変人だらけの病気持ち主人公

0721

エルサレド

今、隣ではティナさんが鼻歌を歌っていた。

とても楽しそうな歌で、ティナさんも笑顔だった。

「そういえばレンさん、条件の二つ目って何ですか?別の日じゃなく今言えることですか?」

言えるていえば言えるがそんな期待することじゃないような…

「そんな大事な事ではないのです。
まだ知り合って30分ぐらいなんですが、それで敬語無しでティナと呼んでもいいですか?」

少しの間を置き、
彼女は少しため息をついたが、それは、どこか嬉しそうなため息だった。

「はぁ、もう仕方ないですね!私はレンって呼びますね!」


なぜか、とろけた顔をしていたが、見なかった事にしよう。

それにしても

「俺たち、恋人みたいですね」

自分のミスで警戒度を最低まで下げていた。

(…あ、これはダメなパターンだ。俺は何回失敗すればいいんだ。)

俺は、思い出す。中二の時、ラ●ンでつい、この発言をしてしまい、次の日から目も合わせてくれなかった。

こんな事言ってもゴミを見るかのような目をされるだけなのに…

俺は、目を細め、ティナとは、逆の方向を、遠くを見るようにする。


あんまり聞きたくないので耳を一応塞いどく。

「ば、ばかじゃないの?!
そ、そんな事あ、あるわけないでしょ!」

あぁ、覚悟はしていたが、ここまでの威力があるとは…耳の隙間からうっすら聞こえてきた回答にやっぱりという反応しか出てこなかった。

「ごめん。変な事言っちゃって。そうだよな…俺らまだ出会ってちょっとだもんな。聞かなかった事にしてくれ。」

本当は、離れた方がいいんだろうけど、そうするともう会えない気がして言えなかった。

「そ、そうじゃなくてね。…  まぁいいや。」

なんて言いたかったんだ?

あぁ、耳塞いでるからか?

聞こえないとでも思ったのか?

「ティナ、今なんて言ったの?耳塞いでいたから聞こえなかった。もう一回言ってくれない?」
俺は、頼んでみる。が、

「もう言わない!」
ティナはそっぽを向いてしまった。
あの時と同じ反応だ。心が折れる。

「【勘違いを恐れる者】」

【勘違いを恐れる者】
自分の勘違いを恥として経験が多いあまり、女の子が好意を寄せてよってきても心を開かない難攻不落の者である。

何だこれ!?バカにすんなよ!てか、好意寄せてきてるって…あぁ、能力にも騙されるのか?結局勘違いしたら元も子もない。


しばらくの無言の空間が続く。

こういう時はとても緊張する。まるで、教室でイタズラがバレて、みんなが無言になってしまうあの空間だ。仕方ない、俺が喋らないとな

「「あの」」

あぁぁっぁ!!被った…ダメだろここで…俺の心はズタボロだよ。

「レンが先でいいよ。」

言いたくないが俺が話を変えるためにも!

「君と話して楽しかった。よかったら、王国に行ってもそばで話せるか?さっきは変な事言った後だと説得力ないけど。」

返答次第では彼女を除いて早急に勇者全員殺すか…そして自分も死のう。

「わ、私で良ければいつでも話相手になってあげるわ!」

予定変更勇者を殺すのはゆっくりでいいや。いつか真実も話さないといけないしな

それにとても心地よい気持ちだな。
いつもこう言われたかったんだな。自分を認めてくれる人を

俺は、涙を出すのをこらえ

「ありがとう」

すると彼女は、目を回しながら、

「あぅ…」頭から湯気が爆発していた。

(かわいいな。)

彼女と会話を弾ませていると、平野にでたかと思たすぐにでっかい壁がそびえ立っていた。

看板には『聖地エルサレドへようこそ』と書いている。

「でかいな。ここでいいの?」

ティナはこれが普通だというように無感動のまま

「はい、ここで合っているわ。」

「あ!もしかしてきた事ないの?村から出た事ないからね。ここは聖地エルサレムと言って三大都市の一つで、ここは産業と宗教が有名よ。」

「説明ご丁寧にありがとう。」

俺らは中に入って行った。

眼前には上に上がっていく道と店がずらりと並んでいた。それに活気がいい。客を呼び寄せようとみんなが声を張っていた。

それにみんな姿が違かった。


想像以上だ。

エルフ耳が長く平均が180歳だと聞く。

ドワーフ 鍛冶などが得意そうで、身長が低いのが特徴である。

獣人 獣耳と尻尾が生えていて、すごくモフモフしたかった。

最高だ。桃源郷はここだったのか。

だが、案外店の方もしっかりしている。

途中にお店や鍛冶屋などいろいろなお店があった。

(絶対に行こう。)

他にもここ、エルサレドは教会というものがあったり、聖地と言われる所以が光のドラゴンの最後がここだったからという伝説があるらしい。だが、本当に死んだか不明らしい。

特に気になったのが、ダンジョンがあるらしい。それに伴って冒険者という職業ができたと

ラノベの展開と全く一緒である。やっぱり、筋肉モリモリのおっさんにちょっかいかけられるのか?

そこで、おっさんを払いのける…

楽しみだな。

ティナは、帰れるのが嬉しいのか鼻歌を歌っている。

(さっきからこの歌歌っているな。あとで聞こうかな。)

すると

どこかのお屋敷の門で馬車が止まる。

見た所洋風だからこの世界の技術は進んでいるのか?

それでも、中世より先の革命の時ぐらいか。前世の記憶だと


目的地に着いたらしい。「それじゃぁ、後ろの二人を出しますね。」

さっきの二人が出てくる。


「君達、随分と楽しそうに話していたね?何だったかな、えーと
「レン・カスミと申し上げます。」
そう!レン!楽しかったか?」

「はい。そう言えば聞き忘れました。
あなた方二人のなまえは?」

「すまない申し遅れた。私の名前は、マモル・タナカだ。」
「私は、キョウコ・サヤです。」

…こいつら日本人か?…多分、勇者として呼ばれたのだろう。

純度の高い勇者はティナで、他は勇者と言う名の日本人だろう。

するとティナが、
「それでは案内します。着いてきてください。」

目の前にはよく、アニメで見る白いお城がある。勇者だから待遇されているのだろう。

「こちらがレンさんの部屋です。」

部屋の扉が開く。

こざっぱりしていて自分好みの部屋である。改造もできるしね。

そういえば、こいつらいる前だと敬語なんだな。

はぁ…今日はさすがに疲れた。寝よう。

俺は、ベットの上に乗っかりそのまま寝てしまった。








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