半魔族の少女は料理と共に

秋雨そのは

38話 料理は信頼がなせる技

ブクマ増えててびっくりです……、読んでくれてる方感謝です!
文追加と誤字修正しました


 私は、作る物の仕込みを終わらせる。

 今回作る料理は2品、少ない量ではあるが。
 パレードがメインらしく作る物は品数少なめ。そのため話し合いに合った料理を提供し、会話が弾む様にしなければならない。
 本の知識だけはあるが、選ぶのは所詮自分。選択を誤れば、信用を失う可能性もある。
 会話を弾ませるためには、普通の料理ではダメで作る物は食べたことも無い物。
 しかし、新しすぎる物は逆に興味を逸してしまう可能性がある。

 1品目はバルキモホウダイの刺身
 2品目はアムセルハゼ

バルキモホウダイ
真鯛に似た魚、大きさは真鯛の倍程ありこれを扱っている場所は少なく
貴族の中でも食べる人は少ないと言われているが、密かに平民には人気である

アムセルハゼ
アムセルという牛に似た魔物を使った料理
ハゼは野菜を使った、肉料理を代表する名称に付ける名前らしい

 ご飯というのは、余り馴染みが無い世界だけど。
 私は食べてないだけかもしれないとのことで。少量であるが、置いてもらうことにした。

 私の話しを聞く、料理人は口々に新しいやそんな魚の使い方があるとは知らなかった。などの言葉が出ていた。
 私は軽く刺身を作ってみる。
 最初はおぼつかなかった……、しかし、数回やると熟練の腕の様に魚を捌くことが可能になった。
 私のスキルの料理人というものだ。数回で使い方をマスターすることができる。

「どう……かな?」

 私以外は縁の無い、料理だが取れたての魚は新鮮な上に極上の旨味があるだろう。
 魚の中にある、細菌などは魔法の力で1発。なんで、出来たのか私にも分からないけど。
 心配そうな顔で私は、料理人を見る。
 抵抗があったようだが、1人が食べるとみんな1口食べた。

「お、美味しい……、魚という物はこんなに美味しかったのか」

「醤油もこの魚に合う、いつもは魚を食べることは無かった……、しかしこんなに美味いとは」

「ぷりぷりしていて、美味しい!」

 私はホッと胸を撫で下ろした。

「うん! これいいかも、最初はただの切り身じゃない? って思うけど美味しい!」

「それじゃ、私はこの作り方を教えるわ」

 みんなは、うんうんと唸り、刺身を担当する人を納得行くまで鍛え。
 もう一つの品は、ソースを作る工程を教え、作ったり見せて完成まで持っていった。

 貴族がやってくる日の料理を決まり。作るのは料理人に任せ、貴族の方々に振る舞ってもらった。
 その時私は、牢に入っていた。
 何故なら貴族が見に来るからだ、人形では見抜く可能性もあるため。

 続いて、3日掛けてパレードに出す物を決め、料理人が料理を教えてくれと言われたため。教えと共に時間を費やした。


 3日が経ち、パレードの日。

 私は牢に戻っていた。
 料理を教える事をメインとし私は作ることはない。

 パレードの日は私の処刑を行われるからだ、国王には会っていないけど、エンカの様子を見るに覆らなかったようだ。
 私が、牢でのんびりしていると、馴染みのある衛兵がやってきた。

「時間だ……、俺はなんて残酷な使命なんてものを受けてしまったんだろうな……」

「気にしないでください……、貴方は立派じゃないですか家族も大事にしていらして」

 この3日、衛兵の相談を乗ったり調理人の相談や、使用人のお手伝いなどをしていた。
 エンカには合う度に少し寂しそうな顔をしていくようになった。

 衛兵は私の牢のドアを開け、私を連れ出した。
 誘導する間、仮面を付けた少女だと知る人はいなかった……。
 はずだった……、しかし料理人5人がこちらに気づいた。

「カールさん! なんで衛兵に連れられてるんですか!」

「近づくな、この少女はあの忌々しい魔族の娘……誘惑され乗っ取られるぞ」

 近づこうとする、料理人を遮り私の目の前に立ち言った。
 その人は、エンカの父親……今の現在国王、ガルド・マルズダマ・セトだった。

「カールさんが魔族の娘……、でも……」

「言うな! それは……言っちゃダメなんだ」

 反論しようとする料理人は、衛兵によって遮られた。
 その事を話してしまうと、ここまで頑張った事が無駄になるからだ。

「何のことか知らぬが、儂には関係のない話しだ」

「くっ!」

「この者を処刑台に立たせろ! パレード開始の合図としてこの者を、焼き殺す!」

 そう言って、連れてきた衛兵とは別の2人の衛兵に連れられ、私は5人の料理人の元を去った。
 その時、あの衛兵が。

「俺は……また、何も出来ないのか!」

 そんな事を呟いていた。


次は、ケルトさんの方です

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