攻略対象外だけど、好きなんです!

藤色

1 「そして少女は転生する」

 どこまでも白い世界。何もないこの空間には、私だけが存在している。

「ここはどこ…?」

私の記憶が正しければ、私はさっき通り魔に殺されたはず……。
じゃあ、ここは、天国なのかな?

「だいたいあっとるよ。ここは天界じゃ。」
 「⁉︎」

 突然、声が聞こえた。そのことに驚いていると、

 「さっきはありがとうな、孫を助けてくれて。」
 「孫…ですか?」
 「そうじゃ。通り魔から守ってくれたじゃろう?あの子はわしの孫だったのじゃ。本当に助かった。」

 そういえば、とっさに少女をかばっていた気がする。……あの子、孫だったんだ。

 「急に予測外がでてな……。あのときばかりは、とても焦った。生憎とわしは、予測外にはめっぽう弱くてな…。と、そういえば、自己紹介を忘れていたな。わしは神じゃ。よろしくな。」
 「神様だったのですか⁉︎」

 神様だったなんて。知らなかったとはいえ、あまりよろしくない態度をとっていなかったか、不安になる。
 本当に神様かはわからないが、失礼のない態度をとっておくに越したことはないし。

 「申し訳ありません神様、知らなかったとはいえ、失礼な態度を…。」
 「大丈夫じゃよ。そなたは失礼な態度をとっておらん。それに孫の恩人じゃ。多少失礼でも見逃してやるわい。…と、本題を忘れるところじゃったな。」
 「本題、ですか?」
 「ああ。そなたはわしの孫を助けてくれたじゃろう。じゃから、お礼をしようと思ってな。何でも一つ、願いを叶えてやろう。ほれ、言ってみろ。」

 何でも一つ、願いを叶えてくれるなんて……。神様だということは間違いなさそうね。
 それはそうと、願いか……。
 私には身寄りもいなかったし…。
 こんなことは、もう二度とないだろうから、ここは私の最大の願いを叶えてもらおう。

 「『四度目の世界で君と』のヒロインに転生したいです!」

 乙女ゲームオタクの私の願いはただ一つ、ヒロインになること!
 神様の前で恥ずかしいけど、二度とうないだろうし…。仕方のないこと、だよね。

 「ふぉっふぉっふぉ。いいだろう。ちと難しいが、孫の恩人じゃ。叶えてやろう!ーーーーーー幸せになれよ!」
 「ありがとうございます!このご恩、来世でも忘れません!」

 こうして私は、ヒロインに転生したのだった。


コメント

  • ノベルバユーザー83555

    あらすじ見てなかった…無駄なコメントしてすいません_:(´ཀ`」 ∠):

    1
  • 藤色

    この作品は、作者がノルン+ノネットの世界に行きたいなと思って書き始めたものです。
    よく分かりましたね〜!すごいです!

    1
  • ノベルバユーザー83555

    ノルンノネットに似てる気がする…

    3
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