俺の理想の異世界生活

百花止水

No.5 武器の真価そしてリベンジ

『おいおい、マナト何にやにやしてんだよ、気持ち悪いぞなんか良い事でもあったのかよ。』

「そんなに顔に出てるかなー?レッグまぁとてつもなく良い事だなー」

マナトは、とても緩んだ顔でそう言った。

『あ、そういえばこの前のスライムキングの討伐成功でランクの更新があったぞー!向こうのカウンターで冒険者カードの更新しとけよー』

まぁあれは、俺が倒したわけじゃ無いけど俺の名前でクリアした事になったからランクが上がったって事かな?
えーと確かあっちのカウンターで更新したら良いんだよな。

「あのーすいませんカードの更新したいんですけど、お願いします。」

とても綺麗なお姉さんが、

『分かりました、マナトさんですね。
マナトさんは、E3ランクでありながら強敵のスライムキングを討伐する事に成功したのでその栄誉を称えてD3ランクに更新されました。いきなり3つも上がるなんてすごいですね!』

まじか、いきなりDランクになるとは、スライムキングやはり只者じゃないな

「ありがとうございます、ではまた来ます。」

そう言うとマナトは、ある人物に報告しに行った。そう、ある人物とは、今日の朝、正式に一緒に冒険する事が決まったコユキのところにだ。
確かこの宿屋の裏側で剣を振ってるって言ってたな、

「おーいコユキ、ランクがDランクに上がってたよ。でも本当に良かったのか?俺が討伐した事にして。」

「それは、良かったです。全然良いですよーだってはやくランクをCランクにしないと未知の領域の探索に行く事が出来ないですから。」

「それもそうだな、それじゃーさっそくで悪いんだけど剣の使い方を教えてくれ!」

「そうですねーじゃあ、あそこにある少し大きめの岩に向かって特殊能力を発動させてください。」

よしあれか、確か剣を構えて強く振れば良いんだよな、

「いけ!ファイヤーボール!」

剣の先からいつものように小さな球体が飛んでいった。しかし岩は、びくともしていなかった。コユキは、少し頷いてから、

「分かりました、マナトくんはその武器の本来の力が使えていません。確かバーンソードって名前でしたよね?バーンソードは本来、炎を飛ばす事だけが目的の武器ではないと思います。」 
 
「コユキこの武器は、どうしたら本来の力が出せるんだ?」

「マナトくん、その武器の先に意識を集中させて溜めを作ってからあの岩に放ってください!」

意識を集中、意識を集中そして溜めを作って、もう一度!

「いけ!ファイヤーボール!」

次は先ほどとは、違い少し大きめのバランスボールぐらいのサイズになった。サイズが大きくなると威力も桁外れに強くなった。

「まじかよ、バーンソードすげー威力が数倍になったじゃねーか。」

溜めなしの攻撃では、びくともしなかった岩が一瞬で粉々になった。

「やりましたね。マナトくん!でも、もう1つあったはずです次は、剣の中心に意識を集中させてください。」

えっとー意識を中心に集中させて…

「うわっ剣から炎が出て体にまとわりついていく!」

たちまち剣から出た炎がマナトの体にまとわりついた。
するとコユキが、

「その炎をコントロールしてみてください。自由に動かせるはずです。」

まじか、この炎自由に使えるのか便利すぎじゃねーか。
とりあえずやるか、自分にまとわりついた炎に集中させて先ほど粉々にした岩の近くにあったもう1つの岩に覆うようにさせた。

「どうかな?思った以上に炎が言う通りになるのがすごいなこの武器。」

そう言うとマナトは、その炎を消した。

「すごいです、マナトくん炎をコントロール出来るんですね。これを完璧にさせたらすごく強くなりますよ。」

そう言いながらとても喜んでくれるコユキが可愛くて俺は、見惚れてしまった。

「マナトくん?大丈夫ですか?ボーとしたりなんかして。」

やばい、やばい

「な、何でもない!そういえばコユキは、何でこんなに武器に詳しいんだ?」

単純な疑問だった。

「私は、読書をするのが好きなのでこの前、たまたま見かけた特殊能力付きの剣の本を読んでいたので知ってただけですよ。」

すごい、コユキは綺麗なだけじゃなく強くて記憶力もいいのかまさに完璧にだな。

「そういうことか、ありがとなコユキ、いろいろと教えてくれて。」

「いえ、共に冒険する仲間なんだから当然ですよ。あの私は、用事があるので明日、また会いましょう。」

「いや、今から当分の間、自分なりに努力するから、コユキは自分のしたい事をしていいよ。」

こうして1人で自主練をした。
気づいたらもう夜だった。腹減ったな
今日は、スライムキングの報酬が出てるから少し奮発するか。
それから宿に帰って熟睡した。
飯は、とても美味かったとだけ言っておこう。

こうして毎日、1人の自主練が始まった約20日ぐらい経つぐらいになると、
バーンソードを完璧に使いこなせるまでに成長した。

今日もいつものように朝目を覚ました。そういえば、今日はコユキと久しぶりの再会の日だったな。
同じ宿屋に泊まっているはずなのに1度も会っていない。

「俺の成長した姿でも見せに行くかな!」

そう独り言を呟いて待ち合わせにしていた村のすぐ近くの草むらへ行った。

「マナトくんお久しぶりです。今日は、お互いに成果を見せ合いましょう。」

「そうだな。」

「まずは、私からしますね。私は、この20日間魔法を練習していました。 私が覚えた魔法は、
回復魔法  《キュア》
補助魔法  《クイック》
の2つを覚えました。キュアは、傷などの回復、クイックは、味方のスピードを上げる魔法です。」

「さすが、コユキ魔法も覚えるなんてすごいな!」

「ありがうございます。」
 
照れながらお礼を言うコユキほど可愛いものは、ないな…
おっと次は、俺の番か

「俺について来てくれ。」

マナトは、それだけ言うと、歩き始めた。そしてある場所に着いた。
そう、ここは、以前スライムキングと戦った場所だ。

「確か、ここでコユキに助けてもらったんだよな、ありがとう。そして俺は、あいつにリベンジしに来た。ここで見ててくれ。」

そう言うとマナトは草むらから飛び出した。そこには、なんと!スライムキングが2体いた!だがマナトは、一切動じずに叫んだ!

「いくぞ!スライムキング!フレイムアーマー!」

そう叫ぶとマナトの体に炎の鎧が出来た。さらにマナトは、溜めを行なっている。
しかし、その間にスライムキングは、かなりの数のスライムを呼んだ。
しかしマナトは、

「そんなの関係ねー!くらえ!ファイヤーストーム!」

マナトがそう叫びながら剣を振ると炎の竜巻が現れてスライムやスライムキングを一瞬で倒した。王冠が2つ落ちてた。

「す、すごい!マナトくんこの短期間でここまで成長するのは、とてもすごい事だよ!」

コユキがはしゃぎながら褒めてくれるのでとても嬉しかった、嬉しすぎた。

「俺もはやくコユキに追いつきたいから、一生懸命頑張ったんだよ。」

そうは、言っても初めての実践だったから、上手くいくかは心配だったんだけど。上手くいって良かった。
まぁ1番嬉しかったのは、前回フルボッコにやられた相手を倒すことが出来たのが嬉しいかな。

「そうだ、この王冠2つとこの20日間、採取や雑魚モンスターの素材納品の依頼をかなりこなしたからランクが上がってるはずだ行ってみるか!」

「じゃー私は、先に宿に帰ってるから後で来てねマナトくん。」

何?部屋に招待されただと今日まで努力した甲斐があった!よしさっそくギルドに行くか。

『マナト!この短期間でよく、この数の依頼をこなしたな。』

「まぁかなり頑張ったよ。ランクを上げるのに必死だったからな。ちょっと更新してくるわ。」

そう言うと、マナトはカウンターに行った。

「カードの更新お願いします!」

『はい、分かりました、少々お待ちください。』

今回は、少し長かった。
そしてカードを受け取るとそこには、C3ランクと書かれてあった。
まぁかなりの数をこなして来たからな。しかもまた3つ上がってる。

『おめでとうございます。マナトさんCランク昇格によりいろいろな未知の領域などに行くことのできる許可がおります!説明は、どうなされますか?』

まぁ聞きたいことは、コユキに聞けば、いいか。

「いえ、仲間に聞くので結構です。ありがとうございました!」

そう言うとマナトは、ギルドを後にした。やっと目標のCランクに到達したか。とりあえず、コユキの部屋に行くか!別に期待なんかしてないからな。でも、少しぐらいは、…してないからな!
トントン、扉が開いた。

「お邪魔しまーす、綺麗に整理整頓されてあるな。」

「ちょっと、あまり見ないでください!」

「あ、悪い悪い。そうだ、さっきギルドに行くとCランクに昇格していたぜ!」

「本当ですか!なら丁度良かったです。」

「丁度良かったって何かあるのか?」

「いえ、もうそろそろ旅に出ようかと思っていたんです。それと、マナトくんに、この装備をプレゼントします。Cランク昇格のお祝いです。」

そう言われて、渡されたのは、白くて綺麗なローブだった。

「そのローブは、自分の使う武器の属性によって色を変える特殊なローブなんです。さらに属性の攻撃力や、防御力が上がります。マナトくんは、何も装備をしていないのでこれを装備したらいいんじゃないかと思っただけなので入らなかったら捨ててください。」

コユキは、ものすごく照れている。

「捨てるなんて勿体無くて出来ねーよ。ありがとな防具を買うお金が無かったんだ。ありがたく装備させてもらうよ。」

「あ、明日の朝には、この村を出るので準備しておいてください。近くの街に行くので、荷物とかは、準備して置いてください。この村には、いつ帰って来るか分かりませんから。」

コユキは、そう言うとマナトを部屋から出して準備をし始めた。

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