土魔法ってそんなに弱いの?(凍結中)

AdieuJury

入学試験

俺がAランクになってから数日が経過した
ついに入学試験の日だ
受験票とかはデュークが用意してくれた
お礼としてなにかしてやろうと思ったら


「また戦ってくれよ!それがお礼ってことで!」


と言われてしまった
こっちからお礼をすると言った手前断ることも出来ず、俺とデュークの再戦は約束されてしまった
......いつになるかはわからないけどな!

さて、それはさておき


「ここが会場......学園か」


結構でかいもんだなぁ......
元の世界の大学キャンパスみたいだし
受験者は......あっちか


『マスター、そっちじゃないですよ』
(え?)
『入り口から左に行くって書いてあるじゃないですか。なのに何で右に行こうとしてるんですか?』
(い、いやぁ......)
『まぁ、マスターの方向音痴は今に始まったことじゃないですし......ほら、私が案内しますから』
(おう、いつもありがとな)
『と、当然です!私はマスターのスキルなんですから!』


そんなこんなで何とか辿り着けた
時間は......結構ギリギリだったな
あと10分で始まる所だったわ
席は......窓際の一番後ろか
とりあえず座ろう

そして鉄虎が座るとほぼ同時に試験官と思われる先生が入ってきた
男の人だ


「これより、魔導師養成学園『サハロン』への入学試験を開始する!」


お、もう始まるのか
ほんとにギリギリだったなぁ......


「内容は実技のみ行われ、その点数により合否を決める。なお、魔法薬によるドーピング等の不正行為が発覚した場合、その者を失格とし、入学試験の受験資格を剥奪するものとする」


そんなことする奴いるのかなぁ...


「ではこれより、移動を開始する。私についてこい」


言われるがままに俺たち受験者達は先生について行った






ギルドの闘技場のようなところに着いた
多分ここで試験をやるんだろうな
ちょっと遠いところに的もあるし


「今回の試験では、あの的に魔法を当ててもらう。当たらなければ不合格とする。魔法の種類や属性は自由だ。この会場には、結界が張ってあるので、威力は心配しなくていい」


え?
めちゃくちゃ簡単じゃん
これホントに試験?


「では始める、受験番号1番からーーー」


俺何番だっけ?
えーっと......49か
今この場には大体50人前後いるから、まぁ最後の方か


「我求むるは火球、ファイアボール!」


...............バシッ


え?
今の当たった音?


「今のはよかったな。次!」
「我求むるは水弾、ウォーターショット!」


...............バシッ


あ、マジで?
こんなレペル?
待て待て待て
これ本気でやったらダメじゃないか?


「今のもなかなかだな、次!」
「我求むるは風刃、ウィンドカッター!」


...............シュパッ


「なんと!?その年でその切れ味か......今年の受験生は優秀な生徒が多いようだ」


いや、ちょっと切れただけやないかーい
丸い的の端っこにちょっと切り傷付いただけだよ?
やべぇどうしよう
そんなことを考えてると俺の順番が来た
.........よし、決めた


「次!最後だ!」


やっぱ最後だったか
じゃあ派手にやりますかね
あ、一応聞いておこう


「先生」
「なんだ?」
「ホントに全力でやっていいんですよね?」
「今頃そんな心配か?まだ君たちの年齢じゃあここの結界を割るほどの威力は出ないと思うが?」
「念のためです」
「ふん、よほど自信があるみたいだな。全力でやりなさい」
「もしこの会場が壊れたら?」
「そんなことはあるわけないが、こちらの責任とさせてもらう」
「言質、取りましたからね?」


よし、全力でやろう


「...メテオ」


















ドゴォォォォォォォォォォォォォン!!!



あ、やっぱりぶっ壊れた
会場の半分は跡形もなかった


「は?」
「だから言ったのに。俺は全力でやりましたからね?文句はなしですよ」


そう言って、ほかの受験生のいるところに戻る
先生はまだ呆然としている


「お、おい。アレやばくないか?」
「なんで俺らと同じ受験生が超級なんて使えんだよ......」
「それにメテオって土属性だよね...?」
「あの威力は普通じゃないよな......」


あー、やっぱ不味かったかな?


「と、とにかく、今日の試験は終了とする。解散だ」


まぁいっか
あとは結果を待つだけだ






その日の夜......


「それで、今年の受験生はどうだったかの?」
「はい。今年は優秀な生徒が多いようです」
「そうかの......それで、あの生徒じゃが...どうだった?」
「あの生徒とは?」
「ほれ、珍しくデュークの小僧が推薦してきた生徒じゃよ」
「あぁ、あの生徒ですか......正直、私でもまともに戦える気がしません。一瞬で倒されるでしょう」
「ほぉ、お主にそこまで言わせるか。この学園最強の教師に」
「それは学園長を除くが付きますがね」
「なら、首席は確定かの?」
「それなのですが......その生徒が、その......土属性の適正しかないらしいので」
「なるほど、批判を受けると言いたいのじゃな?」
「.........はい」


学園長は顎に手を付き、少し唸りながら考え込む
そしてニヤリとしながら口を開く


「なら、こういうのはどうじゃ?」


そうして夜は更けていった

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