転生王子は何をする?
第51話 盗賊は問答無用で悪ですね
盗賊達を殲滅し終わったトリス達。自分達の乗っていた馬車がやってくるのを尻目に、ホルストは馬車に近付いていく。
「ホルスト。危ない奴らだって勘違いされないかね?」
「さぁ?少なくとも敵対はしてこないと思うよ?」
「まぁ、あれだけ派手に暴れれば、反抗する気力も無いだろうよ。」
『違いない。』と2人で苦笑しながら馬車に近付いていくと、1人の男性が顔を青ざめさせながら降りてきた。
「お、ホルストが恐ろしいみたいだな。」
「む。トリスの方が物理的に倒した数が多いんだから、トリスに怯えてるんじゃない?」
トリスが冗談交じりでホルストに言うと、ホルストも半ば巫山戯た様子でトリス張り合ってくる。
「あ、あの〜。」
「「何ですか?」」
言い争ってる2人に、男性が遠慮がちに話しかけてくる。
「た、助けていただき、誠にありがとうございます。あなた方は一体何者なのでしょうか?」
正体不明のヤバい戦闘力を持った相手は怖いだろうと、2人は明るく自己紹介する。
「僕の名前はホルスト・ラ・レンバッハ。侯爵家の長男だよ!」
「俺はトリス。平民です。」
2人が自己紹介した直後、男性は固まってしまう。
「おい、ホルスト君?身分まで明かしちゃうと、寧ろ怯えられるんじゃないの?」
「ありゃ?そうかな?じゃあ、僕の名前はホルスト!平民かもしれないよ!」
「かもしれないって何だよ!てか今更遅いわ!」
目の前で漫才を見せられた男性は思わず笑ってしまう。
「あははは!おっと、失礼しました。警戒して損した気分です。しかしホルスト様の魔法は素晴らしいですね!あの至近距離にも関わらず、こちらに全く被害を与えずに盗賊を殲滅したのですから。」
男性は笑顔でホルストを称える。
「いえいえ!あれだけだと半数程度しか倒せませんでしたよ!僕がそちらに被害を与えない程度の魔法を使うことが出来たのは、全滅させることが出来なくても、トリスが援護してくれると確信していたからこそです。」
「確かに、トリス殿の弓の腕前も素晴らしいものでしたな。あ、私はマルセルと申す者です。以後お見知り置きを。」
「と、トリス殿は止めてくださいよ。それとそんな畏まられるような立場じゃ無いですよ!」
平民という設定であるため、トリスは慌てて否定する。まぁ、元々敬われるような事には慣れていないのだから、9割方素で否定しているのだが。
「ま、まぁそれはさておき護衛の方々はどうされたのですか?」
トリスは話題変更と、少し気なることをマルセルに問う。
するとマルセルは眉をひそめて言う。
「実は冒険者を雇っていたのですが、その者らが偵察に行ってくると言ったきり帰ってこないのです。もうかれこれ2時間ほどですかね。で、仕方が無いので、取り敢えず丘陵を超えて休憩しようとしていた所で爆発音が聞こえた次第であります。」
「う〜ん。裏切りか、若しくはさっきの盗賊に殺されているかのどちらかですね。取り敢えず聞いてみるか。」
「トリス殿?聞くとは?」
マルセルは不思議そうな顔でトリスを見るが、それにトリスは目線で返す。トリスの目線が向いている方を見ると、両手足を撃ち抜かれて悶えている3人の男が居た。
「こ、これは凄まじい腕前ですね!正確に貫いてます。それに無駄にした弓矢が辺りに見当たらないところからすると、全て当てたのですか!」
「ほ、褒め殺しはその辺にしてもらって、兎に角尋問しましょう。」
あんまりにもマルセルが持ち上げるので、耐えきれなくなったトリスは盗賊の元に向かう。当然他の2人もついてきている。
「よぉ!たった2人に全滅した気分はどうだ?」
「「「ぐぅぅぅっ!」」」
トリスが話しかけるが痛みでそれどころでは無いようだ。
「はぁ、仕方が無い。ホルスト。回復魔法とか使える人知らない?」
「僕が使えるけど?回復させちゃって良いの?」
「取り敢えず、魔法で気絶させてから、1人だけ回復して起こそう。」
「あ〜、了解。『電撃』からの『彼の者を癒したまえ 範囲回復』。そしたら『中級回復』。これで良いかな?」
「お、おう…。にしても魔法の腕前凄いな。最初会った時、俺の助けいらなかったんじゃ?」
「いやいや!あの時は乱戦だったから、僕の効果範囲の広い魔法を使うわけにはいかなかったんだよ。万が一にでも味方に当てるわけにはいかないでしょ?」
「あ、確かにさっき盗賊壊滅させた時の魔法を見る限りだと、味方ごと倒しそうだよな。」
トリスは納得と頷きながら言う。
「まぁそれよりもコイツ、どうやって起こす?」
「ホルストって悪人には案外容赦ないんだな…。」
さり気なく盗賊の1人を足蹴にしているホルストに、トリスが呆れた表情をする。
「で、どうする?」
「ん〜、頭に水ぶっかければいいんじゃね?」
「お、確かにそれは良いね。昔ながらの気絶している人の起こし方だね。じゃあ早速『水球』。」
ホルストは遠慮無しに盗賊の1人に向かって、威力抑え気味の水球を放つ。
「ぶっ!う、う〜ん?」
それをもろに喰らった盗賊は、唸りながらも目を覚ますのだった。
「ホルスト。危ない奴らだって勘違いされないかね?」
「さぁ?少なくとも敵対はしてこないと思うよ?」
「まぁ、あれだけ派手に暴れれば、反抗する気力も無いだろうよ。」
『違いない。』と2人で苦笑しながら馬車に近付いていくと、1人の男性が顔を青ざめさせながら降りてきた。
「お、ホルストが恐ろしいみたいだな。」
「む。トリスの方が物理的に倒した数が多いんだから、トリスに怯えてるんじゃない?」
トリスが冗談交じりでホルストに言うと、ホルストも半ば巫山戯た様子でトリス張り合ってくる。
「あ、あの〜。」
「「何ですか?」」
言い争ってる2人に、男性が遠慮がちに話しかけてくる。
「た、助けていただき、誠にありがとうございます。あなた方は一体何者なのでしょうか?」
正体不明のヤバい戦闘力を持った相手は怖いだろうと、2人は明るく自己紹介する。
「僕の名前はホルスト・ラ・レンバッハ。侯爵家の長男だよ!」
「俺はトリス。平民です。」
2人が自己紹介した直後、男性は固まってしまう。
「おい、ホルスト君?身分まで明かしちゃうと、寧ろ怯えられるんじゃないの?」
「ありゃ?そうかな?じゃあ、僕の名前はホルスト!平民かもしれないよ!」
「かもしれないって何だよ!てか今更遅いわ!」
目の前で漫才を見せられた男性は思わず笑ってしまう。
「あははは!おっと、失礼しました。警戒して損した気分です。しかしホルスト様の魔法は素晴らしいですね!あの至近距離にも関わらず、こちらに全く被害を与えずに盗賊を殲滅したのですから。」
男性は笑顔でホルストを称える。
「いえいえ!あれだけだと半数程度しか倒せませんでしたよ!僕がそちらに被害を与えない程度の魔法を使うことが出来たのは、全滅させることが出来なくても、トリスが援護してくれると確信していたからこそです。」
「確かに、トリス殿の弓の腕前も素晴らしいものでしたな。あ、私はマルセルと申す者です。以後お見知り置きを。」
「と、トリス殿は止めてくださいよ。それとそんな畏まられるような立場じゃ無いですよ!」
平民という設定であるため、トリスは慌てて否定する。まぁ、元々敬われるような事には慣れていないのだから、9割方素で否定しているのだが。
「ま、まぁそれはさておき護衛の方々はどうされたのですか?」
トリスは話題変更と、少し気なることをマルセルに問う。
するとマルセルは眉をひそめて言う。
「実は冒険者を雇っていたのですが、その者らが偵察に行ってくると言ったきり帰ってこないのです。もうかれこれ2時間ほどですかね。で、仕方が無いので、取り敢えず丘陵を超えて休憩しようとしていた所で爆発音が聞こえた次第であります。」
「う〜ん。裏切りか、若しくはさっきの盗賊に殺されているかのどちらかですね。取り敢えず聞いてみるか。」
「トリス殿?聞くとは?」
マルセルは不思議そうな顔でトリスを見るが、それにトリスは目線で返す。トリスの目線が向いている方を見ると、両手足を撃ち抜かれて悶えている3人の男が居た。
「こ、これは凄まじい腕前ですね!正確に貫いてます。それに無駄にした弓矢が辺りに見当たらないところからすると、全て当てたのですか!」
「ほ、褒め殺しはその辺にしてもらって、兎に角尋問しましょう。」
あんまりにもマルセルが持ち上げるので、耐えきれなくなったトリスは盗賊の元に向かう。当然他の2人もついてきている。
「よぉ!たった2人に全滅した気分はどうだ?」
「「「ぐぅぅぅっ!」」」
トリスが話しかけるが痛みでそれどころでは無いようだ。
「はぁ、仕方が無い。ホルスト。回復魔法とか使える人知らない?」
「僕が使えるけど?回復させちゃって良いの?」
「取り敢えず、魔法で気絶させてから、1人だけ回復して起こそう。」
「あ〜、了解。『電撃』からの『彼の者を癒したまえ 範囲回復』。そしたら『中級回復』。これで良いかな?」
「お、おう…。にしても魔法の腕前凄いな。最初会った時、俺の助けいらなかったんじゃ?」
「いやいや!あの時は乱戦だったから、僕の効果範囲の広い魔法を使うわけにはいかなかったんだよ。万が一にでも味方に当てるわけにはいかないでしょ?」
「あ、確かにさっき盗賊壊滅させた時の魔法を見る限りだと、味方ごと倒しそうだよな。」
トリスは納得と頷きながら言う。
「まぁそれよりもコイツ、どうやって起こす?」
「ホルストって悪人には案外容赦ないんだな…。」
さり気なく盗賊の1人を足蹴にしているホルストに、トリスが呆れた表情をする。
「で、どうする?」
「ん〜、頭に水ぶっかければいいんじゃね?」
「お、確かにそれは良いね。昔ながらの気絶している人の起こし方だね。じゃあ早速『水球』。」
ホルストは遠慮無しに盗賊の1人に向かって、威力抑え気味の水球を放つ。
「ぶっ!う、う〜ん?」
それをもろに喰らった盗賊は、唸りながらも目を覚ますのだった。
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