戦闘力?皆無ですが防御力とトラップには自信があります。

ブラック兄者

Q.今日のご飯って何ですか?A.そもそもご飯がありません。

丘の上の集落に到着した。

簡易的な木造の家が立ち並ぶ質素な集落だ。

「やあ、旅のお方かい?ようこそカリーチェへ。何もない村だけどゆっくりして行くといい。」

警備の人だろうか?俺たちを見つけると簡単な歓迎の言葉の言葉で出迎えてくれた。オレとノノは軽く挨拶をして村の中へ入って行く。

「なあ、カリーチェなんて村の名前聞いたことあるか?」

「いえ、初めて聞きました。そもそも村や集落に名前なんて何処にもついてるエリアはなかったと思いますが・・・」

「そうだよな、オレも初めて名前のついたエリアなんて聞いたしなどういうエリアなんだここは?」

(グゥ〜)

さっきよりも大きな腹に虫が鳴いた。

「あら、旅のお方お腹が減ってるのかい?良かったらウチで何か食べてくかい?簡単な物なら直ぐに用意できるからさ」

集落の食堂(?)のような場所から恰幅の良いおばちゃんがオレたちに食事をして行かないか、と誘われた。

正直ゲームには今まで食事という概念は存在しなかった。だから食事を今必要か・・・っと聞かれたら必要ではないと答えるだろう。否、それがもし「ゲーム」では無かったらどうだろうか?ゲームをプレイしているときには感じることができなかったこのリアリティ溢れる空腹感、満たされない感覚、脱力感、もはや体が、本能が食べ物を欲している!

「おばちゃん!ご飯2人ぶんお願いします!」

考えるより行動が早かった、およそ反応までかかった時間は0.02秒、極限まで減ったお腹を満たせるかもしれないという状況で、しかも持ち合わせもない状態では当たり前の反応速度といえよう。

オレとノノは吸い込まれるようにおばちゃんのいた食堂(?)に吸い込まれて行く。

やはり建物の外見と同じで内装も質素な造りとなっていて大人数で食事を取れるように4人掛けのテーブルが数個、椅子が数個置かれていた。

「珍しいね、カリーチェみたいに何もない土地までやってくるなんて珍しいねお二人さん。隣の町から歩いてくるにしても2週間はかかるだろうに食べ物は呼び足りなかったのかい?かなりお腹減ってるように見えたけど」

おばちゃんはよほど手際がいいのだろうか?俺たちを呼び込み、席に座るまでの間に数品料理をテーブルに並べていた。そして、残りの料理をテーブルに並べつつ質問を投げかけてくる。

「オレたち気がついたらこの集落の近くに倒れてたんですよ、何処かもわからない状態でこの集落を見つけてやってきたんですが、食べ物だけ持ってなくって・・・」

「渓谷の向こうの街には食べ物置いてなかったですしねー」

「もしかして旅の方、あの進入不可能な渓谷から来たのかい?」

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