俺が出会ったメデューサはなんか他の奴とは違うようです

朝霧 えてる

第3話 〜2匹の蛇と〜

「…。メデューサの誤解ってなに?」

「話せば長くなりますね…。どこか安全な場所に行きたいです‼︎」

「この部屋借りてもいいすか。ここなら安全。」

男が修行室を指差した。

「ん、え、いいけど…。」

奏真が少しためらいながら修行室へと2人を入れた。するとサンシアが走ってきた。

「そ、奏真さんっ‼︎」

奏真がいない事に気付きだいぶ走ったのか、コートが乱れていた。

「あ、サンシア、ちょうどよかった。お前も来い。」

奏真はサンシアの腕をくいっとひっぱり修行室の中へと入れ、修行室のドアを閉めた。サンシアは髪がふよふよ浮くメデューサを見て驚いた。

「な、な、な、なんでメデューサが‼︎」

「お前もメデューサだろう。驚くことはないはずだ。」

男が言った。

「な、なんで、わかるんですかっ‼︎てか、奏真どうして2人をかくまってるの‼︎」

サンシアはあわあわと慌てた。

「落ち着けサンシア。2人なら何か教えてくれるかもしれないからかくまってみた。」

「裏切るに決まってるわ‼︎早く2人から逃げて‼︎」

「裏切るかはわからないんじゃね?」

「危ないって‼︎わたしは過去に体験済み。メデューサに裏切られたことがあるの‼︎お願い奏真…。」

「俺が石にされることはない。俺の能力の力でな。それに、石にされたらお前が石化を解いてくれたらいい。」

「まぁ確かに、メデューサが覚醒していないときは触れないと石にはならないけど…。」

「え、そうなのか。」

「メデューサにされたときお父さんがそれだけ教えてくれた。」

「へー。それだけとはなんとも不親切な親だな。」

「…。あのーぉ。そろそろいいですかぁ?」

女が指をくるくる回しながら呟いた。奏真とサンシアはメデューサのことを忘れていた。

「あっ、すみませんっ‼︎」

サンシアがガバッとお辞儀をした。

「んま、私達は石にしないのでご安心下さい‼︎本当です。ただ今日侵入したのには訳が…。」

「おい、シェルア、こいつ本について知ってるっぽいぞ。」

男が口を開くと女が目つきを変えた。

「あーら偶然。仕事が早く済みそうねぇ。本を返してくれたら私たちは暴れたりしないからぁ、はーやく本の場所教えてー。」

メデューサが口調を変えた。そして奏真とサンシアをみた。2人は本というのがなんのことかよくわからなかった。

「なんの本?」

奏真が思わず聞いた。

「アシェフ…。2人は本気でなんのことがわかってないわよ?へっ、そろそろあんたの能力腐りどきぃ?????」

「あ?てめぇ髪の毛引っこ抜くぞクソが。」

「あーらお口がわるぅーい。」

メデューサがおちゃらけ混じりの口論を始めた。

「…。あの、真面目に本ってなに?そろそろ外が騒がしいから片付けたいんだけど…。」

「あーらごめんねぇ。改めてなんだけっどぅー、私はシェルア、こっちのクソメガネはアシェフ。」

「クソは余計だ。」

メデューサが自己紹介をした。

「シェルアにアラフか。俺は奏真。こっちのお団子ガールはサンシア。」

「お、お団子ガールって…。」

サンシアが呆れ顔で呟いた。

「奏真?異国人かなぁ?」

シェルアがニヤリと笑って言った。

「人の名前で笑うのは失礼じゃねーのか。」

「笑ってはないわーよ。ただ、久々に名前にあがつかない人に会ってねー。」

「名前に、あ??」

《確かにカシアもサンシアもシェルアもアラフもみんなあがついてるな。ゴーメルとパールさんにはついてないけど…。》

「この国にはねー。あとか伸ばす棒が付く人はお偉いさんの家系なの。」

《伸ばす棒が付く人もそうなのかー、》

奏真は少しがっかりした。

「俺の国では、そんな決まりなくてね?」

「んま、アとか伸ばす棒が付く方がすごい珍しいけれど〜ね。」

「珍しいなら笑うなよ…。」

「あっはっは〜、ごーめんごーめん。」

「シェルア、そいつ、あれだ。」

シェルアが笑っているとアシェフがシェルアに言った。

「あれってどれよ。」

シェルアがキリッとアシェフをみた。

「お前が探してた、あれだ。」

「えー?でも、それこの子じゃないと思うよぉ??」

「兄弟がいると聞いている。多分そいつだ。」

「なーんでそれをもっと先に言わないのぉ?」

「お前が話を聞いてないからだ‼︎」

「きゃーごめぇーん。」

奏真とサンシアはなんの話をしているか全くわからなかった。本のことが気になるが話しが脱線するばかりで奏真は少しイライラしていた。

「おーふーたーりーさーん…。」

奏真が流石に呟いた。2人がばっと奏真を見た。

「あ、ごめんねぇ?えーっと、そこの女の子、なんつったっけ?サンシア…ちゃん?私、ゴーメルの親戚〜。ゴーメルの姉の子‼︎」

サンシアは目を丸めた。

「へっ…。」

「義理の親戚ってとこかな?あーでももう違うのかな?ゴーメルさん死んじゃったしねー。」

シェルアが言った。

「お、お父さんはちゃんと死んだの…?」

「わー、ほんとにお父さんって呼ばされてたんだー。ゴーメルさん死んじゃったよぉ〜。あんたの姉とその友達?かなんかよくわからない女の子によってねー。」

「お、お姉ちゃんと…ネルちゃんは…?」

「ネルちゃん…?あ、一緒にいた子かー。一緒にいた子は生きてるんじゃないかなー?死にかけてたけどぉーね。あんたのお姉ちゃんのことは察してね。」

シェルアがウインクをした。

「おい、シェルア、ウインクとか吐き気がするからやめろ。それよりそろそろ時間だ、こんなとこで話している場合じゃねぇぞ。」

アシェフがメガネを直して呟いた。

「あっ⁈ウインク吐き気がするとか可愛い女子に対しての言葉じゃないでしょ馬鹿‼︎はぁ…。あ、奏真くんとサンシアちゃんにお願いがあるのー。私達メデューサの事が1番記されている本を私達に渡してほしいの〜。」

シェルアが2人に言った。

「どんな本?」

奏真が聞いた。

「奏真くんはその本に、触ったことがあるはず、よ?」

シェルアは奏真を指差した。

「シェルア、人を指差すな、失礼だ。えーっと、奏真さん、話が脱線しすぎて申し訳ない、君が触ったことがある本と言われるとすぐ分かるだろう、その本が俺らが求めているものだ。」

「んー、思い当たる本って、さっき見ようとしてたやつかな?」

奏真はサンシアをみた。

「多分。」

サンシアも奏真を見た。

「私たちじゃーあ目立っちゃうから2人にとってきて欲しいんだけど、お願いできる?」 

シェルアが奏真にお願いをした。奏真は渡したくはなかった。渡してはメデューサについて2人が知れなくなるからだ。そこで奏真はいいアイディアを思いついた。

「あ、じゃあ、願いに答える代わりにこっちの願いも聞いてもらってい?」

奏真が聞くとサンシアが驚いて奏真を見た。

「うわぉ、交換条件とはね。いーよ、条件にもよるけどお願い聞いてあげようじゃない。」

シェルアがノリノリで答えるとアシェフが勝手に決めるな、と言っているような目でシェルアを睨んだ。

「もう知ってるらしいけど、サンシアはメデューサなのに、サンシアも俺もメデューサの知識がほぼゼロでね、あの本あんま渡したくないから君たちが俺らにメデューサの事教えてくんね?メデューサの基地の前の山まで送るし。」

奏真が言った。

「そ、奏真さんっ…。」

サンシアが慌てた。

「ずっと逃げてたらダメだと思ってな〜。今はこの2人もいるし、大丈夫だろ。」

「っつ…。」

サンシアは唇をかみしめた。

「いいわよ、その話乗った。あの本持たれてるとちょっとねー、メデューサ達が危ないからさー。今まではゴーメルさんが管理してたけどもう管理する人いないからねぇ。」

「よし、決まりだ。じゃあ取りに行こう。サンシア。」

奏真がサンシアに手を伸ばし、サンシアはその手を取り修行室を出た。

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