異世界に転生したので楽しく過ごすようです
第19話 結婚することになったようです
ジュリに連れられてきた俺は今、国王の寝室の前にいる。
どうしてこんなことになっているのか俺には分からない。ただひとつだけ分かっていることは巻き込まれ体質が発動してるってことだけだ。……泣きたい。
「ここにお父さんがいるわ!行くわよ!」
コンコンッ
「ジュリです」
「入れ」
そして俺はジュリに連れられるままに国王の寝室に入った。
そこにいたのは、優しそうなおじいちゃんだった。どこかの田舎にいそうなおじいちゃんだ。
この人が国王なのか。なんか想像してたのと全然違う。なんかもっとこう圧がすごい人だと思ってたんだけど。
「む?おぬしは?」
「あ、私は……」
「私の結婚相手よ!」
ああ、逃げ道を潰された。もう終わりだ…。
ジュリはしてやったり的な顔をしてる。……1発殴ろうか。
『ごめんなさい!だってこうしないと逃げられるって思ったんだもん!』
いや、まぁ確かに逃げようと思ったけども!
「そうかおぬしが結婚相手か」
「ええ、まぁ、はい」
「私はバックスという」
「よろしくお願いします」
「ふむ。いい男を捕まえたのぉ。ジュリは来る縁談全て拒否しよったからな。もしかして売れ残るんじゃないかと心配しておった所だったわい」
「ちょ、お父さん!」
ははは。売れ残りだって。
………。
おっと。殺気が。考えてることが読まれることを忘れていたよ。
「そんなことより、この人と結婚するからついて行っていいよね!」
「元よりその約束だったからのぉ。行ってくるといいぞ」
「ありがとう!お父さん!」
もう結婚することは決まっているんですね…。
だが安心しろ!俺はもう諦めた!
「それでおぬしはなんでジュリと結婚しようと思ったのじゃ?」
おっと、その質問が来るのは想定外だったわ。
「ジュリはズボラでおっちょこちょいで自分勝手で手間のかかるやつじゃろ?」
「あと悪ガキもですね」
「カッカッカッ!確かにそうじゃな!」
「ちょっと!本人のいる前でそんなこと言わないでよ!」
はっはっは!さっきのちょっとした仕返しだ!
「それでどうしてなんじゃ?」
「ジュリは確かにズボラでおっちょこちょいで自分勝手で手間のかかる悪ガキですが、そんな彼女にもいい所があると思うんです…多分」
「それって私をけなしてるだけだよね!私泣いちゃうよ?」
「だがほんとの事だ」
「ぅわーん!こいつがいじめてくるー!」
「カッカッカッ!ジュリがこんなに楽しそうにしてるのを見るのは初めてじゃのぉ。いつもはどこかつまらなさそうにしてたからのぉ」
どうせ大方、せっかく転生したっていうのに王女だから冒険できないじゃん!、とか思ってたんだろ。
「それにしても、おぬしとジュリは相性がいいのぉ。この調子じゃと孫の顔を見るのは早いかもしれんのぉ」
「ちょ、お父さん何言ってるのよ!」
そうですよ!お父さん!……あれ?俺、今お父さんって言った?
ジュリはこっちを見てニヤニヤしている。……やっぱり1発殴ろうか。
「して、結婚式はいつするんじゃ?」
「「結婚式?」」
「なんじゃ?挙げないのか?」
「私挙げたい!」
「そうじゃろそうじゃろ」
またしても俺の意見は聞かないんですね。…もう慣れてきたわ。
「挙げるならいつにするのじゃ?」
「明後日!」
「明後日は式典があるからのぉ」
「あ、その式典、出るの私です」
「おぬしがそうじゃったか。じゃったら式典の途中で貴族共に報告してやろうかのぉ」
あれ?俺、墓穴を掘った?はぁ。多分汚れた貴族達に恨まれるんだろうなぁ。
『この世界の結婚式は教会でやるのよ。ほぼ日本と同じだから心配しなくていいわ!』
俺が心配してるのはその事じゃねぇよ!
「結婚式に出るとして、私は何をすればいいんですか?」
「おぬしはなにもしなくてよい。ただジュリに接吻するだけだからのぉ」
「ファッ!?」
接吻ってキスですよね?俺とジュリはまだ会って1時間も経ってないんですけど。
『なんでキスぐらいでそんなに焦ってるの?』
『だって俺達会って1時間も経ってないのに明後日とか早すぎるだろ!』
『おや?おやおや?もしかしてキスしたことないの?もしかして初キスまだだったりするのー?』
『ほっとけ!』
全くジュリはどこぞのクソ女神に似てるわ。ただあの女神はポンコツだけどな。
「おぬしらなにも念話で話すことないじゃろ」
おっと、念話で話してしまっていたか。国王には悪いことしたな。
「それじゃ、結婚式の準備をしてもらおうかのぉ」
パンパンッ
国王が手を2回たたくとドアからジルドさんが入って来た。
ジルドさんは驚きの表情で俺のことを見ている。
「ジルドには結婚式の準備をしてもらいたいのじゃ」
「はぁ。結婚式ですか?」
「そうじゃ。私の娘とそこにおる男がの」
「ああ、そうなんですね」
ジルドさん。なんですか?その憐れむような目は?
「どうもジルドさん。さっきぶりですね」
「はい。どうやらあの後色々あったみたいですね」
「ははは。そう思うなら変わってくださいよー」
「滅相もございません」
ちなみにこの会話、国王とジュリには聞こえないようにこそこそ話している。
ジルドさんは唯一俺の話をしっかり聞いてくれる人だ。そんな人にかわいそうな人を見る目をされると俺のライフはどんどん削れていく。
「じゃあジルド。頼んだからのぉ」
「かしこまりました。最高の式になる様に全身全霊を尽くします」
やめて!そんなことに全力出さないで!
「では、失礼致します」
ああ、ジルドさん。あなたはもう行ってしまうのですね。
『もしかしてホモなの?』 
『ばっ!ちげーよ!唯一の常識人が行ってしまうのが悲しいだけだよ!』
『ふーん』
こいつ…。1発じゃ足りんな。
「それじゃ私達も戻りましょうか」
「ああ、そうだな」
「お父さんと次会うのは結婚式かな?」
「そうじゃな。ジュリはおぬしに頼んだからのぉ」
「はい、分かりました」
「それじゃ、またねお父さん!」
「失礼致します」
「ああ、元気にするんじゃ」
こうして俺達の結婚は確定した。ただしそこに俺の意思はありません。……やっぱり泣いてもいいですか?
どうしてこんなことになっているのか俺には分からない。ただひとつだけ分かっていることは巻き込まれ体質が発動してるってことだけだ。……泣きたい。
「ここにお父さんがいるわ!行くわよ!」
コンコンッ
「ジュリです」
「入れ」
そして俺はジュリに連れられるままに国王の寝室に入った。
そこにいたのは、優しそうなおじいちゃんだった。どこかの田舎にいそうなおじいちゃんだ。
この人が国王なのか。なんか想像してたのと全然違う。なんかもっとこう圧がすごい人だと思ってたんだけど。
「む?おぬしは?」
「あ、私は……」
「私の結婚相手よ!」
ああ、逃げ道を潰された。もう終わりだ…。
ジュリはしてやったり的な顔をしてる。……1発殴ろうか。
『ごめんなさい!だってこうしないと逃げられるって思ったんだもん!』
いや、まぁ確かに逃げようと思ったけども!
「そうかおぬしが結婚相手か」
「ええ、まぁ、はい」
「私はバックスという」
「よろしくお願いします」
「ふむ。いい男を捕まえたのぉ。ジュリは来る縁談全て拒否しよったからな。もしかして売れ残るんじゃないかと心配しておった所だったわい」
「ちょ、お父さん!」
ははは。売れ残りだって。
………。
おっと。殺気が。考えてることが読まれることを忘れていたよ。
「そんなことより、この人と結婚するからついて行っていいよね!」
「元よりその約束だったからのぉ。行ってくるといいぞ」
「ありがとう!お父さん!」
もう結婚することは決まっているんですね…。
だが安心しろ!俺はもう諦めた!
「それでおぬしはなんでジュリと結婚しようと思ったのじゃ?」
おっと、その質問が来るのは想定外だったわ。
「ジュリはズボラでおっちょこちょいで自分勝手で手間のかかるやつじゃろ?」
「あと悪ガキもですね」
「カッカッカッ!確かにそうじゃな!」
「ちょっと!本人のいる前でそんなこと言わないでよ!」
はっはっは!さっきのちょっとした仕返しだ!
「それでどうしてなんじゃ?」
「ジュリは確かにズボラでおっちょこちょいで自分勝手で手間のかかる悪ガキですが、そんな彼女にもいい所があると思うんです…多分」
「それって私をけなしてるだけだよね!私泣いちゃうよ?」
「だがほんとの事だ」
「ぅわーん!こいつがいじめてくるー!」
「カッカッカッ!ジュリがこんなに楽しそうにしてるのを見るのは初めてじゃのぉ。いつもはどこかつまらなさそうにしてたからのぉ」
どうせ大方、せっかく転生したっていうのに王女だから冒険できないじゃん!、とか思ってたんだろ。
「それにしても、おぬしとジュリは相性がいいのぉ。この調子じゃと孫の顔を見るのは早いかもしれんのぉ」
「ちょ、お父さん何言ってるのよ!」
そうですよ!お父さん!……あれ?俺、今お父さんって言った?
ジュリはこっちを見てニヤニヤしている。……やっぱり1発殴ろうか。
「して、結婚式はいつするんじゃ?」
「「結婚式?」」
「なんじゃ?挙げないのか?」
「私挙げたい!」
「そうじゃろそうじゃろ」
またしても俺の意見は聞かないんですね。…もう慣れてきたわ。
「挙げるならいつにするのじゃ?」
「明後日!」
「明後日は式典があるからのぉ」
「あ、その式典、出るの私です」
「おぬしがそうじゃったか。じゃったら式典の途中で貴族共に報告してやろうかのぉ」
あれ?俺、墓穴を掘った?はぁ。多分汚れた貴族達に恨まれるんだろうなぁ。
『この世界の結婚式は教会でやるのよ。ほぼ日本と同じだから心配しなくていいわ!』
俺が心配してるのはその事じゃねぇよ!
「結婚式に出るとして、私は何をすればいいんですか?」
「おぬしはなにもしなくてよい。ただジュリに接吻するだけだからのぉ」
「ファッ!?」
接吻ってキスですよね?俺とジュリはまだ会って1時間も経ってないんですけど。
『なんでキスぐらいでそんなに焦ってるの?』
『だって俺達会って1時間も経ってないのに明後日とか早すぎるだろ!』
『おや?おやおや?もしかしてキスしたことないの?もしかして初キスまだだったりするのー?』
『ほっとけ!』
全くジュリはどこぞのクソ女神に似てるわ。ただあの女神はポンコツだけどな。
「おぬしらなにも念話で話すことないじゃろ」
おっと、念話で話してしまっていたか。国王には悪いことしたな。
「それじゃ、結婚式の準備をしてもらおうかのぉ」
パンパンッ
国王が手を2回たたくとドアからジルドさんが入って来た。
ジルドさんは驚きの表情で俺のことを見ている。
「ジルドには結婚式の準備をしてもらいたいのじゃ」
「はぁ。結婚式ですか?」
「そうじゃ。私の娘とそこにおる男がの」
「ああ、そうなんですね」
ジルドさん。なんですか?その憐れむような目は?
「どうもジルドさん。さっきぶりですね」
「はい。どうやらあの後色々あったみたいですね」
「ははは。そう思うなら変わってくださいよー」
「滅相もございません」
ちなみにこの会話、国王とジュリには聞こえないようにこそこそ話している。
ジルドさんは唯一俺の話をしっかり聞いてくれる人だ。そんな人にかわいそうな人を見る目をされると俺のライフはどんどん削れていく。
「じゃあジルド。頼んだからのぉ」
「かしこまりました。最高の式になる様に全身全霊を尽くします」
やめて!そんなことに全力出さないで!
「では、失礼致します」
ああ、ジルドさん。あなたはもう行ってしまうのですね。
『もしかしてホモなの?』 
『ばっ!ちげーよ!唯一の常識人が行ってしまうのが悲しいだけだよ!』
『ふーん』
こいつ…。1発じゃ足りんな。
「それじゃ私達も戻りましょうか」
「ああ、そうだな」
「お父さんと次会うのは結婚式かな?」
「そうじゃな。ジュリはおぬしに頼んだからのぉ」
「はい、分かりました」
「それじゃ、またねお父さん!」
「失礼致します」
「ああ、元気にするんじゃ」
こうして俺達の結婚は確定した。ただしそこに俺の意思はありません。……やっぱり泣いてもいいですか?
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