俺が出会ったメデューサはなんか他の奴とは違うようです

朝霧 えてる

第4話 〜メデューサの基地〜

「…。ここの山を越えたところがメデューサの基地だと言われているけど…。」

「よし、行くか。何時間かかるのやら。」

「今日はやめときましょ。もう夜。明日山を越えればいいわ。」

「ここで寝るのか?」

「いいえ、一度戻るわ。」

「てかそういえば、瞬間移動ができるなら山もサッと越えればいいんじゃねぇの。」

「メデューサの基地は整備がされていて、カプセル侵入がきついの。」

「よくわからんがなんとなくわかった。なら帰るぞ。」

そういい2人は山を後にした。カシアは元気を出そうとしていたが元気がなかった。そしてTHの宿舎で2人は寝た。奏真は修行

ーーそして次の日。

「奏真、奏真、早く、起きて。」

カシアの綺麗な声で奏真は素敵な朝を迎え…。迎えだと思ったが全然素敵な朝ではなかった。カシアの顔色がとても悪かった。サンシアが心配であまり寝れなかったのだろう。

「ん、ごめん、行くか。」

奏真は目をこすりながら起き上がった。

「じゃあ捕まって、早く行きたいわ。」

カシアがちゃっちゃと準備をし、カプセルを握りしめていた。潰す準備万端だった。

「おうけい、行くか。」

奏真はカシアの腕をつかんだ。そしてカシアがワープカプセルを握りつぶした。あっという間に昨日の山の前に着いた。だが、昨日とは景色が違った。木々が折れており葉が散乱していた。

「昨日と同じところにワープしてないのか?」

奏真が昨日と景色が違いすぎカシアに聞いた。

「いいえ、昨日と全く同じ場所のはず。でも一晩でどうしてこんなに……。」

「……。なんかメデューサの基地であったかもしれんな。とりあえず山を越えるぞ。」

かろうじて通れる道が残っており奏真は歩き出した。歩きにくくなかなか早く歩けない。ゆっくり奏真の後をついていくカシア。そして数分歩いているうちに、道という道がなくなった。

「こっからはまじあぶねぇな。カシアも気をつけろよ。」

「えぇ。甘く見ないでちょうだい。」

カシアがほっぺを膨らませずんずんと歩き出した。

「あ、ちょ、」

奏真が止めようとした時にはもう遅かった。

「きゃっ‼︎」

カシアが足を滑らせた。だいぶ山を登ってきたため落ちると死ぬようなところだった。

「お、おい‼︎」

奏真が慌てて手を伸ばした。カシアも奏真の手をつかんだ。そしてカシアを引き上げた。

「ご、ごめん。」

「いや、大丈夫か?」

「え、えぇ。っつ…。ごめん奏真、どうしたらいいかしら、足を挫いたわ。」

「…は…。ここで挫いたのか。いっかいTHに戻るか?」

「うぅ…。わがまま言って申し訳ないけど、早く行きたいわ…。」

カシアが目をそらして呟いた。よほどサンシアの事が気になるのだろう。

「しゃーねぇ。おぶってやるよ。」

奏真がカシアの前でかがんだ。

「え、えぇっ‼︎」

「早く乗れ。行くんだろ。」

「本当にいいの?」

「体力には自信ある。」

「じゃ、じゃぁ…。へ、変なこと考えたら許さない‼︎」

「体重重いとか?」

「う、うるさい‼︎THでは筋力トレーニングとかあるから体重増えちゃうのよ‼︎筋肉の分…。」

「冗談だって…ふはっ。まぁ俺の背中で暴れんな。暴れると2人とも落ちて死ぬぞ。」

「なっ…‼︎サンシアに会う前に死んじゃ困る‼︎大人しくしてるからお願い…。」

「おう。」

そうして2人はゆっくりと進みだした。しばらく進むと頂上まで着いたようで下り道に変わった。

「あ、カシア、頂上まで着いたぞ。あと半分くらいだ。」

カシアの返事がなかった。

「ん?カシア?」

もう1度呼んだが返事がない。ちらっと背中を見てみるとカシアが寝ていた。

「昨日ねれなかったから眠かったのかな。」

奏真は疲れながらもゆっくりゆっくりと山を下った。下りのほうが危なく時間がかかり結局山を越えるのに3時間かかってしまった。

「やっと…。山を越えた…。はぁ…はぁ…。この山を出たらもう、メデューサの基地か…。カシア、カシア、おきてくれ、着いたぞ。」

「…ん…。」

「起こして悪いな。山を下ったんだ。ここからどうすりゃいい。」

「あれ…。はっ‼︎寝てたわごめん。えっと…早かったのね。下るの…。」

「お前が寝てただけだ。山を越えるのに3、4時間はかかったとおもうぞ。」

「ええっ‼︎恥ずかしい‼︎恥ずかしい‼︎ん、もう足の調子いいから降りるわ‼︎」

カシアが顔を赤くして降りた。

「こ、こっちに行くわよ、サンシアの感じがする。」

「姉妹の勘ってか。」

「ええ、そうよ。あ、まって。」

木の陰に隠れカシアがじぃっと一点を見つめていた。

「あのメデューサ、なんかおかしくないかしら。」

カシアが見る方を奏真もじっと見てみた。遠くからでもよく見える傷だらけでよろめきながら歩くメデューサがいた。

「THと戦ったんだろ。」

「THがあそこまで一体をボロボロにしておいて殺したりTHに連れて行かないわけがないわ。ここ最近THの人間が殺された形跡もないし。」

「じゃあなんであんなボロボロになってる。」

「だからおかしいんじゃない?って言ってるの。着いて行くわよ。」

鋭い目つきでじぃっと見つめ、ゆっくりと進みだした。

「近くにメデューサが全然いねぇな。」

「基地の人間はみんな人間狩りに出てるんだと思うわ。この先にはメデューサの街がある。あのメデューサもそっちに向かうのかしら。」

「いや、違うようだぞ、曲がった。追いかけるか?」

「ここで待ってて!」

そういいカシアは走り出した。だが、すぐにストップした。

「足まだ痛いわ…。」

「おい、一緒にゆっくり行くぞ。また足痛めたら困るしな。」

「ごめんって…。行くわよ。」

そういい2人はメデューサが曲がったところの角まで行った。そして数秒呼吸を整えた。

「じゃあ、行くか?」

「はぁ…。」

カシアが大きく深呼吸をした。そしてカシアが動き出した。

「止まりなさい、メデューサ、THよ。」

カシアが声を上げた。するとメデューサがゆっくりと振り向いた。メデューサはどうやら森に入ろうとしていたようだ。カシアは戦いの構えをした。

「ま、まって…。お、お願い…します…。殺さ…、ないで…。」

かすかに聞こえる声でメデューサが呟いた。メデューサが振り向くとカシアは目を丸め口がふさがらなくなった。

「な、なんで…。」

カシアが聞こえるか聞こえないかくらいの声でつぶやいた。

「か、カシア…ちゃん…?」

メデューサが目を見開いた。

「なんで、ネルが…?」

カシアがまた呟いた。

「はなし…を…きいてほしい…。」

「…。」

メデューサとカシアは知り合いなようだった。

「サンシアちゃんは…基地の中にいる…。昨日サンシアちゃんがきて…大暴れして、メデューサのゴルゴン三姉妹とやり合いそうになったから…。私が止めたらこうなった…。」

「サンシアを探してくるからここで2人で話してて!」

そういいカシアは基地の真ん中にある大きな建物の中に入っていった。足の痛みも忘れて。

「えっと…。」

残された奏真とネルは気まずそうにしていた。

「私のこと殺さないんですか…?」

ネルが恐る恐る聞いた。

「殺されたいの?」

「殺されたくないです…。でも、いまは私と話している場合じゃないと思います。サンシアちゃんがカシアちゃんと一戦やるかと…。」

「ははっ、冗談じゃねぇ、サンシアとカシアは仲良しで2人セットなくらいたぞ?んなわけあるかよ…。で、ネルはあの2人とはどういう関係?」

「い、いきなり呼び捨て…。あ、えっと、あの2人と私はTHジュニアで共に学んだ仲です…。」

「ごめん、なんて呼んだらいいかわかんねぇし…。THジュニアって能力を開花させる学校みたいな?」

「いえ、急に呼ばれてびっくりし…だけなので…。そうです。能力の勉強学校です。そこでとても仲良くしてました…。」

「ふーむ、って、傷だらけなのに話させて悪い。」

「いえ、お気になさらず…。」

その時だった。

「ガシャーン‼︎‼︎」

カシアとサンシアがいる建物の窓ガラスが割れた。

「はっ?」

奏真が建物の方を見ると窓ガラスの破片が奏真とネルに飛んできていた。

「あ、あぶねぇ‼︎」

「きゃっ…。」

奏真がネルを抱えて伏せた。あまり遠くには逃げれず奏真には破片がかすった。

「は、破片が‼︎」

「イッテェ…。なんで基地から破片が…。」

奏真が破片がかすった腕を抑えながら建物の方を見た。

「あ、ごめん、ネルに怪我は?」

「私にはないです‼︎すいません守っていただいて…。」

「気にすんな。俺は男だからな。」

そういって奏真はにぃっと笑った。その時だった。

「なんでサンシアまで、サンシアまで‼︎許せない‼︎」

「待ってって、話をきいて‼︎」

「意味がわからない‼︎どうして‼︎」

カシアとサンシアの声が聞こえた。なんの話かよくわからなかったが2人が大喧嘩をしていることはわかった。

「なんであの2人が喧嘩してんの…。」

「言ったとおりでしょう、一戦あるって。」

「喧嘩のわけは分かるのか?」

「はい、行けばすぐわかりますが…いまは行きにくいですね…。」

「いや、俺は行く。ネルはそんな大怪我だからここで待っててくれ。」

「えっ…、あ、はい、ありがとうございます。」

そういいネルは深いお辞儀をした。奏真は建物の中へと走り出した。

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