チート特典スキルは神より強い?

ゴッティー

第5話 魔法学習♪1

「では実技の授業を始めます。ルールは簡単。どんな魔法でも入学試験と同じようにこのリングから落ちた人や戦闘不能、あるいは負けを認めると負けになります。ちなみにこの実技の授業はトーナメント式でそれによってあなた達の実力も図られるわ。一回戦で負けても分が悪い相手との勝負でどれだけ戦うことが出来たかなどということをちゃんとあの魔道具で測るから心配ない。だけどやっぱり勝ち進んだ方が実力があるとみなされるから頑張って勝つように」

 そしてケイト先生はトーナメント表を取り出し発表した。試合が開始してから数十分後…。俺の出番が無い。

 先程、ケイト先生が発表した中で自分の名前が呼ばれていないことに気づき、トーナメント表を見直したが、やはり自分の名はそこに記されてはいなかった。

「あの…先生、俺の名前がトーナメント表に無いんですが」

「当然よ。また第一闘技場のようにこの訓練場まで穴を開けられるわけにはいかないもの。それにあなたはまず、魔力を制御するところから学んだ方が良さそうね。実力…というよりあなたの魔力量が凄いことはもう学院内でも把握出来ているからあなたがこの模擬試験に参加する必要は無いわ」

 との事だった。確かに最もな対応だとアウル自身も思ったが、これからの授業も自分だけが参加出来なくなる可能性もあるので魔力の制御をより使いこなせるようにと授業外で特訓することを心に決めたアウルであった。

「ヘル・ブレス!!!」

 その時、訓練場内では他とは違う圧倒的な魔力量の魔法が放たれた。その子は大きく口を開けると口から超高温の炎を放つとそのブレスが通った地面はドロドロに溶け、熱風が会場中に舞い上がった。幸い対戦相手はハクだったため、怪我は無かったようだがあの高温の炎をこんなただの模擬戦で放つとはマジで狂っている。と、俺は思ったがそのブレスを放ったのがアリシアだった為、「やはり」と俺は納得した。

 アリシアには教室で会った時から、(こいつ何かしらやばいことをしそうだな)とは思っていたので彼女がたかが模擬戦でこんな死人の出そうなブレスを放ったのも納得がいった。大体、人は魔力の色で分かる。狂った感じの人にはそんな感じの濃い色の魔力を持っている。逆に優しそうな人なんかは魔力の色が明るい。ちなみにハクの魔力の色は銀色。超真面目って事だな。

「勝者、アリシア! けど超級魔法は出来るだけ使わないようにと学院長からも言われていたはずでは?」

「最初はそのつもりでしたが、私の相手を務めていたハクは上級魔法だけでは勝てないと思ったので仕方なく超級魔法を使いました。でもハクなら私の攻撃でも死なないと思ったので使いました」

「しかしルールはルール。相手が強くても超級魔法を使ってはいけないという決まり事を学院長としたのであれば、ちゃんとそのルールを守ってくださいね」

「はい」

「ところであの魔法は竜族の使う魔法では? 確か詠唱が複雑であり普通に使うにはとても使い勝手が悪いと聞きましたが、詠唱をしながらその間剣で相手と対戦するとはそういう戦い方もあるのですね。大抵の人は詠唱中、大量の魔力が持っていかれる中、剣で相手をするなど到底出来ないですからこれはアリシアさんだけが使いこなせる魔法なのかもしれませんね!」

 というわけで実技の授業はこれで終わったようだ。優勝者はアリシアと以外な結果になった。アウルはハクが優勝すると踏んでいたが、魔力量がハクより劣っていたとしても超級魔法が使えるというだけで負け戦だったとしても一発逆転することが出来る様だ。

 授業が終わり、アウルは一階の全学年共同の食堂へと来ていた。今日のメニューはオムレツ、チャーハン、うどんなどがあり、アウルは大好物であるオムレツを手に取り適当な席へ着いた。隣でアウルと同じくオムレツを食べている人がいたので隣を振り向くとそこには子動物のようには背中を丸め、オムレツをモグモグと口へ運ぶアリシアの姿があった。

「何?」

「いや、別に」

 どうやら少しの間、アリシアを見つめてしまっていたようだ。食事を取っているアリシアはまるでリスのようでとても見ていて癒される。

「まあいいや。ところで何で今日、試合出てなかったの?」

「アウル君はまだ魔力の制御が出来ていないみたいだからね。訓練場にまた入学試験の時ごとく穴を開けられては学校側からしても迷惑ですからね!」

 するとそこへケイト先生がアリシアの前の席へ座りそう言った。

「魔力を制御出来ないわけでは無い。入学試験の時に使ったのでさえ普段使う魔力の100分の1だ。この国の人の平均魔法威力と俺が普段使う魔法との威力差は1万倍。誰でも自分の魔法威力を1万分の1まで制御しろと言われても無理な話では?」

「へ? 嘘? あの威力でアウル君は100分の1まで魔法を制限していたというの?」

「そうですが」

「アウル君の魔力が多いとは学院長から聞いていたけどまさかこれほどまでに魔力量が多かったなんて!! それに私でもアウル君の魔力の底は見えないわ。メリッサ、あなたは彼の魔力量の底が見える?」

「当然、私では見ることが出来ない、そもそもアウルの魔力に底があるのかも不明だからな」

「いや、あるからな」

「で、まあ本題に入りたいのだけどアウル君は今年開催される魔法大会に興味はない?」

「魔法大会?」

「年に一度のアキレア帝国で行われる国を挙げての大会よ。大会出場の権利は3人での出場。あなたがいくら膨大な魔力量持っていたとしてもその他にあなたと大会へ参加する人がいなければ出場できないわよ。それにどのみち隣国、有名な旅人やSランクの冒険者なんかも参加するから私達に勝ち目はないわ!」

「なら参加する」

「へ!? 出場してくれるんですか?」

「ああ。あとアリシアにも参加してもらう」

「え、何で私が?」

 アリシアが絶望した表情でこちらを見る。

「で、もう一人はまた決めたら連絡します」

「わかりました。では私はこれで失礼させていただきますね」

 アリシアはとりあえず無視。俺的にはハクをチームに入れたいところだが、まあ他に強そうな人が居たらその人も誘っておくか。で、最終的に2人に絞ればいいだけだしな。

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