異世界に転生したので楽しく過ごすようです

十六夜 九十九

第50話 久しぶりのようです

この後にお知らせがあります。そちらも読んでください。


 食事を取り終わり、勇者についても話し終わった。

 皆は勇者について聞き終わると各々ゆったりとしている。

 皆、勇者達と戦うことになってもあんまりいつもと変わらないんですね…。

 ちょっとは訓練的なことしてもいいと思うんですけど…。

 はぁ。まぁいいか。いざとなれば俺がなんとかする。

 所でその勇者達と戦うことなんだが…。

「魔王様。勇者達はいつ来るか分かりますか?」

「ん?そうだね、あと2、3日って言ったところかな」

 んー。思ってたよりちょっと早いな。だがまぁそれくらいなら大丈夫だろう。

「勇者達がこの異界にくる前に見つける方法はありますか?」

「勇者達がすぐそこに来たら私の使い魔が報告してくれる様になっているよ」

「でしたら、その報告が来たら私達を呼んでください。勇者達を迎え撃ちます」

「了解したよ。報告が来たらすぐに伝える」

「ありがとうございます」

 今はこれくらいしか対策の立てようがないな。後は勇者たちの前に出てからのことだし。それはその時のノリでどうにかするさ。

「では魔王様また後で」

「うん。また後で。あ、休みたかったら空いてる部屋を自由に使っていいからね」

「じゃあさっそく使わせてもらいます」

 俺はそのあと魔王様に一言断わって、空いている部屋へと向かった。

 その時にシロも俺に付いてくるように頭の上に乗ってきた。シロも食べた後でゆっくりしたいのだろう。

 部屋は寝室的なところな沢山あり、それの何処もが空いていた。

 だが1つ生活感が見て取れる部屋があった。多分魔王様の部屋だろう。その部屋の壁には大きな絵画が飾ってあった。

 その絵画には赤ン坊を抱いて、優しい顔をしている男性と、柔らかく笑ってそれに寄り添う女性が描かれていた。

 未来への希望や夢、幸せなどが溢れていて、輝いて見える。

 とても印象に残る絵画だった。

 俺はその部屋を後にして、すこし離れたところの空き部屋を借りる事にした。

 部屋の中は城というより家といった感じで、質素な造りであった。ただ、広さは普通の家よりは大きい。

「ふぅ。久しぶりに部屋の中で寝ることが出来るな…」

 今までずっと野宿だったからちゃんと寝ることが出来ず、疲れが取れてなかったからな。

 勇者達と戦う前までに疲れを完全に取っておきたい。

 俺はシロを頭の上から下ろし、横になった。

 シロはすぐさま腹の上に乗ってくる。

 そんなに俺の上が良いのだろうか…。不思議だ… 。

 そして、俺が眠りにつこうとした時、俺の部屋のドアが空いた。

 俺がドアの方を見てみるとそこには、気恥ずかしそうにしているリンがいた。

「どうしたんだ?」

「あ、あるじさまと一緒に眠りたくて…。ダ、ダメですか…?」

 まさか添い寝を頼みにリンが来るとは思わなかった。まぁだとしても一緒に寝てあげるがな。

「ダメじゃないぞ?好きに寝るといい」

「あ、ありがとうございます!」

 リンは俺の隣に滑り込んできた。

 うん。まぁそうだよね。それ以外考えれないよね。

 俺が今度こそ寝ようとしたら、またしてもドアが開いた。

 そこにはリンを抜いたパーティメンバー全員がいた。

「お前ら一体揃ってどうしたんだ?」

「その前に聞きたいのだけど、リンも来ているわね?」

「ん?俺の隣にいるが…。それがどうかしたのか?」

「いるならいいの」

「???」

 今の質問は意味があるのか?よく分からん。

「それで?一体何の用があるんだ?」

「マスターにふにふにして欲しいのー!」

 ゼロの言葉に全員が全力で頷いている。

 リンはなんと、俺の体をがっちり固定している。

 く…っ…!嵌められた…!リンはこのための布石だったのか…!

「これで主様は逃げる事が出来ませんね?」

「ま、まだだ!俺が転移すれば…」

「転移してもリンがまたここに転移しなおす…!」

「な、なん…だと…!」

「マスターを完全に捕まえたのー!私達の勝ちなのー!」

「勝ちの報酬としてふにふにを要求します」

「あ、あるじさまのふにふにがどんなものなのか知りたいです…」

「敗者は勝者の言う事を聞くべき…!」

「さぁ。こう言ってるけどあなたはどうするの?」

 逃げ道がない…だと…。これは完膚なきまでに負けたのではないのだろうか…。仕方がない…。負けを認めるか…。

「俺の負けだ…。お前達の要求を呑む」

「わーい!久しぶりのマスターのふにふにー!」

 俺はすかさず触手を出す。だが、間違わないでほしい。この触手は腕が増えるだけだ。決してあのヌルヌルしている様な触手ではないぞ。

 ゼロが一番乗りで飛び込んできた。

 俺はしっかりキャッチして、ふにふにを執行する。

 同時に隣にいたリンにもふにふにを執行だ!

「ふわぁ〜ぁ♪」

「にゃ、にゃにほれぇ〜♪きもひぃ〜♪」

 リンの初めてのふにふには、呂律が回らなくなるほどだったようだ。

「二人だけじゃなくて私達もお願いね?」

「ふっ。やる時はやる男だぞ?俺に任せとけ」

 そして、ミル、ジュリ、レンにもふにふにを執行する。

「ぁ〜ん〜♪」

「はぁ〜ん♪」

「ふにゅ〜ぅ♪」

 …うん。なんだろう。毎回思うけど俺はただふにふにしてるだけなんだぜ?なのにこの声は…。はぁ。もう今更か…。

「二ャ〜?」

「ん?シロもやってほしいのか?」

「ニャン!」

「そうかそうか。じゃあシロも」

 ちなみにこの会話の間もふにふにに手を抜くことはない。

 そして、シロにもふにふにをする。

「ニャ〜ン♪」

 ふっ。俺のふにふにはペットですら骨抜きにするんだぜ。

 ちょっと本気出してやってみよ。

「ここがいいんだろぉ?」

「はわぁぁ♪」

「まだまだ〜」

「ん〜ぁっ♪」

「ほれほれ〜」

「〜〜っ♪」

「それそれ〜」

「んっ…イッ…!」

 おい!今のイッってなんだ!それはいけないやつだろ!

 まぁ調子に乗った俺も悪いんだが…。ちょっと自重しよう…。

 それから俺は皆が骨抜きになるまでふにふをやり続けた。

 今、皆は眠っている。

 ふぅ。今回も俺は耐えたぜ…。俺をもっと褒めてくれ…。こんなのを続けてたら俺が野獣化してしまう…。

 今後もやらなければならないのだろうか…。やるのであればいつまで耐えることが出来るのか…。とても心配だ…。

 そして、俺も皆と同じく眠りに就くのであった。

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