いきなり世界救えって言われても

リノル

12 岩の巨人

雅人とリアはあの爆音のもとへやってきた
「どこだあの声のやつは?」
「見つかりませんね。あっ!雅人、特殊魔法の中に『サーチ』という魔法があります」
「そうか、それを使えば!」
「はい、見つかると思います」
「よっしゃ、じゃあ『サーチ』…あれ?」
「どうしましたか?」
「わからない…」
「あぁ、すみません。『サーチ』の効果は探す対象も言わないといけないんです」
「そゆこと。じゃあ気を取り直して『サーチ-助けを求める少女』」
雅人から10メートル先にその反応がでた。
「わかった!ここから西10メートルだ。行こう!」
「ええ…(おかしいですわ)」
リアがそう思うのもおかしくない。なぜなら『サーチ』の有効範囲で知られているのはせいぜい半径5メートルかそれ以下にあたるからだ。10メートルなんて聞いたことがない。
「やっぱりおかしな人だ」
「ん?なんか言ったか?」
「い、いえ。なんでも、さぁ急ぎましょう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「…これはっ!」
彼らが目にしたのはゴーレムであった。
そして辺りは血の跡が残っている。
「やばいな、これは…」
グギギギ
「雅人、まずはゴーレムを潰しましょう」
「おう!」
雅人とリアは戦闘態勢をとった。
「リアは援護を頼む!」
「もちろんです!」
雅人はゴーレムに急接近し、剣で切りつけた。
「リア!」
「はい!紫電よ  その衝撃の矢よ 『サンダースピア』!」
リアの周辺に雷を帯びた矢が無数に生まれ、ゴーレムに向かっていった。
「ゴアァ…」
「よっしゃ、まず1体!後は4体か…」
グギギギ…
4体のゴーレムが雅人に向かって襲ってきた。
「雅人!」
「くっ、『ブースト』!」
紙一重でゴーレムの攻撃を避け、さらに捌き、懐へ入った。
しかし…
俺の攻撃では奴の硬さにはかてない。どうすれば…。そうだ!
「譲渡…そして、せい!」
「ゴアァ…」
「なっ、剣でゴーレムの硬い岩を砕いたっ!」
「よっしゃ、上手くいった!」
そう雅人はゴーレムの硬さを自分の剣に『譲渡』したのだ。
やっぱり、俺の意思で譲渡できるのは無機物や相手にも使えるのか!
そして残留するとしたら…
「あと3体、せい!はぁ!やぁ!」
ゴアァ…!
「一気に3体もしかも魔法ではなく剣で…」
「よし、これで終わりだよな」
「頼む!彼を助けてくれないか!」
「あっ、今行きます!」
「ほんとに雅人、何者ですの?」
「ん?何か言ったか?」
「いいえ、行きますよ」
「おう」
2人は助けを呼ぶ声の元へ向かって行った。


譲渡は、この先チート性になりそうな予感が…するようなしないような。

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