ときどき、ホットミルクが飲みたくなる人生
第47話「激闘の末に」
それは、ある日の出来事だった。
如月と峰長との試合が始まる前日。大森萎と美山イヅナは、調理実習室に来ていた。
「大森先輩。先輩は、色んな能力を持っているようですけど、その力はどうやって手に入れたんですか?」
「戦ってだよ。1年前、まだ僕がお菓子研究部を設立して間もない頃。神の悪戯か悪魔の罠か、僕は不思議な能力を手に入れてしまったのさ。それからというものの、辛い日々が続いたさ。山を崩し、海を割り、星々を砕く。そんな戦いの日々が永遠とも思えるほど続いた。結果、僕はたいして欲しくもないのに強大な力を持つようになったのさ」
「人に歴史あり、ですね」
「その辺、イヅナちゃんはどうなの? 君はあらゆる敵を相手に立ち向かうバトル展開は起こったりしてないのかな」
「トントンです」
「そっか。まあ、深くは聞かないさ」
シナビは、テーブルの上にたくさんのスイーツを並べていく。これらは全て、大森萎自身の手で作られた物。
シナビにとって、能力とは生活の安寧を邪魔する鬱陶しい物という認識であった。しかし彼は、自身の能力をフルに使い、かつての大戦時に多くの財宝を獲得したのだ。そう、いわば彼は億万長者。おかげで高級な食材も大量に手にする事ができ、お菓子が作れるのだ。大森萎が能力を得て、一番良かったと思えた事である。
「さて、それはそうと本題に入りましょう。大森先輩」
「何?」
「大森先輩は…………」
美山は一呼吸おき、それから言い放つ。
「如月先輩を、どうするつもりなんですか?」
如月と峰長との試合が始まる前日。大森萎と美山イヅナは、調理実習室に来ていた。
「大森先輩。先輩は、色んな能力を持っているようですけど、その力はどうやって手に入れたんですか?」
「戦ってだよ。1年前、まだ僕がお菓子研究部を設立して間もない頃。神の悪戯か悪魔の罠か、僕は不思議な能力を手に入れてしまったのさ。それからというものの、辛い日々が続いたさ。山を崩し、海を割り、星々を砕く。そんな戦いの日々が永遠とも思えるほど続いた。結果、僕はたいして欲しくもないのに強大な力を持つようになったのさ」
「人に歴史あり、ですね」
「その辺、イヅナちゃんはどうなの? 君はあらゆる敵を相手に立ち向かうバトル展開は起こったりしてないのかな」
「トントンです」
「そっか。まあ、深くは聞かないさ」
シナビは、テーブルの上にたくさんのスイーツを並べていく。これらは全て、大森萎自身の手で作られた物。
シナビにとって、能力とは生活の安寧を邪魔する鬱陶しい物という認識であった。しかし彼は、自身の能力をフルに使い、かつての大戦時に多くの財宝を獲得したのだ。そう、いわば彼は億万長者。おかげで高級な食材も大量に手にする事ができ、お菓子が作れるのだ。大森萎が能力を得て、一番良かったと思えた事である。
「さて、それはそうと本題に入りましょう。大森先輩」
「何?」
「大森先輩は…………」
美山は一呼吸おき、それから言い放つ。
「如月先輩を、どうするつもりなんですか?」
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