黒套の復讐者

幻日刀飛

遭遇

村を出て二日程山道をひたすら歩いている。
魔獣だか魔物の消えていった方に旅をしていたが、食料が尽きそうだ…
元々狩りに持って行った分の食料しかなく、時期も時期だけに山にも動物や果実的なものも期待出来ない。
慣れない旅でいきなりピンチだ...。

そこにいきなり悲鳴が聞こえた。
何事かと急いで向かう。

そこには腰を抜かしたおじさんと2mはある体躯の毛むくじゃらの鋭い爪と牙を持った者がいた。

(まっ!魔獣だ!!)
心の中に黒いものがふつふつと湧き上がる...ラインは躊躇わず突っ込んだ。
次の瞬間魔獣は数m吹っ飛んだ。
ラインはおじさんの手を取り「早く!こっちに」と駆けていった。
かなりの距離を走っておじさんがヘタり込んだ
「もっ...もう...走れない...」息も絶え絶えだ。
ラインは走ってきた方向を見て
「たぶん大丈夫。...ケガは?」
おじさんは息を整え「ありがとう...助かったよ、おかげさまで...ケガもしてないよ。」
「そう...」
ラインは疑問を聞いてみた
「このへん魔獣が出るの?...」
「いいや、俺は商人でこの道をよく使ってるが初めてだ。」
「そうなんだ...。」
突然各地て魔獣が出現し始めたのか?等と思案してあると
「それにしても兄ちゃんスゲーなぁ、ワーウルフを吹っ飛ばすなんて」


「いや、...俺は弱いよ、...ワーウルフって強いの?...」

どうやらラインは頭に血が登りつつすも戦うという選択肢はなかったようだ。未知との相手に対策もなしに戦うほど馬鹿ではなかったし自分がどのくらいの強さか解らなかった。

「それより...腹が減って力が...」とラインもヘタり込んだ。

商人のおじさんは呆気にとられて
「なんだ腹空かしてたのか」まだ肩で息をしていたおじさんが手を差し伸べてきた。
「助けてくれたお礼だ。ご馳走するぜ」

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