魔剣による(※7度目の)英雄伝説

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第1章『最強の魔剣』編 10話「契約」


「「……………」」
 
 リュートの自己紹介のあと、リーシャとレイは固まっていた。しばらくすると……
 
「「えぇぇぇーーーーー!?!?!?!?」」
 
 と声を上げた。
 
「リュートさん?!あなたが魔剣?どういうことですか?!」
 
「説明してください!!」
 
 と二人の美少女に詰め寄られるリュート。
 
「わかりました。それでは、説明しましょうか」
 
 



 
「こほん……まずは大前提からお話します。この世界における魔剣という言葉の意味は三つあります」
 
 とリュートが説明を始める。リュートの説明を聞いているのは、リーシャ、レイ、ついさっきデレデレモードから回復したクロ、アネモイ、テラス。そして、インドラである。それ以外のメンバーはトランプを始めていた。勝手に今日のリュートの添い寝をかけているようだ。
 
「一つは、先程のお話の中でレイさんが使った魔法。【氷の剣舞アイスダンサー】。これらは魔法剣と呼ばれるものです。これは単純明快で使用者の魔力によって生み出されるものです。そして二つ目は魔力剣、または魔法付与剣と言われるものです。これは、普通の武器や防具などに魔法を付与するというものです。一番の長所としては魔法の使えない人でも使うことができるように点です。そして、最後は私達のような魔聖剣です。これは魔なるものでも、聖なるものでもある極地に至った者のみがなれるものです。基本的には精霊、動物などがなるものですが………。私達のような人型の魔剣もいます。そして、魔聖剣の最大の特徴が主とした者の願いを叶えようとすることです」
 
「願いを叶える?」
 
「はい。基本的に人は欲のままに生きる生き物です。食欲、睡眠欲、性欲など様々な物があります。そして、人間の最大の欲求は、生存欲と呼ばれるものです。しかし、稀にこの生存欲を押し殺してでも叶えたい欲求がある、という人が存在します。……リーシャさん、あなたのように」
 
「!」
 
「あなたの願い。『もう二度と、誰かを失わない。誰もが差別することなく、誰もが犠牲になることなく、誰もが笑顔を浮かべ、誰もが幸せだと思える…。そんな世界を創りたい』という願いは、あなたが自分が死んでも叶えたいものなのでしょう」
 
 リーシャは自分の願いを……夢を初めて人に打ち明けた。それをバカにされるのではないか、と少し不安になっていたのだ。しかし、彼にそのような様子はない。ところが、
 
「ですが……。その願いは夢物語です」
 
 リュートはきっぱりとそう言った。
 
「!!………分かっているわ」
 
 リーシャは少しだけショックを受ける。
 
「どれだけ努力をしようとも叶う保証などありません。………いえ正直なところ、99%不可能でしょう」
 
「!………そんなこと、分かっています!!」
 
 リーシャは思わず叫んでしまう。彼女の手が固く握りしめられる。そんなことは分かっている。自分がどれだけ夢物語な話をしているかなんて。………でも、それでもわたしはっ!!
 
「「……絶対にやめない」んですよね?」
 
「えっ」
 
 リュートがまるで自分の言葉を先読みしたかのように言葉を連ねる。
 
「いいではないですか。誰に夢物語と言われても。」
 
「え?」
 
「もちろん、その善悪は剣によって異なりますし、協力するかしないも私たちの自由です。そもそも、私達が力を貸すのはその者に確固たる信念を見たときです。魔聖剣はその者の願いの達成を約束するわけではありません。共に目指していく存在なのです」
 
「そ、それじゃあ……!」
 
 すると、リュートはリーシャの前に来て片膝をつき手を胸に当てこう言った。
 
「……『我、絶対の魔剣なり。我、我が主の力となり、願いを叶える者なり。我、主を支え、願いの成就を祈るものなり。我、今ここに服従の契約を結ぶ』」
 
「!?それって……」
 
 そう言って、
 
「リーシャさん。私の手をお取りください」
 
 リュートはリーシャに手を差し出す。
 
「は、はい」
 
 そして、リーシャがリュートの手を取ると、
 
「「っ!?!?!?」」
 
 眩いばかりの光が発生して、リーシャとレイは思わず目をつぶってしまう。ようやく、光が収まると…
 
「これで契約は完了ですね」
 
 そう言って、リーシャに微笑むリュートがいた。手を見ると、そこには黒い刻印があった。
 
「改めまして……よろしくお願いします。リーシャ」
 
「!……はいっ、よろしくお願いします!」
 
 嬉しさと喜びに満ちた笑顔でリーシャはそう言った。
 
 



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