異世界に転生したので楽しく過ごすようです
第117話 合流と落ち込みのようです
「いいか?もし今後同じことしたらほんとに飯抜きにするからな?」
「……はい。すいませんでした」
「すうぃませぇんでぇしたぁ?」
説教をすること十分。どれだけ人に迷惑をかけたかをしっかりと聞かせ、反省するように言った。
まあ俺も人に迷惑をかけてるのかもしれんが、ロリコンに追いかけられるのは別の話だ。あれは俺が迷惑を被ってるからな。
説教をくらい、少し泣き目になっている女神を尻目に、俺は未だ酔っぱらっているフェイにむく。
「さて、フェイをどうするかなぁ」
「どうするぅー」
「いや、繰り返さなくていいから」
「からぁー」
はぁ。これ、本気でどうしよう。回復魔法じゃ治らなかったからどうしようもないのは分かってるんだけど、それじゃダメだしなあ。
「あなたの力でどうにかすればいいじゃん。状態異常耐性のスキルあげたら治るだろうし」
俺が迷っていると女神が助言をしてくれた。確かにそれなら治るかもしれん。
「よし、じゃフェイにスキルをあげるか。フェイ、手を出してくれ」
「てー……んっ!」
俺はフェイの異変に気付く事なく、差し出された手を取った。そして、それが仇となる。
「スキル継承始めるぞ。状態異じょ……」
「おえぇぇっ!」
フェイが吐いた。……もう一度言う。フェイが吐いた。
これが意味するところをお分かりいただけるだろうか。ヒントは、俺の今の状態を女神が可哀想な目で見てるということだ。
俺の今日一日は、ロリコンに追いかけられて、女神を説教し、遂には吐瀉物をかけられる……。もう泣いていいよな。
踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、そんな言葉が今の俺にお似合いだろう……。
「ねぇ、その状態でずっと居るの?私が浄化魔法かけてあげようか?」
「女神よ……。今のお前の優しさが俺には痛く感じるよ……」
「……ご愁傷様です」
こっち見て手を合わせ、お辞儀する女神。そんなに哀れまないでくれ……。ほんとに泣いちゃう……。
「おかーさん!あの人臭い!」
「こら!見ちゃダメ!嗅いじゃダメ!声上げちゃダメ!」
子供の無邪気さって時には心を抉るよな……。あ、あれ?なんだろう……視界がだんだん滲んで……。
「……クリア。これであなたは元通り。ちゃんと綺麗になったよ」
「……ありがとう、女神。だけど俺はもうダメだ。ちょっと死んでくる……」
「ちょっと待った!何も死ぬ事はないって!悪い事があったら次はいいことがきっとあるから!ほら、人間万事塞翁が馬って言うじゃん!」
「……そうか。そうだよな。次はきっといいことがあるよな……」
「分かってくれて良かったぁ」
随分気は落ち込んだが、とりあえず女神の言葉である程度気を持ち直した俺。
そんな俺はもう一度フェイに向く。するとそんな俺達に話しかけてきた人達がいた。
「お酒臭いのだけれど。誰か飲んだりしたのかしら?」
「この様子ですと、フェイ様は確実に飲んでいますね」
「女神の方からも臭うー!」
「あ、あるじさまは飲んでないみたいです……で、でも様子が……」
「ふむ。私も飲みたかったぞ」
話し掛けてきた人達は、クエストに向かって行った皆だった。
「皆……おかえり……」
「目が死んでいるわよ?あなたに一体何が起こったの?」
「それは、私から話すね。だから、今は彼をそっとしておいてあげて……」
そして、女神は話し始める。俺はその間に、フェイに状態異常耐性のスキルを継承する。
「・・・というわけなの。だから今は……」
「とことん不運な人ね……」
「ははっ。俺は不運な男さ……。ちょっと死んでくる」
「ちょっと待ったあ!死ぬのはまだ早いって!さっき言ったばっかりじゃん!」
「相当重症みたいね」
自分でも今日一日、余程のことがない限りやる気が起きないと思う。
「うぅっ。ちょっと頭がクラクラする……」
「フェイ、戻ったのね」
「私は一体……あっ!わ、私とんでもないことを!」
フェイは酔っても記憶が残るタイプだったか……。まぁ俺には関係ないけどね。
「ご、ごめんね?」
「ああ、気にするな。俺は大丈夫だ……」
「あんまり大丈夫そうに見えないんだけど……あ、そうだ、お詫びに何か欲しいものを上げる!」
「俺の欲しいもの……家族」
「か、家族ってそんな……!まだ早いよぉ!」
ん?俺なんて言った?家族?ばっかじゃねぇの!それにまだってなんだまだって!
「すまん!今のは間違いだ!家族は確かに将来的には欲しいと思ってる事もないが、今はいらん!」
「そ、そうだよね!い、いやー焦ったぁ!」
フェイはわかってくれたようで良かった。
「その会話ってウブな恋人同士がよくやりそうよね」
良かったのに横槍を入れるジュリ。そしてそれを真に受けるフェイ。
「こ、恋人ってそんなっ!まだそんなんじゃないよっ!」
「まだってなんだ!恋人になる予定でもあったのか!?」
「こ、これは言葉の綾でっ!」
「何言ってるのあなた達は、結婚するじゃないのよ」
「「あ、そうだった」」
完全に忘れてたぜ……。俺達は恋人をすっ飛ばして夫婦になるんだった。
「あなたも元に戻ったし、まぁいいわ」
「お、おう。すまんな。心配させて」
へい、戻ったぜ。俺は不滅だ!
「そんな事より、クエストについて報告することがあって、諸事情によりお金は全然貰えなかったわ」
「え?マジで?なんかあったの?」
「戦力が増えたわ」
「へ?」
「戦力が……」
「いやいやいや、説明を端折りすぎなんだよ!」
「もう。しょうがないわね。説明してあげるわよ」
何を偉そうに。まぁいいけど。
そして俺はジュリの説明を受けた。
「……はい。すいませんでした」
「すうぃませぇんでぇしたぁ?」
説教をすること十分。どれだけ人に迷惑をかけたかをしっかりと聞かせ、反省するように言った。
まあ俺も人に迷惑をかけてるのかもしれんが、ロリコンに追いかけられるのは別の話だ。あれは俺が迷惑を被ってるからな。
説教をくらい、少し泣き目になっている女神を尻目に、俺は未だ酔っぱらっているフェイにむく。
「さて、フェイをどうするかなぁ」
「どうするぅー」
「いや、繰り返さなくていいから」
「からぁー」
はぁ。これ、本気でどうしよう。回復魔法じゃ治らなかったからどうしようもないのは分かってるんだけど、それじゃダメだしなあ。
「あなたの力でどうにかすればいいじゃん。状態異常耐性のスキルあげたら治るだろうし」
俺が迷っていると女神が助言をしてくれた。確かにそれなら治るかもしれん。
「よし、じゃフェイにスキルをあげるか。フェイ、手を出してくれ」
「てー……んっ!」
俺はフェイの異変に気付く事なく、差し出された手を取った。そして、それが仇となる。
「スキル継承始めるぞ。状態異じょ……」
「おえぇぇっ!」
フェイが吐いた。……もう一度言う。フェイが吐いた。
これが意味するところをお分かりいただけるだろうか。ヒントは、俺の今の状態を女神が可哀想な目で見てるということだ。
俺の今日一日は、ロリコンに追いかけられて、女神を説教し、遂には吐瀉物をかけられる……。もう泣いていいよな。
踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、そんな言葉が今の俺にお似合いだろう……。
「ねぇ、その状態でずっと居るの?私が浄化魔法かけてあげようか?」
「女神よ……。今のお前の優しさが俺には痛く感じるよ……」
「……ご愁傷様です」
こっち見て手を合わせ、お辞儀する女神。そんなに哀れまないでくれ……。ほんとに泣いちゃう……。
「おかーさん!あの人臭い!」
「こら!見ちゃダメ!嗅いじゃダメ!声上げちゃダメ!」
子供の無邪気さって時には心を抉るよな……。あ、あれ?なんだろう……視界がだんだん滲んで……。
「……クリア。これであなたは元通り。ちゃんと綺麗になったよ」
「……ありがとう、女神。だけど俺はもうダメだ。ちょっと死んでくる……」
「ちょっと待った!何も死ぬ事はないって!悪い事があったら次はいいことがきっとあるから!ほら、人間万事塞翁が馬って言うじゃん!」
「……そうか。そうだよな。次はきっといいことがあるよな……」
「分かってくれて良かったぁ」
随分気は落ち込んだが、とりあえず女神の言葉である程度気を持ち直した俺。
そんな俺はもう一度フェイに向く。するとそんな俺達に話しかけてきた人達がいた。
「お酒臭いのだけれど。誰か飲んだりしたのかしら?」
「この様子ですと、フェイ様は確実に飲んでいますね」
「女神の方からも臭うー!」
「あ、あるじさまは飲んでないみたいです……で、でも様子が……」
「ふむ。私も飲みたかったぞ」
話し掛けてきた人達は、クエストに向かって行った皆だった。
「皆……おかえり……」
「目が死んでいるわよ?あなたに一体何が起こったの?」
「それは、私から話すね。だから、今は彼をそっとしておいてあげて……」
そして、女神は話し始める。俺はその間に、フェイに状態異常耐性のスキルを継承する。
「・・・というわけなの。だから今は……」
「とことん不運な人ね……」
「ははっ。俺は不運な男さ……。ちょっと死んでくる」
「ちょっと待ったあ!死ぬのはまだ早いって!さっき言ったばっかりじゃん!」
「相当重症みたいね」
自分でも今日一日、余程のことがない限りやる気が起きないと思う。
「うぅっ。ちょっと頭がクラクラする……」
「フェイ、戻ったのね」
「私は一体……あっ!わ、私とんでもないことを!」
フェイは酔っても記憶が残るタイプだったか……。まぁ俺には関係ないけどね。
「ご、ごめんね?」
「ああ、気にするな。俺は大丈夫だ……」
「あんまり大丈夫そうに見えないんだけど……あ、そうだ、お詫びに何か欲しいものを上げる!」
「俺の欲しいもの……家族」
「か、家族ってそんな……!まだ早いよぉ!」
ん?俺なんて言った?家族?ばっかじゃねぇの!それにまだってなんだまだって!
「すまん!今のは間違いだ!家族は確かに将来的には欲しいと思ってる事もないが、今はいらん!」
「そ、そうだよね!い、いやー焦ったぁ!」
フェイはわかってくれたようで良かった。
「その会話ってウブな恋人同士がよくやりそうよね」
良かったのに横槍を入れるジュリ。そしてそれを真に受けるフェイ。
「こ、恋人ってそんなっ!まだそんなんじゃないよっ!」
「まだってなんだ!恋人になる予定でもあったのか!?」
「こ、これは言葉の綾でっ!」
「何言ってるのあなた達は、結婚するじゃないのよ」
「「あ、そうだった」」
完全に忘れてたぜ……。俺達は恋人をすっ飛ばして夫婦になるんだった。
「あなたも元に戻ったし、まぁいいわ」
「お、おう。すまんな。心配させて」
へい、戻ったぜ。俺は不滅だ!
「そんな事より、クエストについて報告することがあって、諸事情によりお金は全然貰えなかったわ」
「え?マジで?なんかあったの?」
「戦力が増えたわ」
「へ?」
「戦力が……」
「いやいやいや、説明を端折りすぎなんだよ!」
「もう。しょうがないわね。説明してあげるわよ」
何を偉そうに。まぁいいけど。
そして俺はジュリの説明を受けた。
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コメント
Eurom
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