黒套の復讐者

幻日刀飛

休息

商人とラインは少し移動して野営できる場所を確保した。
そして商人ベルクートはラインに感謝の気持ちを伝え食べ物を差し出してくれた。

ラインは腹が減っていたので、むさぼるように食べはじめた。

ベルクートは「そんなに急いで食べると喉に詰まらすぞ」と笑いながら、自分も食べはじめた。
「兄ちゃんはどこに向かってんだ?」

ラインは食べながら指を指す

「どっかを目指してんのかい?」
「向こうの方角だと新ホグ国とかか?」
ラインは特に当てはなくふらふらと旅しているとだけ伝えた。

「そうか、まっ俺も方角的には一緒だ。」
「このまま1日も歩けば少し大きな町サーデルがあるんだ。そこまで一緒に行こう。」
ラインは頷いた。

一通り食べ終わってラインはベルクートに質問した。
「おじさん魔獣に詳しいの?...」
「ん?なんでだ?」
「ワーウルフを知ってるみたいだから、俺魔獣なんか初めて見た。...」
ラインの村を滅ぼしたのもたぶんそうだが、相対したのは初めてだった。
「あぁ、仕事柄町から町へ行き来するからなぁ、そういう情報はある程度仕入れてるよ。」
「ワーウルフは魔獣の中でもやっかいな方で山や森で生息している、基本群れで行動して連携した攻撃はなかなかやっか」
ラインがさえぎるように「今なんて!?」
「えっ?」ベルクーとは少しびっくりした。
「えっと...魔獣の中でやっかいな方でぇ」
「違う!!...基本群れで行動?...」
「あっあぁ、ギルドで見た情報では確かそうだった。」
ちょうどその時ガサガサっ
数m先の茂みから音がした。
「おじさん...まずい...囲まれた...」
「えっ?...」ベルクートの顔が青ざめる。

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