半魔族の少女は料理と共に

秋雨そのは

9話 街へ出発

話を面白くするのって難しい……
ブクマありがとうございます
行間少し変えました


 私は、2人が落ち着くまでの間これからの事を考える。

(このままじゃ、私のこっそり考えてた。ことが出来ないじゃない!)

 私は、危機感を感じている。
 転生してから、したい事があったのだ。

(それは、異世界の食事はどういうものか……周ってみたい!)

 1人考え込んでいると、女神が話しかけてきた。

――そういえば、お互いに名前知らないんじゃない?――

「そういえば……そうね」

「僕も忘れてました……」

 お風呂での事があったから、名前とか聞いてなかった。
 あんな……!!? また顔が熱く……。

――また、思い出してる……始めて見られたのですからしょうが無いですね――

「うるさいわよ!」

「まぁまぁまぁ」

 コホンッと一息入れて、軽く自己紹介する。

「私の名前は、マリア・アネット・カールです。よろしくお願いしますね」

「僕の名前は、ケルト・シライシです。よろしく」

――それにしても、妙な組み合わせですね~――

「でもいいんじゃないですか? 僕にとって良い巡りあわせですよ」

 笑顔でそんなこと言われたら、許すしかないじゃない……。

「妙な組み合わせってどういうことよ?」

――面倒ですけど、説明しないとダメですね……――

 ところどころ面倒がるのね、女神。

「そういわず、教えてよ~」

「待ってください、僕が説明します」

――やった、説明する手間省けた~――

 後で現れたら殴ってやろうかしら……。
 軽く殴らないと治らないかもしれない。

「それでは、まず貴女に謝らなければなりません。すみません」

 そういって頭を下げる。
 ちょっとどういうことよ?

「いきなり謝れてもわからないわよ……」

「そうですね、僕の父……もうお亡くなりになりましたが」

 黙って私は、待つ。

「父は、僕が5歳の時ある家族を、崩壊まで追い込みました」

「その家族は、魔族と人間で住んで、裕福に暮らしていたんです」

 ん? ちょっと待って、それって……。

「そう貴女の家族を殺めたのは、僕の父……ミナト・シライシ、勇者です」

 えぇ~、まさか私の転生先の家族を襲った。息子さんだったの~。

「そ、そうでも私は気にしてないわよ」

「なんでですか、僕は……僕はあの勇者の息子なんですよ」

 私に取っては、記憶の入る前の家族だし、結局捨てられたしね……。

「貴方が、その人のせいでどんな事にあったかは知らない……でも、私は許してあげるって言ってるの」

「でも……それじゃあ僕が気が済みません!」

 確かにそうかもしれない……、私は苦が無く過ごせたし構わないのだけど……。
 あ、丁度いいから、お願いしたいことが……。

「それなら、私がお願いが……あるわ」

「はい! なんでも」

 ん? いや、なんでもないですよ?

「私のお友達になってくれませんか?」

「はい!……え?」

 ダメ……かな?
 街も案内してもらいたいし、異世界初めてのお友達になりたいな~って。

「……ダメ?」

「ダメじゃありません! 僕なんかで良ければ」

 彼は笑顔で答えてくれた、良かった~。

――長々と面倒なやり取りでしたね……、要件が終わったらそのギスギス感無くしてくれます?――

 女神の一言で、彼と私は呆れた。
 でも、それも良いかな……。

「でも、友達って何するのかな……?」

 彼も友達いないようだ。

「街を案内してもらえませんか?」

「是非! 貴女がこの家にいる間色々な発展がありましたよ」

 前の街は分からないけど、楽しみだな~。

「幸いにもこの近くなので、行きましょう」

「あ、でも……」

「どうしたんです?」

「この角じゃ目立つわね……」

 何か無いかな……、部屋に戻り衣服類を見てみる。
 丁度いい、角が隠れるような、つばの大きな帽子が飾ってあった。

「うん、これで良いかな」

 私は、帽子を被り大きな鏡の前で、くるりと一回転する。
 風呂場で着替えた、白い膝までワンピースの服が揺れた。

――いいんじゃないですか? それなら違和感ありませんし――

 すると、女神が褒めてきた。珍しい……。

「僕もいいと思います、でも今度はちょっと困りますね……」

 彼はそこまで言うと、恥ずかしそうに口を閉じた。

「どうしたの?」

――貴女意外と天然の男たらしね――

「どういう意味よ!」

 失礼ね。

――貴女自分が可愛いとか思ったことあるの?――

「無いわね……それがどうしたの?」

 だって、それ自意識過剰じゃない?
 転生してから誰にもあってないし……女神以外。

――はぁ……貴女が可愛いくて言い寄ってくる、男が多いかもしれないですよ?――

 確かに女の子が居たら、声を掛けられるかもしれない……。
 しかもトラウマ持ちで上手く対応出来ないかもしれない。

(あれ?……でも彼だとなんで大丈夫なんだろう?)

 そう思いつつ、家を後にするのだった。


今回で第1章終了です。次は、街への道のりです

(マリア)料理してないんだけど
(女神)無理に決まってるじゃないですか
(マリア)素材は取れるけど、街に行かないと
(女神)バレたら何されるか、分からないですけどね
(ケルト)そしたら僕がなんとかしますよ
(マリア・女神)不安しか無い……

ブクマ……
(マリア)減ってきたわよ
(女神)もっと面白い人召喚しないとダメ……なの

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