異世界はチートなカードで乗り切ろう!?

田中 凪

41.モンスターを捕まえてみよう

あと1、2週間は帝都にいるつもりなのだが…やることが無さすぎて暇なのである。どうしよう…
「また、魔物を狩りに行かないとお金無くなるわよ?」
「もうそんなに無くなってるんですか?」
「ん?あ、ほんとだ。そろそろ切れますね。なにか適当に依頼をこなしましょうか。最悪、またダンジョンに潜りに行けばいいですね」
「そうと決まればさっさとギルド行くわよ!」
「「「「「はーい」」」」」
こうして、6人は宿から出て冒険者ギルドへ向かった。時間が朝早く、ではないので常設依頼のゴブリン討伐、薬草採取、下水道の見回り、その他帝都内での雑用。そして、特殊依頼でヒィロットという鳥型魔物の卵の採取ぐらいしか残っていなかった。
このフィロットは別段強いという訳では無い。大きさはニワトリより少し小さいかなといったぐらいで飛ぶのはあまり得意ではない。が、非常に素早いうえに、タコやカメレオンのように体を周囲の風景に溶け込ませることができるので、1度見失うと再び見つける事が難しい。そして、その卵は森の各所に巧妙に隠されていたり、ほかの強力な魔物の卵に紛れ込んだりしている。隠された卵は周囲の景色と同化し、魔物の卵に紛れ込ませればその魔物の卵と同じ形、大きさ、模様、色になるという。親よりも見つかることが困難な代物である。今回の依頼はそんな卵を調べようとする学者からのものだった。
「このフィロットの卵の採取依頼、受けてみませんか?」
「え、で失敗したら大変よ?結構報酬高いから違約金もかなり払わないと行けなくなるし…」
「しばらく森に入っていれば大丈夫ですよ。秘策もありますし」
「……ハルトがそう言うなら大丈夫なんだろうけど、他のみんなは?」
「意義なしです~」
「特にないですね」
「いいと思うわ」
「大丈夫です!」
「ハルトさんが大丈夫だと言うなら…」
「じゃ、決まりね。この依頼私たちでも受けられる?」
「えぇ、問題ありません。ただし、無茶はしないでくださいね」
「その位は分かってる、命あっての物種だかんね」
最悪、【ロングワープ】で全員連れて逃げ帰ればいいんだけどね。なんて無粋なことは言わないでおくとしよう。

森に行くと(多分)この前と同じスライムがやってきた。何故そう思ったのかと言うと僕が、
「着いてくるかい?」
と言ってみたら体を伸ばして縦に揺れていたからだ。知性のあるスライムがそうホイホイいるわけない…と思いたい。
なんてことを考えながら森中をくまなく探していると…
スライムが体?触手?を伸ばして俺をつついてきた。
「ん?どうした?」
器用にももう片方の伸ばしたスライムボディー(仮称)で矢印を作っていた。
「あ、みなさん止まってください。このスライムがなにか見つけたみたいです」
「え?ほんとにそのスライムなんなの…」
「さ、さぁ…?」
とりあえずスライムが指し示す方へ行ってみると…
そこにはロフロスという恐竜のパラサウロロフスに似た魔物の巣があった。ひょっとしてここの卵の中にフィロットのたまごでも混ざってんのかな?
「ロフロスの巣じゃない!フィロット程ではないけどかなり珍しい魔物だし、巣なんて滅多に見られないわ!少しスケッチさせて!」
これに食いついたのはフェスティリナだった。
そう言えばこのエルフ、学者って言ってたな…ま、焦る必要も無いしいいか。それに、向こうも気づいてはいるんだろうけど動く気配はないしね。
「特に焦る必要も無いのでいいですよ」
30分ほど時間を置くと、もう終わったからいいわよ。と言われたので空間魔法でそっと卵を取り出す。その時に、空いた空間もカバーするのを忘れない。怒って攻撃されても困るし…
巣の中には7個の卵があったが、(スライムいわく)違和感のある外側にあるひとつの卵を取ってみた。なんだろう…確かに違和感があるんだけどなぁ…
あ、そうだ、別の場所において様子を見てみよう。
しばらく様子を見ていると…卵の色が一瞬で変わり風景に溶け込む。そして次に誰も食べることの無い毒草の形に変わった…これは間違いないな。
「こ、これ、本当にフィロットの卵見たいですね」
「凄いわ!何このスライム?!」
「ハルトさん、依頼を達成しましたけど、まだ探しますか?」
詩織が僕に聞いてきた。が、それはスライム次第だ。
「うーん、それはこのスライム次第かな…」
多分、このスライムが教えてくれなかったら絶対見つかってないからな。
「え、いいの?」
丸を作って了承してくれた。あとで美味しいご飯をあげよう。
そうしてまた、少し探していると…

ガサガサッ

「…ん?」
「…クェ?」

目の前のやぶからニワトリ位の大きさの鳥型魔物がでてきた。これ、ひょっとして…
「ハルト!それフィロットよ!」
やっぱりか!
そして、急いで捕まえようとしたが、その時には既にいなくなって…
「あ、まだこの辺にいるじゃん」
…いなかった。自慢の俊足で突き放さず、近くの藪の中に潜り込んで擬態していた。そして【レーダー】で正確な場所を把握したハルトは、フィロットを【空間牢獄】の中に閉じこめる。
「ククク、ついに追い詰めたぞ…」
「大して苦労していませんけどね」
「ハルトさんがなんか怖いです」
何となく悪役(三下)っぽいことを言ったハルトはそこそこダメージをくらった。
そして、当のフィロットはまだバレていないと思っているのか未だに動いていない。
「ちょっとこのモンスターカード使いたいんですけど、いいですか?」
「別に聞かなくてもハルトくんの好きにしたらいいんじゃない?」
「そうよ」
他のみんなも同じらしい。それじゃ遠慮なく…
カンッ!
…自分の張った【空間牢獄】に弾かれた。orz
仕方がないので、【空間牢獄】を一部解除してその中で投げる。さすがにバレて避けられた。ぬぅ…どうしたもんか
「クエェェェェ!」
バンッ!
逃げようとして【空間牢獄】に当たって気絶した。そこにカードを近付けると
『種族名【フィロット】と契約しますか?Yes/No』
というアナウンスが出てきたので迷わずYesを選択する。
『契約が完了しました』
「よし、出てこいフィロット!」
フィロットを早速召喚(?)してみる。ちなみに投げるとかじゃなくて前に持ってきて見せるだけでいいみたいだ。
「クエェェェェェェェェッ!」
うん、問題ないみたいだ。
「ありがとう、戻っていいよ」
「クエッ!」
羽で敬礼してカードに戻った。
「さて、目的も達成しましたし、帝都に戻りましょう」
「そうね。ところで、このスライムはテイムしないの?」
「あー、そうですね…一緒に来てくれるかい?」
そう聞くと、スライムは大きく上下に跳ねた。これは、OKを貰ったってことでいいのかな?
『種族名【スライム】と契約しますか?Yes/No』
これも迷わずYesを選択する。
「出てこいスライム!」
「…!」
うん、やっぱり問題ないね。あ、そうだ、
「今日はありがとうね。はい、ご褒美」
そう言ってオーク肉を使ったスープを渡す。
「♪」
喜んでくれたようで何より。さて、戻ろう。


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