半魔族の少女は料理と共に

秋雨そのは

60話 婚約破棄の理由と勘違い

真面目に、人物増やしすぎました。例のケルトさんの情報整理、時間をその内だします。


 私達2人は1年のクラスに戻るため、廊下を歩いていた。

 溜息と共に私は、呟いた。

「また、今日も面倒事が起きそうね……」

「もう少しで、休みに入るからその時、街へ行って周ってみたらどうですか?」

「そういえば、色々あって忘れてたけど……街を周ってみたいわ!」

 そうよ! 色々ありすぎたから、休日くらいゆっくりしても良いはずよね! 凄く前と同じ……面倒事入りそうで怖いけど。
 そんな事を葛藤してると、珍しく静かだった。女神が話し掛けてきた。

――マ、マリアさん……緊急事態ですよ!――

「また騒々しいわね」

「何時もの事ですよ」

 そうだったわね、うるさいのに慣れるって怖いわ~。それで、切羽詰まった感じの女神さんはどうしたのかしら?
 ケルトさんも気になるようだし、しょうがないわね。聞きましょう。

「それで、どうしたのよ」

――それがですね、上からの命令で……彼女を助けないと私の給料、減給するっていうんですよ!――

 内容は察してたけど、理由が酷いわね。女神の通貨とかあるの? 凄く女神事情気になる……。
 まぁ丁度良かったわ、助ける予定だったから。ただ、事が大事だから下手すれば私も危ないわね……いや、貴族としてはどうでもいいのだけど。

「同じ転生者だし、助けるわよ。ただ、あっちが望んでなければ別だけど」

――た、助かりますよ~。今月分減らされたら予約したゲームが……――

「ストップ、私しか分からない事言われると……ほら、ケルトさんが脇で疑問符浮かべてるわ」

「僕は知識を知らない方ですけど、聞いたことも無い単語は……」

 流石に前世の話を持ってこられると、ケルトさんは反応出来ない。私も平然と話そうだから注意してるのに。
 それにしても、女神ゲームやるのね。人間なの? 予約とか減給とか……。

――分かっているのは、昨日の婚約破棄を大げさにしたこと。言った人は、メオドール。脇の女性がノーム・ハーネスですね。言うまでも無いですが、訴えられたのはナタリアさんです――

「また、新しい名前が出たわね。混乱しそうだわ」

「そうですね、後で僕も整理してみます」

 教室に着くまでの間、ケルトさんと女神で情報の共有と意見を出し合った。


 教室近くなったら、ケルトさんと別れ教室に入る。
 教室の扉を開けると、状況がわかりやすく出ていた。ナタリアさんを遠巻きに見て、貴族の女子達が陰口を呟いていた。私に気がつくと、道を開けてくれるけど。取り敢えずメルトさんに聞いてみた。

「これどうしたの?」

「マリアさん、婚約破棄の噂がもう広まって。みんなナタリアさんの事を避難しちゃってるんですよ……」

「堂々としてる、テオドールさんとメオドールさんが凄いわ~」

 そう、テオドールさんもメオドールさんも普通に席に座っていた。テオドールさんは本を読んでいるけど、その表情は苦虫噛み潰したような顔だ。一方のメオドールさんは、当然だと言いたげに見てる。

 私は皆さんに挨拶しつつ、メルトさんと共にテオドールさんに話しを聞く。

「酷い状況ですね」

「マリアさんか……そうだな。凄く酷いな……この空気を吸ってるだけで嫌になる」

 凄く悔しそうな顔してる。ノーム・ハーネスという人物知っているか聞いてみよう。

「あの、聞きたいことが……ノーム・ハーネスって娘知ってますか?」

「何故その名前を!……いや、あそこに居たら分かるか……」

 彼とノーム・ハーネスは実際には接点は無いらしい。会ったことがあるのはメオドールだ。
 そしてややこしい事で、その時……メオドールがテオドールとして会って。
 ナタリアさんと会ったのは、テオドールがメオドールとして会った事らしい。

 ん? て事は……ナタリアさんが好きな人って……メオドールさんじゃなくて、テオドールさんということで……。
 下手すれば、ノーム・ハーネスはテオドールだと思っているわけで……。

「いやいや……それは……まさかね~」

「まぁあ! そんな事出来るなんて、双子だから出来ることですね!」

 メルトさんはあまり緊張感が無いから、意外と癒やしかもしれない。メイドさんが弄りたくなるのも分かるかもしれない。
 先程のメルトさんの声で気が抜けたのか。貴族の女子達は席へ戻った。

 始まりの鐘がなったため、私達は席に戻った。
 自分の席に着いた時、女神が話しかけてくる。

――なんとなく、突破口見えましたね。問題はどうやって、この事を伝えるかと後まで時間が少ないことですね――

『時間が少ないの?』

――ですよ、婚約破棄なんかされたら。親が黙っていませんし、ナタリアさんはその事を否定しつつも最後は頷いてしまったので……状況が悪いです――

『下手すれば、幽閉……良くて地方に飛ばされるか……かな』

――そうですね、貴族って面倒ですね~。恋情と親の事は早めになんとかして、メオドールさんとノーム・ハーネスさんの事ですね――

 それにしても、先程から言いたい事あります……。め・が・みさん? 私の時よりやる気じゃないですか? 事が終わったら、おやつで釣って。お仕置きしようかしら。

 そんな話を女神としてたら、教師のオルドさんが入ってきた。


次は、オルドさんの話と内容と。

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