが横になってる隣には商品らしき物が積まれていた。
手当はヒューゴがしてくれたみたいだ、上半身包帯でぐるぐる巻きだ。
応急なので町に着いたら町医者で縫ってもらうか、聖徒教会で治癒するように言われた。
そうこうしてるうちにサーデルに着いたみたいだ。
ラインは自分の村以外は初めてだったが、とにかく驚いた。
町は高い壁に囲まれ家もたくさん、それに人がものすごく多い。
それでももっと大きい町や人がいる町があるとベルクートに聞いて想像が出来なかった。
ヒューゴはクエストの報告にギルドへ、ラインも誘われたが、行かないと言うと驚かれた。
ギルドに登録してると思われてたみたいだ、ぜひ登録するようにとだけ言われ別れた。
ベルクートさんには恩人だからと数日世話と聖徒教会の治癒費を出させてくれと言われた。
宿代や食事代はありがたくお世話になった、
ケガは自分の油断の反省や戒めで治癒ではなく医者に縫ってもらった。
「兄ちゃんほんとによかったのか?聖徒教会の治癒なら傷も残らないのに」
「...はい。」
「...それよりありがとうございました。数日の宿代や医者の治療代まで」
「兄ちゃんがいなかったら死んでたからな。やすいもんよ」
そう言いながら豪快に笑っている。
「...そういえば最後の魔獣、ライカンスロープの時僕がおかしかったって話詳しく聞いていいですか?」
「あぁ、あん時は兄ちゃんがケガした体引きずりながら俺のとこ来たと思ったら魔獣が吠えながらきやがった。」
「あの日何度目の死んだなって状況で諦めてたんだ、...そしたら黒い靄(もや)みたいなもんが周りにで出したんだ。」
「兄ちゃんの体から黒い煙みたいのがもくもくと、そしたら兄ちゃん急に元気になったみたいに魔獣に突っ込んでいったんだよ。」
「...黒い煙ですか?」
「あぁ、魔法の一種じゃないのか?」
「...僕は魔法使えないんです。」
「そーなのかあの時のことは覚えてないのか?」
「...半分我を忘れて突っ込んでたんで...
ケガをして充分には動けないと思ったんですけど、よく分からないけどいつもより体が動きました。」
「火事場の馬鹿力ってやつか」
「じゃ黒い煙とかは俺の見間違いかもな、死を覚悟してたし、精神状態はよくなかったからな」とまた豪快に笑っていた。
「そうだ。これもらってくれよ」
「うちの商品なんだが旅をするなら丁度いいだろう。」
そう言って荷袋から真っ黒な外套(がいとう)を出した。
「オーバーコートとマントの中間で、アラクネってクモの魔獣が出す糸で作った物で、中でも黒い糸は強度が高い上に少しだが魔法耐性があるんだ。」
「...こんないい物もらえないです。すごく高そうだ。」
「なかなか目がいいな、うちで1番の値打ちもんさ」ニカッと歯を見せて笑う
「...尚更もらえません。」
「命の恩人の兄ちゃんにもらって欲しいんだ。」次は真剣な顔で言われた。
「...わかりました。...ありがとうございます。」深々と礼をする。
用を足しに馬車を降りてるところをワーウルフに襲われ、馬もワーウルフから逃げるのに馬車ごとどっかに行ったのだった。
ヒューゴがたまたまクエスト帰りに人を乗せてない馬車を見つけて心配になって探しに来てくれたのだ。
ラインが横になってる隣には商品らしき物が積まれていた。
手当はヒューゴがしてくれたみたいだ、上半身包帯でぐるぐる巻きだ。
応急なので町に着いたら町医者で縫ってもらうか、聖徒教会で治癒するように言われた。
そうこうしてるうちにサーデルに着いたみたいだ。
ラインは自分の村以外は初めてだったが、とにかく驚いた。
町は高い壁に囲まれ家もたくさん、それに人がものすごく多い。
それでももっと大きい町や人がいる町があるとベルクートに聞いて想像が出来なかった。
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ベルクートさんには恩人だからと数日世話と聖徒教会の治癒費を出させてくれと言われた。
宿代や食事代はありがたくお世話になった、
ケガは自分の油断の反省や戒めで治癒ではなく医者に縫ってもらった。
「兄ちゃんほんとによかったのか?聖徒教会の治癒なら傷も残らないのに」
「...はい。」
「...それよりありがとうございました。数日の宿代や医者の治療代まで」
「兄ちゃんがいなかったら死んでたからな。やすいもんよ」
そう言いながら豪快に笑っている。
「...そういえば最後の魔獣、ライカンスロープの時僕がおかしかったって話詳しく聞いていいですか?」
「あぁ、あん時は兄ちゃんがケガした体引きずりながら俺のとこ来たと思ったら魔獣が吠えながらきやがった。」
「あの日何度目の死んだなって状況で諦めてたんだ、...そしたら黒い靄(もや)みたいなもんが周りにで出したんだ。」
「兄ちゃんの体から黒い煙みたいのがもくもくと、そしたら兄ちゃん急に元気になったみたいに魔獣に突っ込んでいったんだよ。」
「...黒い煙ですか?」
「あぁ、魔法の一種じゃないのか?」
「...僕は魔法使えないんです。」
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「...半分我を忘れて突っ込んでたんで...
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「そうだ。これもらってくれよ」
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そう言って荷袋から真っ黒な外套(がいとう)を出した。
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