銀の冒険者は最弱スキルで成り上がる。

ダックン

スキルの応用

目の前には敵意剥き出しのソルラビットが20体ほど。
「アルトくん!これどうするんですか!私はまだ死にたくないですよ。」
「まぁ、なんとかなるでしょ。」
もちろん考えなく突っ込んだ訳ではない。
まずは光属性を魔法刀に込める。
「発」
アルトの手に握られた刀の柄からは長さが恐らく10m程の光の刃が発現した。
「うわ、長っ。でも重みは無いな。刃の質量は0に近いのか。これ魔力の込め方で長さを変える事もできるみたいだ。いやー上手くいってよかったー。ではさっそく。」
 鋭い爪を向け飛びかかってきたソルラビット。
アルトの振りかざした刀はソルラビットの胴体を捉えた。
全く切った感触がない。確かに実体を切ったはずなのにまるで空を切ったように感触がない。
しかしソルラビットは倒れて動かない。
いや、考えるのは後だ今は残りのソルラビットに集中。
「伸びれ光刀!いっきに蹴りをつける。」
長さ10m程まで伸びた質量0の刃。その長い刀を1振り。
自分の半径10m周囲にいたソルラビットに攻撃があたった。やはり感触は無い。しかし周りのソルラビットは全て倒れている。どうやら脈がないので本当に死んでいるようだ。
「アルトくんはやっぱり凄いです。今のどうやったんですか!」
「僕も、すべて理解した訳では無いけど恐らく光属性の刃は光のように質量は無い。そしてとてつもなく長くなる。だからどれだけ遠くにいる相手に多分攻撃することが出来るとおもうんだけど切った感触が無いからもし、攻撃が外れてても反応ができない可能性がある。その時はアリンが頼みの綱って感じかな。」
「私が頼みの綱。私に務まるでしょうか。」
「まぁ、大丈夫でしょ。」
「またそれですか。」
「次は闇属性の刀を試してみたいけどいいかな。」
「無茶はやめてくださいね。じゃあ敵を探しますね。
っん、?アルトくん質問があります。」
「何?なんかあったか?」
「魔獣がスキルを持つ事ってありますか?」
「どういう事だ!普通はありえない。魔力が広まったこの世界において知力を持った人間と武力を持った動物の力を平等に帰すために神が人間に与えた力。獣がスキルを手に入れては圧倒的に僕達人間が不利になってしまう。」
「ですよね。でも、ここから西に100メートル先にいるソルラビットのステータスのスキル欄が?になっているんですよ。今まではそんな表記は無かったはずです。」
「安全マージンを取りながらとりあえず見に行こう。もし危険だった場合すぐにアリンは先生に伝えにいくんだ。」
「アルトくんはどうするんですか!」
「僕は足止めをする。」
「私も戦います。」
「それじゃあ、もし2人とも野垂れ死にしたらどうするつもりだ。みんなに危険が及ぶ。俺なら心配しなくても大丈夫だ。任せとけ。」
「わかりました。」

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