異世界に転生したので楽しく過ごすようです
第49話 勇者について話すようです
俺と魔王様との話も終わり、皆の元に戻る。
するとジュリから念話が飛んできた。
『あなたの思考を読んで大抵のことは把握しているわ』
『ならこれからどうするかも分かっているな?』
『ええ、もちろんよ。もしかしたら同郷の人達かもしれないのに、残酷なことはさせたくないわ』
『まぁそうだな。皆には何て言った方がいいのだろうか?』
『勇者が来るから俺たちは魔王様の幹部って事で戦うことになった!とかでいいんじゃないかしら?』
『流石にそれは雑すぎるだろ。レンあたりがすぐに嘘だって気付くぞ?』
『レンならたぶん大丈夫よ。あの子はあなたの事を高く評価してるから、多分嘘だとは思わないはずよ?』
『そうだろうか…?』
『そうよ。だからさっきのでいきましょう!』
あのジュリさん?なんか嬉しそうじゃありません?でもまぁジュリなら魔王の幹部ってなったらこうなるよなぁ。
でもジュリが言ったことが大体正しいし、そっちの方が皆のやる気が出そう。
『じゃあジュリの案でいく』
『よし!』
もう隠す気すらないし。でもまぁ魔王の幹部なんて楽しそうではあるな。
この事を言うのは食事の時でいいだろう。…そんな時に話を聞いてくれるかは分からんが…。
それからはコックが料理を持って来るまで魔王様を交えて遊んだ。
一番盛り上がったのはやっぱりレースだろうか。
魔王様が新しい遊びだな!って言って一番はしゃいでた。
どうやら魔王様もミルと同じく負けず嫌いな所があるようで、それを見ると改めて親子なんだなと感じた。
ちなみに今回のレースは俺も参加した。風魔法が使えるようになったからな!
色んな遊びをしている内に、料理が作り終わったようで、料理をこの部屋にコックたちが運んできてくれた。
「ごはんなのー!」
「美味しそう…!」
ゼロとミルは料理を運んでいるコックに張り付いている。
こら!やめなさい!コックさん達が迷惑そうにしてるでしょ!
俺のそんな心の叫びにも気付かず、料理に釘付けな2人。
「ははは!元気でなにより!さぁ、私達も一緒に食事を取ろうか!」
「そうね。魔王様の言う通りだわ。久しぶりの豪華な料理は皆で楽しまないとね?」
「たしかにそうだな。じゃ、お言葉に甘えて」
そして俺達全員が席につく。
目の前のテーブルには高級料理と呼ばれるであろうものが所狭しと並んでいる。
実に美味そうだ。見ているだけで唾液があふれてくる。
その料理達を前に全員で手をあわせる。
「「「「「「「いただきます!」」」」」」」
そして、俺達は料理を頬張る。
シロにも食べれる料理が出ているようだったので、好きに食べて貰っている。
ペットとは思えないほどの行儀の良さだ。とても品がいい。
俺やジュリも大体のテーブルマナーなどは知っているので問題は無いのだが…。
ミルと俺の従魔達にはそれがない。レンとリンは俺とジュリの所作を見よう見まねでやってはいる。
だが、ゼロとミルは既に食べることしか見えていないようだ。がっついてしまっている。
まぁ何が悪いとかそういう訳じゃないんだけどね?こういう場ならもっとちゃんとしようぜ…。
俺の気持ちなど露知らず、料理を食べまくる2人。
「ひょうほそはみふにはふのー!」
「口のものを飲み込んでから喋りなさい。なんて言っているか全く聞こえんぞ?」
「………んっ。今日こそはミルに勝つのー!」
「…あたしは絶対に負けない」
こんな時まで勝負とは…。全く呆れた奴らだ。
「あー。ほらリン様。余所見するからスープこぼしましたよ」
「あっ、ごめん!あの二人が楽しそうだったからつい…」
こっちもこっちであんまりいつもと変わらんな。
「この料理は何かしら?すごく柔らかいお肉だけど」
「これは最高級のプレミアムボアから取れる肉を煮込んで、ほろほろにしているのさ。プレミアムボアは、魔物の肉の中で一番美味しいんだ」
「プレミアムボアなんて初めて食べたわ。本当にすごく美味しいのね」
こっちなんて料理の説得受けてるし。というか、ボアって食べれるんですね…。こんなに美味しいやつが元は魔物なんて信じられない。
んー。この様子だと今は勇者の件について話すのはやめた方が良いかもなー。皆楽しそうに食事してるわけだし。
食事が終わってからでもいいか。今はみんなと一緒に楽しもう。
そうして、俺は皆と和気藹々とした食事をした。
ゼロとミルは和気藹々とは程遠かったがな…。あの二人は何故にこんな時まで勝負をするんだ…。
「今回もあたしの勝ち…クフッ…」
「また負けたのー!くやしいのー!」
今回もまたミルが勝ったようだ。ミルの胃袋は一体どうなってるんだよ…。
ミルの勝利ともに俺達も食事が終った。
「「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」」
勇者の事を言うなら今しかないな。
「ちょっと皆いいか?」
俺が呼び掛けると魔王様も含めた全員がこちらを向く。
「えー。これからやらなければならない事が出来たのでそれを報告したいと思います」
「主様、今回はどんな滅茶苦茶なことを?」
「お前は俺をなんだと思ってるんだよ…。まぁそんなことは後でいいか。えっと、今回は勇者達一行と戦う事になりました」
「「「「………?」」」」
うん。まぁ事情を知らないとこうなるよな。分かる分かる。
分かるように1から説明するか。…作り話だけど…。
「わからない人のために説明をするが、今、勇者達一行がこの魔王城に攻め込んで来ようとしている」
「質問…。どうして勇者達が攻めてくるの…?」
むむっ。その質問は考えてなかった。ミルにだけはバレないようにしないといけないから本当の事は言えないし…。
これも俺が話を作るか…。
「えっとだな…。何やら勇者達がこの城の財宝を狙っているらしくてな…。ですよね?魔王様?」
ここで魔王様に振る。すると皆は魔王様の方を見る。
魔王様はいきなり話を振られてびっくりしているが、俺が魔王様にウィンクしたのに気づいて話を合わせてくれた。
「うむ。そうなんだ。私は困ってしまってね。財宝を取られると今後の食事すら出来なくなってしまうからね」
「…!それはいけない…!」
おっと?ミルからなにやらやる気の炎が見えるぞ?
「食事が出来なくなるのは死活問題…!」
あ、そこですか。確かに死活問題ではあるけど、ミルが言うとなんかなぁ。
「あたし本気出す…!」
「あ、うん。そうだな。勇者達は多分一筋縄ではいかない奴らばっかりだろうからな」
「質問です。それは主様でも戦いが厳しくなるということでしょうか?」
「そうだな。勇者達の容姿を聞く限りだと、俺達と同じ異世界から転移させられて来たんだと思う。そうすると、そいつ等は大抵俺と同じかそれ以上に強い」
「それだと私達では厳しいのではないのですか?」
「いや、多分めちゃくちゃ強いのは一人だけなはず。他は皆でも対処出来ると思う」
「分かりました。ありがとうございます」
これはまだ予測の域を超えていないのでまだ確定している訳では無い。ただ、異世界転移ものはこういう事が多いからな。多分あっているだろう。
「よし。これで皆は勇者と戦う理由と、勇者達の強さが理解出来たと思う」
皆が頷いている。しっかりと分かってもらえたようで良かった。ゼロとか理解出来たか心配だったからな。
「さて、ここで問題になるのは俺達の立ち位置だ」
「立ち位置ってー?」
まぁ当然そうなるよな。
「立ち位置って言うのは、俺達がどんな奴らなのかってことだ」
「んー?」
俺も言ってて正直分からん。と言うか説明合ってるのかすらも分からん。
「えっとだな。こう考えてくれ。俺達が勇者達の前に立ち塞がった時に勇者達がお前達は何者だ!って言ったら、俺達がなんて名乗ったらいいかってことだ」
「なるほどー!分かったー!」
「分かってくれたようで良かった」
「で、でもあるじさま。その立ち位置?はどうするんですか?」
「その時の俺達の立ち位置は魔王様の幹部って事にする」
「なるほど…。魔王様の幹部だと勇者達の前に立ち塞がる事も自然ですからね」
レンが納得してした様だな。確かにジュリの言った通りウソだとは思ってないみたいだ。
「そういうこと。だから皆もそういうことでよろしく頼む」
「「「「「はい」」」」」
うむ。いい返事だ。
後は勇者達が来るのを万全な体制で構えて置くだけだ。
こうして俺達は勇者達と戦うための前準備が終わった。
するとジュリから念話が飛んできた。
『あなたの思考を読んで大抵のことは把握しているわ』
『ならこれからどうするかも分かっているな?』
『ええ、もちろんよ。もしかしたら同郷の人達かもしれないのに、残酷なことはさせたくないわ』
『まぁそうだな。皆には何て言った方がいいのだろうか?』
『勇者が来るから俺たちは魔王様の幹部って事で戦うことになった!とかでいいんじゃないかしら?』
『流石にそれは雑すぎるだろ。レンあたりがすぐに嘘だって気付くぞ?』
『レンならたぶん大丈夫よ。あの子はあなたの事を高く評価してるから、多分嘘だとは思わないはずよ?』
『そうだろうか…?』
『そうよ。だからさっきのでいきましょう!』
あのジュリさん?なんか嬉しそうじゃありません?でもまぁジュリなら魔王の幹部ってなったらこうなるよなぁ。
でもジュリが言ったことが大体正しいし、そっちの方が皆のやる気が出そう。
『じゃあジュリの案でいく』
『よし!』
もう隠す気すらないし。でもまぁ魔王の幹部なんて楽しそうではあるな。
この事を言うのは食事の時でいいだろう。…そんな時に話を聞いてくれるかは分からんが…。
それからはコックが料理を持って来るまで魔王様を交えて遊んだ。
一番盛り上がったのはやっぱりレースだろうか。
魔王様が新しい遊びだな!って言って一番はしゃいでた。
どうやら魔王様もミルと同じく負けず嫌いな所があるようで、それを見ると改めて親子なんだなと感じた。
ちなみに今回のレースは俺も参加した。風魔法が使えるようになったからな!
色んな遊びをしている内に、料理が作り終わったようで、料理をこの部屋にコックたちが運んできてくれた。
「ごはんなのー!」
「美味しそう…!」
ゼロとミルは料理を運んでいるコックに張り付いている。
こら!やめなさい!コックさん達が迷惑そうにしてるでしょ!
俺のそんな心の叫びにも気付かず、料理に釘付けな2人。
「ははは!元気でなにより!さぁ、私達も一緒に食事を取ろうか!」
「そうね。魔王様の言う通りだわ。久しぶりの豪華な料理は皆で楽しまないとね?」
「たしかにそうだな。じゃ、お言葉に甘えて」
そして俺達全員が席につく。
目の前のテーブルには高級料理と呼ばれるであろうものが所狭しと並んでいる。
実に美味そうだ。見ているだけで唾液があふれてくる。
その料理達を前に全員で手をあわせる。
「「「「「「「いただきます!」」」」」」」
そして、俺達は料理を頬張る。
シロにも食べれる料理が出ているようだったので、好きに食べて貰っている。
ペットとは思えないほどの行儀の良さだ。とても品がいい。
俺やジュリも大体のテーブルマナーなどは知っているので問題は無いのだが…。
ミルと俺の従魔達にはそれがない。レンとリンは俺とジュリの所作を見よう見まねでやってはいる。
だが、ゼロとミルは既に食べることしか見えていないようだ。がっついてしまっている。
まぁ何が悪いとかそういう訳じゃないんだけどね?こういう場ならもっとちゃんとしようぜ…。
俺の気持ちなど露知らず、料理を食べまくる2人。
「ひょうほそはみふにはふのー!」
「口のものを飲み込んでから喋りなさい。なんて言っているか全く聞こえんぞ?」
「………んっ。今日こそはミルに勝つのー!」
「…あたしは絶対に負けない」
こんな時まで勝負とは…。全く呆れた奴らだ。
「あー。ほらリン様。余所見するからスープこぼしましたよ」
「あっ、ごめん!あの二人が楽しそうだったからつい…」
こっちもこっちであんまりいつもと変わらんな。
「この料理は何かしら?すごく柔らかいお肉だけど」
「これは最高級のプレミアムボアから取れる肉を煮込んで、ほろほろにしているのさ。プレミアムボアは、魔物の肉の中で一番美味しいんだ」
「プレミアムボアなんて初めて食べたわ。本当にすごく美味しいのね」
こっちなんて料理の説得受けてるし。というか、ボアって食べれるんですね…。こんなに美味しいやつが元は魔物なんて信じられない。
んー。この様子だと今は勇者の件について話すのはやめた方が良いかもなー。皆楽しそうに食事してるわけだし。
食事が終わってからでもいいか。今はみんなと一緒に楽しもう。
そうして、俺は皆と和気藹々とした食事をした。
ゼロとミルは和気藹々とは程遠かったがな…。あの二人は何故にこんな時まで勝負をするんだ…。
「今回もあたしの勝ち…クフッ…」
「また負けたのー!くやしいのー!」
今回もまたミルが勝ったようだ。ミルの胃袋は一体どうなってるんだよ…。
ミルの勝利ともに俺達も食事が終った。
「「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」」
勇者の事を言うなら今しかないな。
「ちょっと皆いいか?」
俺が呼び掛けると魔王様も含めた全員がこちらを向く。
「えー。これからやらなければならない事が出来たのでそれを報告したいと思います」
「主様、今回はどんな滅茶苦茶なことを?」
「お前は俺をなんだと思ってるんだよ…。まぁそんなことは後でいいか。えっと、今回は勇者達一行と戦う事になりました」
「「「「………?」」」」
うん。まぁ事情を知らないとこうなるよな。分かる分かる。
分かるように1から説明するか。…作り話だけど…。
「わからない人のために説明をするが、今、勇者達一行がこの魔王城に攻め込んで来ようとしている」
「質問…。どうして勇者達が攻めてくるの…?」
むむっ。その質問は考えてなかった。ミルにだけはバレないようにしないといけないから本当の事は言えないし…。
これも俺が話を作るか…。
「えっとだな…。何やら勇者達がこの城の財宝を狙っているらしくてな…。ですよね?魔王様?」
ここで魔王様に振る。すると皆は魔王様の方を見る。
魔王様はいきなり話を振られてびっくりしているが、俺が魔王様にウィンクしたのに気づいて話を合わせてくれた。
「うむ。そうなんだ。私は困ってしまってね。財宝を取られると今後の食事すら出来なくなってしまうからね」
「…!それはいけない…!」
おっと?ミルからなにやらやる気の炎が見えるぞ?
「食事が出来なくなるのは死活問題…!」
あ、そこですか。確かに死活問題ではあるけど、ミルが言うとなんかなぁ。
「あたし本気出す…!」
「あ、うん。そうだな。勇者達は多分一筋縄ではいかない奴らばっかりだろうからな」
「質問です。それは主様でも戦いが厳しくなるということでしょうか?」
「そうだな。勇者達の容姿を聞く限りだと、俺達と同じ異世界から転移させられて来たんだと思う。そうすると、そいつ等は大抵俺と同じかそれ以上に強い」
「それだと私達では厳しいのではないのですか?」
「いや、多分めちゃくちゃ強いのは一人だけなはず。他は皆でも対処出来ると思う」
「分かりました。ありがとうございます」
これはまだ予測の域を超えていないのでまだ確定している訳では無い。ただ、異世界転移ものはこういう事が多いからな。多分あっているだろう。
「よし。これで皆は勇者と戦う理由と、勇者達の強さが理解出来たと思う」
皆が頷いている。しっかりと分かってもらえたようで良かった。ゼロとか理解出来たか心配だったからな。
「さて、ここで問題になるのは俺達の立ち位置だ」
「立ち位置ってー?」
まぁ当然そうなるよな。
「立ち位置って言うのは、俺達がどんな奴らなのかってことだ」
「んー?」
俺も言ってて正直分からん。と言うか説明合ってるのかすらも分からん。
「えっとだな。こう考えてくれ。俺達が勇者達の前に立ち塞がった時に勇者達がお前達は何者だ!って言ったら、俺達がなんて名乗ったらいいかってことだ」
「なるほどー!分かったー!」
「分かってくれたようで良かった」
「で、でもあるじさま。その立ち位置?はどうするんですか?」
「その時の俺達の立ち位置は魔王様の幹部って事にする」
「なるほど…。魔王様の幹部だと勇者達の前に立ち塞がる事も自然ですからね」
レンが納得してした様だな。確かにジュリの言った通りウソだとは思ってないみたいだ。
「そういうこと。だから皆もそういうことでよろしく頼む」
「「「「「はい」」」」」
うむ。いい返事だ。
後は勇者達が来るのを万全な体制で構えて置くだけだ。
こうして俺達は勇者達と戦うための前準備が終わった。
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