閑話勇者召喚

テツ君は私、眠花を守って死んだ
そのせいで、私は三日間くらい引き篭った
テツ君が死んだ時、私の中にはかなり大きい喪失感があった
もうこれからテツ君と話せない
私を起こしに来てくれない
一緒に歩けない
一緒に遊びに行けない
.........好きだって、伝えることも出来ない

私はテツ君が好きだった
なんだかんだ言っても最後には私の我儘を聞いてくれるやさしさ
二年前、イジメにあっていた私を見捨てず、最後まで戦ってくれた心強さ
そんな所に惹かれた
なのに.........死んでしまった

それがすごく悲しい
テツ君のあとを追って自殺しようと何度も思った
だけど、そんなことしたら、テツ君に守ってもらったこの命を投げ捨てるようなものだ
そんなことはしたくない
だから、私は前へ進む

私が登校するようになってから、クラスメイトの対応は変わった
男子には、よく告白されるようになった
みんなからキモオタ？と呼ばれている人だったり、イケメン？と呼ばれている人だったり、名前もわからず、さらには一度も話したことない人たちから告白された
もちろん、すべて断った
テツ君以外と付き合うなんて、考えられないから

テツ君が死んでから二週間が経過した
いつも通りの授業が終わり、帰りのHRをしていると、何やら不思議な声が聞こえた

「やぁ、僕は神様だよ！」

その声を聞いたクラスメイトや先生は唖然としている
その状況でも気にせず、その声はさらに続けて話した

「実は、ここにいる３３人が勇者として、異世界に召喚されることになったよ！だから、一人一人に特別なスキルをあげるね！ステータスオープンって念じれば、自分のステータスを見ることが出来るよ！」

そんなゲームみたいなこと......と私は思ったが、一応試してみることにした

ステータス、オープン

名前  ネムカ・ミシマ  レベル１
才能  睡眠  世界記憶アカシックレコード
特技  武術
魔法適性  火  水  光
使用可能特技▼
使用可能魔法▼

......まさか本当に出てくるとは
それにこの逆三角形は多分押したら一覧が出てくるやつだよね......押してみよう

名前  ネムカ・ミシマ  レベル１
才能  睡眠  世界記憶アカシックレコード
特技  武術
魔法適性  火  水  光
使用可能特技▲
自己流武術
使用可能魔法▲
ファイアショット
ウォータショット
リトルヒール
アナライズ

あ、出てきた
でも使い方とかわからないし......あ、そうだ世界記憶アカシックレコードを使ってみよう
さっきと同じく、念じてみたらいいのかな？

魔法の使い方を教えて

『解。魔法は、我求むるは火球、ファイアボール。と言うように唱えれば使うことが可能です』

そうなんだ
じゃあ私の使える魔法や特技、才能について、説明して

『解。ステータス画面の左側に表示します。それをお読みになってください』

これのことかな？

睡眠
寝るだけで経験値を得る
効率は悪いが、安全にレベルを上げることが出来る

世界記憶
どんな世界のことでも、一部を除いてすべて調べることが出来る
一部の例として、神様しか知らないことや、地上人が知ってはいけないことなどがある

自己流武術
使用者自身が自分の動きやすいように研鑽された武術
技は、武器を持たない技において無限に作ることが出来る

ファイアショット
小さな火の玉を放つ

ウォータショット
小さな水の玉を放つ

リトルヒール
対象の小さな怪我を治す
重ねがけをすることで効果は上昇する

アナライズ
自分と同じレベルか、それ以下のレベルの対象のステータスを鑑定できる
自分より対象のレベルが高い場合は使用不可

こんなところか......じゃあ最後に一つだけ質問

山神鉄虎は......テツ君は生きていますか

『肯。山神鉄虎は二週間前に死亡した後、マスターねこれから行く異世界に転生しています。なお、異世界では二年ほど時間が経過しています』

っ！？......よかった、生きてたよぉ............
私はその場で泣き出しそうになった
でも、今は我慢だ
行こう、テツ君のいる場所へ......

......そういえば、その異世界は一夫多妻？

『肯。現在、山神鉄虎の婚約者は六名です』

よし、テツ君に会ったらまずは説教しよう