ときどき、ホットミルクが飲みたくなる人生
第17話「怪奇・悲劇・必然」
「君のその考えは正しいよ」
「シナビっ! お前居たのか!?」
あまりの甘ったるさに視界すら歪んで見える空間。そんな中にいた俺たちに近づいて来たのは大森萎だった。
「太陽くん。今の甘子ちゃんは溶解している」
「はっ? 溶解?」
「そう、溶解。つまり溶けてるんだ。砂糖を好み、砂糖を司るようになった彼女は、ついに自分自身も砂糖に変えてしまった。峰長甘子は、砂糖そのもの。人智を超越した化け物なんだよ」
「なん……だと……」
峰長が化け物? 砂糖を司り、自身も砂糖に変えてしまったって?
「…………それって、驚くような事か? 彼奴ならいつかやりそうだと常々思っていたけど」
「その通りさ太陽くん。甘子ちゃんが砂糖の化け物になったのはこの際どうでもいい。問題なのは、太陽くんが甘子ちゃんに水を浴びせたせいで、彼女の砂糖が充満してしまった事さ。このままだと、匂いが学園中に広がり、全ての生物が致死濃度の砂糖を吸って死に絶えてしまう!」
「じゃあ、俺だけ逃げるわ。皆さんサヨナラ」
俺は荷物をまとめて学園を離れようとする。
しかしその瞬間、俺の足首を誰かが掴んできた。
「おいおい誰だよ。俺の逃亡の邪魔をするな…………」
『キサラギィィィィィィィィィィィィ!!!!』
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
振り返ると、そこには顔面を泥粘土のように歪ませ、水飴のような素手で俺の足首を掴んでいる、怪物・峰長甘子の姿があった。
「シナビっ! お前居たのか!?」
あまりの甘ったるさに視界すら歪んで見える空間。そんな中にいた俺たちに近づいて来たのは大森萎だった。
「太陽くん。今の甘子ちゃんは溶解している」
「はっ? 溶解?」
「そう、溶解。つまり溶けてるんだ。砂糖を好み、砂糖を司るようになった彼女は、ついに自分自身も砂糖に変えてしまった。峰長甘子は、砂糖そのもの。人智を超越した化け物なんだよ」
「なん……だと……」
峰長が化け物? 砂糖を司り、自身も砂糖に変えてしまったって?
「…………それって、驚くような事か? 彼奴ならいつかやりそうだと常々思っていたけど」
「その通りさ太陽くん。甘子ちゃんが砂糖の化け物になったのはこの際どうでもいい。問題なのは、太陽くんが甘子ちゃんに水を浴びせたせいで、彼女の砂糖が充満してしまった事さ。このままだと、匂いが学園中に広がり、全ての生物が致死濃度の砂糖を吸って死に絶えてしまう!」
「じゃあ、俺だけ逃げるわ。皆さんサヨナラ」
俺は荷物をまとめて学園を離れようとする。
しかしその瞬間、俺の足首を誰かが掴んできた。
「おいおい誰だよ。俺の逃亡の邪魔をするな…………」
『キサラギィィィィィィィィィィィィ!!!!』
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
振り返ると、そこには顔面を泥粘土のように歪ませ、水飴のような素手で俺の足首を掴んでいる、怪物・峰長甘子の姿があった。
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