変人だらけの病気持ち主人公

0721

日常編2

「あ、ぁあ…うっ」

僕は、腹のそこから酸が込み上げてきて、その場で吐いてしまった。

(一体誰がこんなことを…まさか)


コツッコツッと足音が暗闇に響く。

(嘘だろ…まだ、これ続きかよ)

思い出してしまった。これは夢の続きだと…僕はどこから来るかも分からずに走り出そうとした。

(いやだ。いやだ。考えろ!…夢の続きなら死なないはず!なら姿だけでも!)

《死にたくない。死にたくない》

思ってる事と行動が重ならなかった。

そう、体は逃げようとするのだ。

(だ、ダメだこのままじゃまた…)

だが、腰が抜けて立ち上がる事ができなかった。

「来るな!来るな!」

暗いからなのかすぐ近くにいるはずなのに見えない。

僕は、懐中電灯をやたらめったら振り回すが

僕はまた、捕まった。そう、理解すると視界が反転した。

最後に見たのは、首だけの自分らしきものと、それを髪の毛の部分だけ持ち上げる『何か』だった。

********************************************

「うぅぅ…うん?」

気がつくと教室にいた。

(そうか夢か。そういえば僕、教室に来て寝たんだっけ…)

寝ぼけているようで目の焦点が合わない。

(誰も見てないよね?)

目を擦り目カスを取る。

僕は辺りを見渡す。

運がいいことに誰もいないy「大丈夫?うなされていたけど?」横から女の子の顔が覗いてきた。

「うわぁぁ!」俺は勢いよく立ちあがると、勢い余って机ごと前に倒してしまった。

「あぁ〜やっちゃったよ…」

僕はちょっと落ち込むようにため息をつく、彼女は僕の何かがおかしかったのかクスッと笑う。

彼女をよく見ると黒に赤が混じった髪型。赤目で可愛いというより綺麗だった。

(綺麗だな。)

「ため息ついたら、幸せ逃げちゃう
よ。」

彼女は説教をするように腕を腰にあてて可愛く言う。

(くっ!この威力…だが、目をそらしたら恥ずかしかったことになってしまう!それだけは!)

普通の男だったら今ので一発K.O.だっただろう。

(普通の男の子だったらの話だがなぁ!)

(いつも勘違いしてしてる僕だからわかるぞ)

(これは罠だ!馬鹿なこと考えてる隙を狙って襲って来る(言葉責め)奴らの特徴だ!)

蓮は、これまでの苦痛を走馬灯のように思い出す。

(僕でなかったら落ちていたね。)

内心ドヤ顔を決めていた。


しかし、油断は死を意味することを知っている蓮は、警戒心を高めた。

「どうしたの?そんなにまじまじと見てきて?恥ずかしいのだけれども」少し笑いながら言われた。

(おっと、これは失礼)

瞬きすると同時に少し下を見る。

「ごめん、ちょっと気になったから、そんなことより、君の名前は?」俺は話をすぐに切り上げて逃げれるような体制にした。

右足だけ横に向けとくのだ。

「私の名前は杏(いずな) 赤城 杏っていうの、気安く杏って言ってね君の名前は?」

彼女、杏さんは、少し恥ずかそうに言うと嬉しそうにした。

(無理に決まってんだろ!出会って数分なのに!  コミュ症とバレないためにも…仕方ない)

「よろしくね杏さん」

一応、目は左下を見ていた。

(名前言うだけなのに恥ずかしいのか?自分が怖いな)

一応、名前だけなら大丈夫だろう。

「霞 蓮です。」

(案外、恥ずかしく、うわずった声となる。これは恥ずかしくなるのも仕方ないことかもしれないな)

「なんでうなされてたの?」
(唐突だなぁ)

(それが、気になって話しかけて来たんだろうけど)

(案外親切な人ってだけなのかもな)

顔を緩めるもすぐに戻す。

(だが、隙を見せないからこそ怖いのである。)

「ちょっと嫌な夢見ちゃったからです。」

(思い出しただけでも背筋が冷える。)

少し震える動作をしてしまう。


「そっか。嫌な事聞いてごめんね」
彼女は申し訳無さそうに目をそらしている。

(杏さんに心配させるのも悪いし)

「いえ、大丈夫ですよ。」

(大丈夫じゃないが、あんまり心配させるのはダメだしな。)

一応、出会ってちょっとだし

「あの…頼みごとがあるんだけどいいかな?」

(急展開だな
それも寝ていた僕に。まぁ、一つぐらいだったらいいかな?)

そんな軽い気持ちで話を聞くことにした。

無理だったら話を切り上げるつもりなのだろう。

「蓮くん…一緒に帰らない?」

(美女からのお願いを断るはずないだろ!だが、少し臭うな)

(…罠なのか?なんで上目遣いで目潤ませてこっちを見てくるのだ)

(だが、焦ってしまって様子見をしなかった。杏さんは、ミスを犯した。「すいません、出来ません」この一言で全てが決まる)

ニヤつく内心を

顔には出さないようにと
「ざんn「やっぱりダメだよね…ごめんね変こといって、気になるって言われちゃったから…ごめん、早とちりしちゃたみたい。」

(はぁ、仕方ないな〜)

断る理由など元からないのである。

「まぁ、一緒に帰るぐらいだったら…」


(あぁ…ダメだな僕。やっぱり女の子に弱いなぁ。)

男女平等主義ははかなく散っていた。

「ホント!?ありがとう」

完璧なまでの綺麗な笑顔だ。

夕日も彼女に惚れ込むように照らし、彼女の魅力を引き立てる。

(守りたい。この笑顔。)

こんな
cmあったな。

荷物をまとめ教室を出て行く。

彼女は、一冊の手帳を落とす。

(なんだこれ?)

ノートには、

『過去へのタイムスリップ』

(オカルトが好きなのか?)

1ページ目を開こうとするが、

「蓮さん?どうしたんですか?急ぎましょ」

「そうですね」

後ろポケットに仕舞っておく。

(良心がいたむが、これは返すまえに読んでおこう)

急いで教室を出る。


僕たちは、駅前まで移動をしていた。


(疲れた。家に行くルートと一緒で全く良かった。真逆だろうが、拒否権はないのだろうけど)

「そういえば、どうして一緒に帰ろうとしたのですか?」

(それだけが気掛かりだった。)

知り合いとか恋人、男友達なんてたくさんいただろうに


「その…あのね」

彼女は、キョロキョロと辺りを見渡す。

僕も杏さんに釣られて辺りを見回す。

近くに駅があり、周りはおっさんがたくさん見かけられる。

(あぁ、なるほど。)

口を開け顔を上げる。

どうやら、


「ボディーガードですか?」

(男友達がいないのだろうと言うことが確定したみたいなもんだろ)

「そう!よ、よく分かったね?」

杏さんは、驚くように、目を見開いた。

(誰でも気づくだろ)

(蓮さんはとても勘がいいのだ)

「当たり前だよな杏さんって、スタイルいいし、美人だから狙おうとする人もいそうだし、最悪、ファンクラブとか出来そうだ。」

(はぁ、おっさんどもは欲求不満なのか)

変な考えになってしまった。

(ん?杏さんがなぜか耳まで赤くしている何故だ?)

「まだ、私達そこまで相手を知ってないしダメだよ!」

「何言ってるんだこの人は!?」

近くにあったベンチに座らせ、彼女を落ち着かせることにする話を聞くと単純なことだった。とても


「ごめん、ちょっと焦っていた。」

まぁ、心の声と言いたい事を逆にしていた俺が悪かったのだろう。

(それにしても、なんで間違えたんだ?)

「いいよ。それぐらいそれに…懐かしかった。」

(杏さん、声小さいですよ。てか、『懐かしい』?前に男がいて、同じ事言ったのか?なんという奇跡!)

あぁ、これはあいつらにも自慢できる。

(だが俺でなかったら上手く聞き取れない。いや主人公鈍感系とかの問題じゃないと断言だけはしておこう。)

「それで、電車の中の用心棒お願いします。」彼女は先ほどのことがなかったようにキリッとしていた。

どこかで見たことがあり、そんな顔を誰かにされた覚えがある。

だが、顔は思い出せない。

「いいですよ。しかし、杏さんが襲われそうになっていたら、倒した方がいいんですよね?」

(だから、呼んだんだろけど。)


「はい!おねがします!あと杏さんはやめて下さい。あくまで、私のその〜か、彼氏役としてなりきって下さい。」

(彼氏役か…彼氏になりたいぜ…は!
あんまり考えるな)

蓮は、もしも頭の中を読まれたらと人を極端に怖がっている。

《作者もそうだからだ!》

「いい案ですね。杏さn…杏」

(馴れないとここまで難しいのか。)

(慣れよう)

僕らは駅に向かう……彼女は、さっきから嬉しそうに鼻歌を歌っていた。

(楽しそうだなぁ。)

ぷしゅぅぅーーー

電車に入ると本当におっさんの匂いが充満していた。

おっさんもたくさんいる。

「大丈夫か?杏」

彼女は、ドア側で俺が壁ドンの要領で支えている。

指先に集中しろ。全神経そこに!全てを!
「大丈夫です。」


(全然大丈夫じゃなさそうだ。俺が支えないとな)


電車が大きく揺れる。!!…杏さんの大きなものが、当たっている。意識するな僕。

(杏さんって案外でかいんだね。いや、見た目どおりでかいんだな)

彼女も意識しているようで、電車の俯いたまま顔を合わせない。

「覚えて無いんですね?…」

(ん?)

「なんのことですか?」

「い、いえ!なんでも無いです。」
彼女は、手をぶんぶんと振る。

否定してるらしい

それでも、胸が離れない。

(自分も焦ってはいけないんだ)

僕は目を合わせないように前を向く。

数十分後にやっと人混みを抜けれた。

「いや〜きつかったですね。電車」

「そ、そうですね!」
顔を赤らめながらモジモジしていた。

彼女も自覚してたらしい。

(杏さんには悪い事をしちゃったな)

(これなら帰っちゃてもいいか?)

「それじゃ、僕は帰るね」

「うん、ありがとね」

彼女は、寂しそうな顔をするが、顔を俯きすぐさま笑顔になる。

後ろから殺気を感じる。夢と一緒だ!

次の瞬間、顔色を青く染めてた杏さんが「蓮さん危ない!!」

後ろから声が聞こえてくる。多分、僕を襲おうとして来る奴がいるんだな。

相手は、刃物を持っている

(杏さんは、刺されるかもしれないから叫んだのかもな)

(……そんなに鈍くないよ。)

(自分でもおかしいかなと思うくらい空間把握能力が高い。)

(それに、少し護身術の方に興味をもったことがあって自分の身ぐらいは守れる。)

僕は、横に避け、足をかけた。

「グエッ」

僕は、倒れそうになってるとこを横から地面に投げ飛ばした。

(誰だよ。全く。学校で人に刃物を向けちゃ行けないって習わなかったのか?)

僕は、確認するように襲おうとしてきた奴をひっくり返す。

それはよくアニメとかで見るアニオタのような姿をしていた。

(ファンクラブまじで出来ていたのかよ…)

俺は杏さんを見て。

「知っている方ですか?そうであったらすいません。」(まぁ、包丁持ってる時点で殺そうとしていたことはバレバレだが)

「い、いえ知らない人です。」
大きく口を開けて、閉じれないでいた。

アニオタは気がついたようでこちらを凝視する

「大丈夫ですか?」

満面の笑みで言ってやった。

「ひぃぃぃ!!」

そう言いながらアニオタは逃げて行った。

(逃げても見ていた人が多いから意味がないのに…)

「蓮くんって強いんだね。」

意外っていう目で僕を見てくる。

(見た目がダメなのかもな)

(目を輝かせているがそんなにすごくないことなのに)

誰でも出来るらしい。

「たまたまですよ、たまたま」

「えっ?でも「たまたま、たまたま」…」

強行手段だが仕方ないと割り切る。

(それにしても、あの殺気死んでいてもおかしくなかった。それに夢の中の時と一緒だ。)

(まぁ、いいや)

彼女の手を取り、逃げるようにその場を後にしようとした。

だが、僕は気づかなかった。犯人が一人ではなかったことを。

ドスッ

体が固まる。

(!?!?)

腹がとても熱い

腹を見るとドロッとした何かが腹から溢れていた。
血だと認識する。

瞬間死にそうなほど痛くなってきた。

「っ!?」

「蓮くん!!?」

(考えればすぐに思いつく事だったな。
しょうがない。杏さんだけでも守らないと)

俺は、アドレナリンで痛覚を消して刺してきた奴に思いっきり蹴りを入れる。

蹴ると同じタイミングで心臓にも刺された。

「うぐっ、クソ!!」

(二つ持っていたのか?だが、まだ動ける!この蹴りで気絶させる。)

蹴りは完璧に入った。

(ざまぁ、みろ。喧嘩売る時は、相手を知るんだな)

犯人が倒れると同時に自分も立っていられなくなった。

僕は、立てなくなり、倒れそうになる。

(だが、刺してきたあいつどこかで見たような…)

周りから悲鳴やざわつきが混ざり、騒音となる。

ムカつくけど、写真を取らないで欲しい。

「写真とんないでくれる?」
にっこりと笑って凄んで見た。

(限界も近いのに無駄なことを言う奴だ。自分なのだが)

写真の音は聞こえなくなった。

彼女は僕を支えながら、「大丈夫だよ!救急車呼んだから!だから…生きてよ…」

彼女は泣きながら、僕を揺さぶっていた。

(そんな事されたら死ねないじゃん。最後に一言ぐらいでも)

痛みを誤魔化しながら杏さんの手を握る。吐血しそうになるが、我慢する。

「大丈夫だよ…君はたまたま居合わせただけなんだから…それに少し休ませてくれ気持ち悪いから休みたいんだ…」

彼女は必死に泣きじゃくりながら、

「ダメだよ…私やっとあなたにあえたのに…」

(なんのことだ?)

(多分、どこかであったんだろうけど記憶がない)

(無理だ。そろそろ楽になりたい)

彼女の髪を触る。触りたかったからだ。

「大丈夫…またどこ…で会え…から…その時…おしえ…」

俺は、手から力が抜ける。

最後に見たのは杏さんが泣く姿と

襲ってきた奴が立ち上がりそのまま人混みに消えて言ったのだ。

俺は、意識を切り離した。




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すみませんやっと行きます!!





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