異世界に転生したので楽しく過ごすようです
第146話 戻ってきたようです
暖かな光に包まれてサトシさんに元の世界に戻してもらった俺達。戻って来たのは転移トラップに引っかかった場所だった。
「ふぃ……。疲れたな」
「そうね。転移トラップは凶悪なトラップだったわ」
「そうか?強くなれて新しい仲間を得られたからそうでもないと思うがな」
「あなた達は罠が楽だったからいいのよ。私達はもうね……。レンも分かるでしょ?」
「えぇ、分かりますよ……。あの蔓は凶悪ですね……」
つ、蔓っ!?それってやばくね?女子で蔓とかそういう事になるってやつじゃないの?
「お前達大丈夫だったのか……?何もされてないのか……?」
「私達を舐めないでもらえるかしら?あれくらい余裕よ」
「そうですよ。私達はあれくらいでやられるわけないです」
「そうか……。ならいいんだが……その、なんだ、お疲れ様」
大変だったんだな。俺は魔物に追いかけられるとかそんなに大変じゃなかったからそんなもんだと思ったわ。
「あ、あのーあるじさま?ここにいた魔物ってどうなってるんでしょうか?」
リンがあそこに転移してくる前の事を思いだしたのだろう。戦っていた魔物がどうなったのかを聞いてきた。
「俺が最後に見た時はあいつらも一緒に転移トラップに引っかかってたぞ」
「ならあの魔物は死んでるのー!」
「うん。まぁそうだな。死んでるだろうな」
「よ、よかったぁ……」
ここまできてまた戦いになったらちょっと辛いからな。あいつらも一緒に転移していて良かったな。
「さて、今洞窟の中なんだがどうする?先に進むか?」
「私は少し疲れたから地上に戻りたいんだけど……ダメ?」
「あたしも疲れた。帰る」
フェイとミルが心底疲れたように言う。これは帰った方がいいだろうが、念の為に皆に聞いておくか。
「皆もそれでいいか?」
「わ、わたしも疲れてるので帰りたいです……」
「そうね。目的も達しているし帰ってもいいでしょう」
「んじゃ帰るか。多分転移出来るだろうから俺に捕まってくれ」
そう言うと皆が俺に捕まって、転移を待つ。
「よし。じゃあ転移!」
そうして俺達は冒険者達で賑わっている洞窟の外へと出た。
「平和そうでいいな。俺達は転移トラップにかかってたって言うのにな」
「全くよ……。もうこんなダンジョンきたくないわ。まぁでも転移トラップにかかって初めに行ったステージはピクニックなんかで行く分には楽しめそうね」
「美味しいご飯を持って行くとなおよし」
「ミルならそう言うと思ってた。じゃ戻って飯にでもするか」
「ん……!」
「わーい!ごはんだ、ごはんー!」
ミルとゼロだけは相変わらずの調子だが、その他は疲れが溜まっていて、ろくに返事を返さない。
「皆疲れてるみたいだし、早く休める所を探すぞ」
そうして宿を探し始めたのも束の間、思わぬ来客があった。
「いたっ!おーいミルー!それと君達ー!気付いてくれー!」
聞き耳スキルが発動し、この声を正確に拾った。俺はこの声がした所の方を向いた。
「……パパ?」
「おぉ!ミル気付いてくれたか!待ってくれすぐにそちらに行くから!」
そうして俺達の前に来たのはミルのお父さんである魔王様だった。
何故魔王様がこんな所にいるのか分からない。だが、それは今から魔王様が話してくれるのだろう。
「……パパ、なんでここにいるの?あたし達がこのダンジョンに来てからまだ二日くらいしか経ってないよね?」
「何を言っているんだい?私が君達を送ったのは一週間前だろう?」
「でも確かにあたし達は二日しか行動してない……」
「まぁその事は後で聞くよ。それで今すぐ知らせたい事があるんだ。急ぎのようだからここで言うよ」
魔王様の急ぎの用など、勇者の事以外にないだろう。もしかするとなにか進展があったのだろうか?
「いいかいよく聞くんだよ?……近々、聖国が王国と帝国に宣戦布告を仕掛けてくる。これは私の使い魔から聞いた事だ。まず間違いない」
「つまり、聖国が戦争を仕掛けてくるってことですか?」
「……残念ながらね」
なんということだ。そんな事になったらこの世界が混乱と混沌に包まれてしまう。
「だけど、宣戦布告するのも早くて一週間くらいだからまだ猶予はある。だから君達には聖国に行って阻止してもらいたい」
「阻止ですか?具体的には何を?」
「端的に言えば教皇を殺せ、という事になるかな」
教皇を殺す……か。俺達の目的が最終的に教皇に向いていたのだから好都合だ。だが、相手が万全の状態で戦うのは俺達でも無理だろう。
「いきなり言われても無理だろう。一晩考えて、明日の朝に出た答えを教えてくれないか?」
「……はい、分かりました」
「ありがとう。私はまだやるべき事が残っている。明日の朝なら時間は多くあるからその時に色々話そう。……宿は私が取っておいたから恐らく大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
俺は魔王様の案内で宿を確保した。
「わざわざありがとうございます」
「いや、これくらいはどうってことないさ。だって君達にはヨハンを殺すという使命がついてまわるかもしれないのだから」
そうして俺達は宿に止まることとなった。
「ふぃ……。疲れたな」
「そうね。転移トラップは凶悪なトラップだったわ」
「そうか?強くなれて新しい仲間を得られたからそうでもないと思うがな」
「あなた達は罠が楽だったからいいのよ。私達はもうね……。レンも分かるでしょ?」
「えぇ、分かりますよ……。あの蔓は凶悪ですね……」
つ、蔓っ!?それってやばくね?女子で蔓とかそういう事になるってやつじゃないの?
「お前達大丈夫だったのか……?何もされてないのか……?」
「私達を舐めないでもらえるかしら?あれくらい余裕よ」
「そうですよ。私達はあれくらいでやられるわけないです」
「そうか……。ならいいんだが……その、なんだ、お疲れ様」
大変だったんだな。俺は魔物に追いかけられるとかそんなに大変じゃなかったからそんなもんだと思ったわ。
「あ、あのーあるじさま?ここにいた魔物ってどうなってるんでしょうか?」
リンがあそこに転移してくる前の事を思いだしたのだろう。戦っていた魔物がどうなったのかを聞いてきた。
「俺が最後に見た時はあいつらも一緒に転移トラップに引っかかってたぞ」
「ならあの魔物は死んでるのー!」
「うん。まぁそうだな。死んでるだろうな」
「よ、よかったぁ……」
ここまできてまた戦いになったらちょっと辛いからな。あいつらも一緒に転移していて良かったな。
「さて、今洞窟の中なんだがどうする?先に進むか?」
「私は少し疲れたから地上に戻りたいんだけど……ダメ?」
「あたしも疲れた。帰る」
フェイとミルが心底疲れたように言う。これは帰った方がいいだろうが、念の為に皆に聞いておくか。
「皆もそれでいいか?」
「わ、わたしも疲れてるので帰りたいです……」
「そうね。目的も達しているし帰ってもいいでしょう」
「んじゃ帰るか。多分転移出来るだろうから俺に捕まってくれ」
そう言うと皆が俺に捕まって、転移を待つ。
「よし。じゃあ転移!」
そうして俺達は冒険者達で賑わっている洞窟の外へと出た。
「平和そうでいいな。俺達は転移トラップにかかってたって言うのにな」
「全くよ……。もうこんなダンジョンきたくないわ。まぁでも転移トラップにかかって初めに行ったステージはピクニックなんかで行く分には楽しめそうね」
「美味しいご飯を持って行くとなおよし」
「ミルならそう言うと思ってた。じゃ戻って飯にでもするか」
「ん……!」
「わーい!ごはんだ、ごはんー!」
ミルとゼロだけは相変わらずの調子だが、その他は疲れが溜まっていて、ろくに返事を返さない。
「皆疲れてるみたいだし、早く休める所を探すぞ」
そうして宿を探し始めたのも束の間、思わぬ来客があった。
「いたっ!おーいミルー!それと君達ー!気付いてくれー!」
聞き耳スキルが発動し、この声を正確に拾った。俺はこの声がした所の方を向いた。
「……パパ?」
「おぉ!ミル気付いてくれたか!待ってくれすぐにそちらに行くから!」
そうして俺達の前に来たのはミルのお父さんである魔王様だった。
何故魔王様がこんな所にいるのか分からない。だが、それは今から魔王様が話してくれるのだろう。
「……パパ、なんでここにいるの?あたし達がこのダンジョンに来てからまだ二日くらいしか経ってないよね?」
「何を言っているんだい?私が君達を送ったのは一週間前だろう?」
「でも確かにあたし達は二日しか行動してない……」
「まぁその事は後で聞くよ。それで今すぐ知らせたい事があるんだ。急ぎのようだからここで言うよ」
魔王様の急ぎの用など、勇者の事以外にないだろう。もしかするとなにか進展があったのだろうか?
「いいかいよく聞くんだよ?……近々、聖国が王国と帝国に宣戦布告を仕掛けてくる。これは私の使い魔から聞いた事だ。まず間違いない」
「つまり、聖国が戦争を仕掛けてくるってことですか?」
「……残念ながらね」
なんということだ。そんな事になったらこの世界が混乱と混沌に包まれてしまう。
「だけど、宣戦布告するのも早くて一週間くらいだからまだ猶予はある。だから君達には聖国に行って阻止してもらいたい」
「阻止ですか?具体的には何を?」
「端的に言えば教皇を殺せ、という事になるかな」
教皇を殺す……か。俺達の目的が最終的に教皇に向いていたのだから好都合だ。だが、相手が万全の状態で戦うのは俺達でも無理だろう。
「いきなり言われても無理だろう。一晩考えて、明日の朝に出た答えを教えてくれないか?」
「……はい、分かりました」
「ありがとう。私はまだやるべき事が残っている。明日の朝なら時間は多くあるからその時に色々話そう。……宿は私が取っておいたから恐らく大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
俺は魔王様の案内で宿を確保した。
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