俺が出会ったメデューサはなんか他の奴とは違うようです
第5話 〜滴る赤い水〜
建物の中に入るとすぐ上に長く続く階段があった。上から2人の喧嘩声が聞こえるため奏真は階段の上へと駆け上がった。腕からは少し血が出ていたが奏真は気にもならないほど2人のことが気になっていた。そしてどんどん駆け上がっていくと2人の姿が見えた。
「おい、喧嘩すんなよ‼︎」
奏真が声を出すとカシアが大声を出した。
「奏真‼︎お願い、早く来て‼︎」
奏真は2人のすぐ近くまで行くと目を疑った。サンシアがいたのはいいが髪が重力に逆らっていた。
「さ、サンシア?サンシア…サンシアもめ、メデューサに…?」
「そ、奏真さん…。」
サンシアが泣きながら奏真を呼んだ。
「奏真、来るんじゃなかったわ、サンシアは私を裏切ったみたい。私がメデューサが嫌いなのは誰よりも知っているはずなのに‼︎」
「だから、話をきいてってば‼︎」
「聞いてられないわもう、私は気がたってるわよ‼︎」
2人がまた口論をし出した。
「2人とも落ちつけぇぇ‼︎」
奏真が建物中に響く大声を出した。2人はばっと奏真を見た。
「カシア、俺はこの状況が読めねぇ、サンシアの話をまず聞くのが始めだろう。深呼吸しろ、落ち着け!」
「はぁ…。落ち着いたわ。私は黙ってるから2人で話して。」
カシアが腕を組んで鋭い目つきでそばにあった椅子に座った。
「よし、で、サンシア、お前はなんでメデューサに?」
「そ、奏真さぁぁぁん‼︎‼︎」
サンシアが泣きながら奏真に飛びついた。奏真は石にされるのではないかと少しビクビクしていた。
「お、お父さんが…。お父さんが…。」
「お父さん?ゴーメルさんか、ゴーメルさんがどうした。」
「私はお父さんに騙されてたんです。お父さんはメデューサの特別大佐だったんです。THで研究しながらメデューサの特別大佐もこなしていたんです。私は人間をメデューサに変える薬の研究の実験台にされたんです。下であったネルも実験台にされて…。」
「ゴーメルさんはお前らを騙してたってことか…?ゆるさねぇ。」
「私は絶対、絶対2人を石にしたりしません。安心してください。」
「そうか、まぁ、おまえになら石にされてもいいや。なんかおまえは安心できる。」
「あ、ありがとう…。」
「みんなにはメデューサってこと内緒にしような。おまえは俺と一緒にTHに戻ろう。」
「で、でも、こんな髪じゃ‼︎」
「髪お団子にくくって帽子被ったら大丈夫だろ。」
「でも…。」
「まぁ、物は試しだ。とりあえず人間狩りのメデューサが戻ってくる前にここを出なきゃダメだろ。おまえはなんでここにいた?」
「留守番役…。」
「ちゃんと守るとか、おまえ馬鹿だな。」
「だ、だって、どうせTHに戻っても捕まっちゃうし…。」
「それもそうか、じゃあ、行くぞ。俺が一緒だから安心しろ。」
奏真とサンシアはTHに戻ることを決めた。カシアは今にも体から火が出そうな怖い顔でじっと2人を見て自分の手を強く握りしめていた。
「すまんカシア、大人しくしといてくれてありがとう。」
「サンシアがTHに戻ると私は不愉快で仕方がないんだけれど。」
カシアが口を開いた。
「おい、妹だぞ?なんでそんなことを言うんだ。」
「あなたがサンシアの肩を持つならそれでいいわ。でもあなたは、私のこと何も知らないじゃない‼︎私がどれだけメデューサを嫌いかも、知らないでしょ‼︎」
カシアが立ち上がり後ろの窓をグーパンチで叩いた。窓にはヒビが入った。
「おぉ、こえぇ。じゃあ、教えてくれよ。お前らのこと。知らなくて当たり前だろ⁈まだ会ってそんなに立ってないし‼︎」
「あなた何様のつもり⁈異世界から来たとかわけのわからないこというしあなたの能力は氷だって言うし‼︎変に私たちに馴れ馴れしいし、もう意味がわからないわ‼︎」
「なんでそんなことで怒るんだよ‼︎落ち着けよ‼︎」
「あなただって大きな声出してるじゃない‼︎」
「わかった、俺も落ち着く。お前も落ち着けよ。」
奏真が大きく深呼吸をした、その時だった。
「奏真、伏せて‼︎」
カシアが今までにない大きな声を上げた。奏真はばっと床に伏せた。すると、カシアの後ろの窓ガラスが弾け飛んだ。
「は、なに⁈」
奏真は何が何だかわからなかった。
「お姉ちゃん‼︎‼︎」
サンシアが喉が潰れそうな声で叫び走り出した。奏真がサンシアが走っていった方をみるとカシアが倒れていた。サンシアはカシアを抱き抱えた。銃で打たれたのだ。
「どっからだ⁈」
奏真が後ろをみると目を丸めた。数十体のメデューサがいたのだった。一体が銃を持ってにやけながら立っていた。
「なーんでこんなところに人間がねぇ…。」
メデューサが口を開いた。するとメデューサ軍団の後ろから誰かが歩いてきた。
歩いてきたやつに奏真は目を疑った。
「ご、ゴーメル…っ‼︎」
「お父さん‼︎」
「姉貴が撃たれてサンシアも可哀想に。」
ゴーメルがそう言った。
「奏真さん、逃げましょう。」
サンシアが奏真の服の袖をつかみ呟いた。
「戦ってみないと。」
奏真が言ったがサンシアは止めた。奏真はカシアを抱き、サンシアの手を引き、割れた窓から飛び降りた。
「きゃーっ‼︎‼︎」
サンシアがスカートの裾を抑えながら叫び声をあげた。そして地面に3人はどてっと落ちた。
「大丈夫か、サンシア、カシア、少し走るぞ、来い‼︎」
「私はここに置いていって…。」
カシアが小さな声でそう言った。銃で撃たれたためもう意識が朦朧としているのだった。
「奏真さん、絶対お姉ちゃんは置いていけません。とりあえずここは離れましょう。」
そういいサンシアが走り出した。奏真はカシアを抱いたままサンシアの後をついて行った。少し走ると山の道があった。
「とりあえずここに…。」
サンシアが呟いた。奏真はカシアを下ろした。
「おい、カシア‼︎カシア‼︎」
「お姉ちゃん…‼︎」
カシアはうっすらと目を開けた。
「サンシア…。私奏真と大事な話があるから…。先に山をあがって…。」
カシアがゆっくりと喋った。
「で、でもっ…‼︎」
サンシアは泣きそうになりながら呟いた。
「行って…。」
カシアがもう一度声を出した。サンシアは涙目になりながら走り出した。なにも言わず、一度も振り返らず。
「サンシアを先に行かせてまでの大事な話って?」
「奏真…。ごめんいろいろ嘘ついてた…。」
「ん?俺はとりあえずいち早くお前を連れて帰りたいんだが…。」
「聞いといて…。私がサンシアと喧嘩したのは演技よ…。メデューサが来てること私わかってた…。喧嘩したらサンシアは逃げ出してくれるかなって思って…。まぁ結局熱く話してしまったけど…。そして…。あなたが異世界に来たのは…。私のせいかもしれない…。サンシアは…。この前あなたと初めて会った日、あの日…、死のうとしていたの…。死ぬ前にほんとのお母さんとお父さんが予知していた…の…。2人の占いは…絶対に外れない…。それで…。サンシアが死のうとしてるから…。守ってやってって…言われたの…。でも討伐隊の幹部になってしまって…。あぶないところへ送り込まれることが増えてね…。守ってる暇はなくなって…。忙しくなったし…。だから、毎日祈ってたの。妹を守ってくれる誰か優しい人が現れて欲しいって。守ってくれたらいい。それ以上の欲はなにもないからってね…。あなたと初めて会ったあの日は…。お父さんとお母さんのお墓参りの帰りだった…。お墓で祈ったから祈りが届いたのかな…、なんて思ってた…。」
「お前が俺を呼んだのか。確かに火事にあったあの日は、妹の買い物について行ってた。」
「そう…。やっぱり、私が呼んだのかな…。たぶんあなたは元の世界で死んだんだと…思う。だから生まれ変わったんだと思うわ…。私があまり欲を言わなかったから…。あなたは私の願いを聞いてくれる神様の分身となってこの世界に来たと思う…。だから氷魔法も使える…。私はそう思うわ。へ、変な話してごめんね…。」
「俺はサンシアを守るための神の分身みたいなものってことか。へぇ、面白い。俺が異世界へ来た意味はこんな意味なのか。」
「あくまで…推測よ…。身内事に巻き込んで…。申し訳ないわ…。あなたが…。あなたがよかったらでいいけど…。妹を…守って欲しい…。」
カシアが目に涙を浮かべながら言った。
「おい、まて、死ぬ気でいんのか。連れて帰るから死ぬな。」
「だめよ…。帰れない…。私はここで…お父さんを止めて…殺さないと…。サンシアが帰ってから…困るから…。」
「俺があいつは殺る。お前はサンシアと帰れ。」
「わがままいってごめん…。私に殺らせて…。」
れ。」
「でもっ…。」
奏真はその先を言えなかった。最後の気力を使い、血を流しながらカシアは立ち上がった。
「じきに…お父さんたちはくる…。早く…言って…。妹のこと…。守って…。」
カシアは泣きながら奏真をみた。奏真も思わず涙を流してしまった。
「おれ、あってまだそんなに経ってないお前の死が悲しい…っ‼︎」
奏真は手で目を抑えながら歯を食いしばりながら声を上げた。
「わたしもよ…。奏真…。サンシアに…よろしく言っといて…。ほら…。奏真…。早く行って…。」
カシアは震えた手で奏真の背中を押した。奏真は走り出してしまった。サンシアのいる山の上へと走り出してしまった。
「くそっ、くそっ‼︎」
奏真は涙を静かに流しながら後ろはみず、ずっと走った。山を登るとまた奏真は目を見開いた。今度はサンシアが血を流していた。
「さ、サンシア⁈」
「そ、奏真さん…っ‼︎す、少し力貸してください…っ‼︎」
メデューサが数体いて、サンシアを攻撃していた。奏真はとりあえずサンシアを後ろに下がらせた。そして、力を使った。
「みんな、凍れぇっ‼︎」
奏真は山のそこら辺中を凍らせた。息が切れて苦しい。メデューサは皆凍った。メデューサが凍るとサンシアは奏真を睨みつけた。
「お姉ちゃんは?!」
「お前の…父さんを…殺るらしい…。」
「はっ…‼︎お姉ちゃんのところへ行かなきゃ‼︎」
奏真の言葉にサンシアは動き出そうとした。奏真はサンシアの手を掴み止めた。
「離してっ‼︎」
サンシアは奏真の手をパシッとはらった。
「お前の姉がお前を守るためにゴーメルを殺るんだぞ。行ったらだめだ。他の手下もいる。お前が死んだら元も子もない。」
「なら、あなたが行って‼︎」
「カシアに言われた。俺はお前を守るために異世界にきた。お前が死のうとしてるからカシアは心配していたんだ。だから、願ってたんだ。お前は姉貴の願いをちゃんと叶えてやれ。お前に生きてもらうことがあいつの目的だ。」
「なんで死のうとしていたことを知っているの‼︎あなたが来た日、私は死のうとしていた。なのにあなたが現れて予定が狂ったわ。私は罪悪感に包まれている。本当のお母さんとお父さんが死んだのは私のせいだから。」
「カシアは死のうとしていたことを知っていた。それで俺が来たんだ。頼む、俺と来い。」
「これ以上、家族は失えない‼︎」
「代わりにはならないが、俺がいる‼︎」
奏真が大きな声を出した。サンシアはその言葉に涙を流した。
「おい、喧嘩すんなよ‼︎」
奏真が声を出すとカシアが大声を出した。
「奏真‼︎お願い、早く来て‼︎」
奏真は2人のすぐ近くまで行くと目を疑った。サンシアがいたのはいいが髪が重力に逆らっていた。
「さ、サンシア?サンシア…サンシアもめ、メデューサに…?」
「そ、奏真さん…。」
サンシアが泣きながら奏真を呼んだ。
「奏真、来るんじゃなかったわ、サンシアは私を裏切ったみたい。私がメデューサが嫌いなのは誰よりも知っているはずなのに‼︎」
「だから、話をきいてってば‼︎」
「聞いてられないわもう、私は気がたってるわよ‼︎」
2人がまた口論をし出した。
「2人とも落ちつけぇぇ‼︎」
奏真が建物中に響く大声を出した。2人はばっと奏真を見た。
「カシア、俺はこの状況が読めねぇ、サンシアの話をまず聞くのが始めだろう。深呼吸しろ、落ち着け!」
「はぁ…。落ち着いたわ。私は黙ってるから2人で話して。」
カシアが腕を組んで鋭い目つきでそばにあった椅子に座った。
「よし、で、サンシア、お前はなんでメデューサに?」
「そ、奏真さぁぁぁん‼︎‼︎」
サンシアが泣きながら奏真に飛びついた。奏真は石にされるのではないかと少しビクビクしていた。
「お、お父さんが…。お父さんが…。」
「お父さん?ゴーメルさんか、ゴーメルさんがどうした。」
「私はお父さんに騙されてたんです。お父さんはメデューサの特別大佐だったんです。THで研究しながらメデューサの特別大佐もこなしていたんです。私は人間をメデューサに変える薬の研究の実験台にされたんです。下であったネルも実験台にされて…。」
「ゴーメルさんはお前らを騙してたってことか…?ゆるさねぇ。」
「私は絶対、絶対2人を石にしたりしません。安心してください。」
「そうか、まぁ、おまえになら石にされてもいいや。なんかおまえは安心できる。」
「あ、ありがとう…。」
「みんなにはメデューサってこと内緒にしような。おまえは俺と一緒にTHに戻ろう。」
「で、でも、こんな髪じゃ‼︎」
「髪お団子にくくって帽子被ったら大丈夫だろ。」
「でも…。」
「まぁ、物は試しだ。とりあえず人間狩りのメデューサが戻ってくる前にここを出なきゃダメだろ。おまえはなんでここにいた?」
「留守番役…。」
「ちゃんと守るとか、おまえ馬鹿だな。」
「だ、だって、どうせTHに戻っても捕まっちゃうし…。」
「それもそうか、じゃあ、行くぞ。俺が一緒だから安心しろ。」
奏真とサンシアはTHに戻ることを決めた。カシアは今にも体から火が出そうな怖い顔でじっと2人を見て自分の手を強く握りしめていた。
「すまんカシア、大人しくしといてくれてありがとう。」
「サンシアがTHに戻ると私は不愉快で仕方がないんだけれど。」
カシアが口を開いた。
「おい、妹だぞ?なんでそんなことを言うんだ。」
「あなたがサンシアの肩を持つならそれでいいわ。でもあなたは、私のこと何も知らないじゃない‼︎私がどれだけメデューサを嫌いかも、知らないでしょ‼︎」
カシアが立ち上がり後ろの窓をグーパンチで叩いた。窓にはヒビが入った。
「おぉ、こえぇ。じゃあ、教えてくれよ。お前らのこと。知らなくて当たり前だろ⁈まだ会ってそんなに立ってないし‼︎」
「あなた何様のつもり⁈異世界から来たとかわけのわからないこというしあなたの能力は氷だって言うし‼︎変に私たちに馴れ馴れしいし、もう意味がわからないわ‼︎」
「なんでそんなことで怒るんだよ‼︎落ち着けよ‼︎」
「あなただって大きな声出してるじゃない‼︎」
「わかった、俺も落ち着く。お前も落ち着けよ。」
奏真が大きく深呼吸をした、その時だった。
「奏真、伏せて‼︎」
カシアが今までにない大きな声を上げた。奏真はばっと床に伏せた。すると、カシアの後ろの窓ガラスが弾け飛んだ。
「は、なに⁈」
奏真は何が何だかわからなかった。
「お姉ちゃん‼︎‼︎」
サンシアが喉が潰れそうな声で叫び走り出した。奏真がサンシアが走っていった方をみるとカシアが倒れていた。サンシアはカシアを抱き抱えた。銃で打たれたのだ。
「どっからだ⁈」
奏真が後ろをみると目を丸めた。数十体のメデューサがいたのだった。一体が銃を持ってにやけながら立っていた。
「なーんでこんなところに人間がねぇ…。」
メデューサが口を開いた。するとメデューサ軍団の後ろから誰かが歩いてきた。
歩いてきたやつに奏真は目を疑った。
「ご、ゴーメル…っ‼︎」
「お父さん‼︎」
「姉貴が撃たれてサンシアも可哀想に。」
ゴーメルがそう言った。
「奏真さん、逃げましょう。」
サンシアが奏真の服の袖をつかみ呟いた。
「戦ってみないと。」
奏真が言ったがサンシアは止めた。奏真はカシアを抱き、サンシアの手を引き、割れた窓から飛び降りた。
「きゃーっ‼︎‼︎」
サンシアがスカートの裾を抑えながら叫び声をあげた。そして地面に3人はどてっと落ちた。
「大丈夫か、サンシア、カシア、少し走るぞ、来い‼︎」
「私はここに置いていって…。」
カシアが小さな声でそう言った。銃で撃たれたためもう意識が朦朧としているのだった。
「奏真さん、絶対お姉ちゃんは置いていけません。とりあえずここは離れましょう。」
そういいサンシアが走り出した。奏真はカシアを抱いたままサンシアの後をついて行った。少し走ると山の道があった。
「とりあえずここに…。」
サンシアが呟いた。奏真はカシアを下ろした。
「おい、カシア‼︎カシア‼︎」
「お姉ちゃん…‼︎」
カシアはうっすらと目を開けた。
「サンシア…。私奏真と大事な話があるから…。先に山をあがって…。」
カシアがゆっくりと喋った。
「で、でもっ…‼︎」
サンシアは泣きそうになりながら呟いた。
「行って…。」
カシアがもう一度声を出した。サンシアは涙目になりながら走り出した。なにも言わず、一度も振り返らず。
「サンシアを先に行かせてまでの大事な話って?」
「奏真…。ごめんいろいろ嘘ついてた…。」
「ん?俺はとりあえずいち早くお前を連れて帰りたいんだが…。」
「聞いといて…。私がサンシアと喧嘩したのは演技よ…。メデューサが来てること私わかってた…。喧嘩したらサンシアは逃げ出してくれるかなって思って…。まぁ結局熱く話してしまったけど…。そして…。あなたが異世界に来たのは…。私のせいかもしれない…。サンシアは…。この前あなたと初めて会った日、あの日…、死のうとしていたの…。死ぬ前にほんとのお母さんとお父さんが予知していた…の…。2人の占いは…絶対に外れない…。それで…。サンシアが死のうとしてるから…。守ってやってって…言われたの…。でも討伐隊の幹部になってしまって…。あぶないところへ送り込まれることが増えてね…。守ってる暇はなくなって…。忙しくなったし…。だから、毎日祈ってたの。妹を守ってくれる誰か優しい人が現れて欲しいって。守ってくれたらいい。それ以上の欲はなにもないからってね…。あなたと初めて会ったあの日は…。お父さんとお母さんのお墓参りの帰りだった…。お墓で祈ったから祈りが届いたのかな…、なんて思ってた…。」
「お前が俺を呼んだのか。確かに火事にあったあの日は、妹の買い物について行ってた。」
「そう…。やっぱり、私が呼んだのかな…。たぶんあなたは元の世界で死んだんだと…思う。だから生まれ変わったんだと思うわ…。私があまり欲を言わなかったから…。あなたは私の願いを聞いてくれる神様の分身となってこの世界に来たと思う…。だから氷魔法も使える…。私はそう思うわ。へ、変な話してごめんね…。」
「俺はサンシアを守るための神の分身みたいなものってことか。へぇ、面白い。俺が異世界へ来た意味はこんな意味なのか。」
「あくまで…推測よ…。身内事に巻き込んで…。申し訳ないわ…。あなたが…。あなたがよかったらでいいけど…。妹を…守って欲しい…。」
カシアが目に涙を浮かべながら言った。
「おい、まて、死ぬ気でいんのか。連れて帰るから死ぬな。」
「だめよ…。帰れない…。私はここで…お父さんを止めて…殺さないと…。サンシアが帰ってから…困るから…。」
「俺があいつは殺る。お前はサンシアと帰れ。」
「わがままいってごめん…。私に殺らせて…。」
れ。」
「でもっ…。」
奏真はその先を言えなかった。最後の気力を使い、血を流しながらカシアは立ち上がった。
「じきに…お父さんたちはくる…。早く…言って…。妹のこと…。守って…。」
カシアは泣きながら奏真をみた。奏真も思わず涙を流してしまった。
「おれ、あってまだそんなに経ってないお前の死が悲しい…っ‼︎」
奏真は手で目を抑えながら歯を食いしばりながら声を上げた。
「わたしもよ…。奏真…。サンシアに…よろしく言っといて…。ほら…。奏真…。早く行って…。」
カシアは震えた手で奏真の背中を押した。奏真は走り出してしまった。サンシアのいる山の上へと走り出してしまった。
「くそっ、くそっ‼︎」
奏真は涙を静かに流しながら後ろはみず、ずっと走った。山を登るとまた奏真は目を見開いた。今度はサンシアが血を流していた。
「さ、サンシア⁈」
「そ、奏真さん…っ‼︎す、少し力貸してください…っ‼︎」
メデューサが数体いて、サンシアを攻撃していた。奏真はとりあえずサンシアを後ろに下がらせた。そして、力を使った。
「みんな、凍れぇっ‼︎」
奏真は山のそこら辺中を凍らせた。息が切れて苦しい。メデューサは皆凍った。メデューサが凍るとサンシアは奏真を睨みつけた。
「お姉ちゃんは?!」
「お前の…父さんを…殺るらしい…。」
「はっ…‼︎お姉ちゃんのところへ行かなきゃ‼︎」
奏真の言葉にサンシアは動き出そうとした。奏真はサンシアの手を掴み止めた。
「離してっ‼︎」
サンシアは奏真の手をパシッとはらった。
「お前の姉がお前を守るためにゴーメルを殺るんだぞ。行ったらだめだ。他の手下もいる。お前が死んだら元も子もない。」
「なら、あなたが行って‼︎」
「カシアに言われた。俺はお前を守るために異世界にきた。お前が死のうとしてるからカシアは心配していたんだ。だから、願ってたんだ。お前は姉貴の願いをちゃんと叶えてやれ。お前に生きてもらうことがあいつの目的だ。」
「なんで死のうとしていたことを知っているの‼︎あなたが来た日、私は死のうとしていた。なのにあなたが現れて予定が狂ったわ。私は罪悪感に包まれている。本当のお母さんとお父さんが死んだのは私のせいだから。」
「カシアは死のうとしていたことを知っていた。それで俺が来たんだ。頼む、俺と来い。」
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