戦闘力?皆無ですが防御力とトラップには自信があります。

ブラック兄者

Q.プレイエリア外への侵入は可能ですか?A.基本的には入れませんが自己責任でお願いします。

街で買い物も済んだので目当ての渓谷エリアに移動するオレとノノ。

オレもノノも渓谷エリアにはいったことが無かったため移動アイテムでサクッと移動することができなかった、なので現在徒歩での移動中である。

「しっかし、渓谷エリアって言ったら前のアップデートでその先のエリアが実装されるーって話題になったところだよな、実際アップデートは見送られたってことで行ったことなかったな」

「へーそうなんですか?私は始めたのがつい最近なのでそんなエリアがあるなんて知らなかったです。」

「実装されてたらクラン専用エリアって言うのが購入できて一種の街を作れるって話だったみたいだぜ?あークラン専用エリア欲しかったなー」

クラン専用エリアっていうの手に入れて城を作るの、楽しみだったんだが実装されなかったってことで楽しみは当分先に伸ばされたのである。

「もうそろそろ渓谷エリアなんじゃないか?川があるらしいから近くにキャンプキット設置してそっから狩りに出るか」

キャンプキットを素早く設置し、準備を整える。ゲームの世界っていうことで睡眠を取る、食事をとると行ったことが必要ないのはありがたい話である。

そして、順調に素材が集まっていき残る素材は骨太骸骨の骨マッスルスケルトンの筋肉のみとなったがリアル時間がいい時間となったので一旦お開きにすることになった。

「今日はありがとうございました!かなり素材ももう少しで集まりそうです」

「そうか、オレも今日は楽しかったし最後までちゃんと手伝うわ、連絡してくれればまたすぐにここにくるからさ。」

「本当ですか!じゃあここに後で連絡してもらえますか!」

そう言うと個人チャットで連絡先を書き込んできた。どうせ中年太りのおっさんなんだろうなーとか思いつつオレはその連絡先をメモし互いにログアウトして行った。

・・・今日は衝撃が走る日だ。

オレはログアウトしてすぐにノノに聞いた連絡先に連絡をしたのだがマジモンの女の子だったのだ。しかもなかなか可愛らしい見た目の少女でアバターと瓜二つと行っても過言じゃなかった。クロガミで肩まで伸びたストレートの髪、目はくりっとしていてなかなか大きい瞳をしていた。トレードマークなのかわからないが猫耳ついたヘッドフォンをしている。

中年太りのおっさんだなんて行ってすみませんでした・・・

そして、次の日・・・

「シショー今日もよろしくお願いします!」

昨日準備していたキャンプキットは有効期限が切れていたのでサイド準備しながら今日の目標を確認していく。

「後はスケルトン系だけだったか?正直オレのプレイスタイルだと有効打与えられないからオレがスケルトンをおびき寄せるから鍔迫り合いになったら後ろから強襲して倒してくれ。」

わかりました!と返事をするノノにすぐさま一言付け足す。

「力加減はしてくれよ?じゃないとオレまで真っ二つになりかねん・・・」

「嫌だなーいっつも加減はしてますよ〜」

あれで・・・加減している・・・・・だと?

手に持つ剣を軽く振るえば衝撃波が飛び、手に持つ盾で殴れば大岩だって破壊できるだけの攻撃を散々しておいて加減していた・・・だと!?

「おっお前それ・・・冗談だよな?」

静かに首を振られた。

そもそもシステム上そんなことができるなんて聞いたことないんだけど・・・

・・・
・・


何度か身の危険を感じたがなんとかアイテムを回収しきった。

どう身の危険を感じたかと言うと鍔迫り合いしているオレとスケルトンをノノが吹き飛ばし崖の下に落ちかけたり、攻撃の衝撃がオレの方まで抜けてきたりしてきた。

(よく生きてたよオレ・・・)

そんなことを思っていると後ろではノノが嬉しそうに集まった素材を見て飛び跳ねて喜んでいる。

まあ、あそこまで喜んで貰えれば多少の傷も気にならないってものか。

「なあ、この後ちょっとアップデート予定地だったところ見に行ってもいいか?」

ノノも見に行って見たかったのかすぐに行きたいと言ってきた。

その移動中ノノはかなりの上機嫌だった、当然だろう。1人でできないって言ってた狩りを成功させたのだから。しかし・・・それはちょっとどうなんですか?ノノさん?両手に筋肉を持ってうっとりとした表情になってるのっていかがなものなんですか?筋肉フェチなんですか?手に持っているものが筋肉じゃなければ渓谷の綺麗な風景と合わさっていい絵になるんだが・・・残念だなぁ・・・

しばらく歩いていると柵と看板が見えてきた。

「この先、プレイエリアの外です」

んー、この表記最近よく見るぞー?

しかし不思議だ、普通アップデート完了していなければその先のエリアは真っ黒になっているか立ち入りができない様に壁の様なものが立っていたりするのがよくあるパターンだと思う。

どう不思議かと言うと奥のエリアが繋がって見えるのだ。

「シショーこの先って本当にアップデートされてないんですよね?」

そのはずだ、もしアップデート完了していれば話題になっているはずだからだ。

「ああ、確かにアップデートはされていない。されていたら街で話題になっているはずだからな」

確かに、とノノは頷く。

不意にノノが石を手に持ち実装されていないであろう場所に向かい投げ込んだ。

石は何事もなかった様に地面に着地した。

「あー!石と一緒に集めた筋肉1つ向こうに投げちゃった!」

確かに落ちている

「また帰りに倒せばいいd・・・」

言葉を最後まで言い切る前にノノは実装されていないはずの未知のエリアに飛び込んで行った。オレの手を掴んで引っ張る様な形をとって・・・

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