精霊たちと契約戦争

takuma

雪笹の頼み①

契約を終えた俺はアルマと一緒に皆のいる場所に戻った。
3人の姿を見たとき安心してついつい涙が出そうになる。
「おい楓、大丈夫か?」
「あぁ、この通りな。契約もうまくいったよ。」
心配そうに駆け寄ってくる藺草たちに俺はそう答え、アルマが皆の前にでた。
「あなたが稀少種なんですね。始めて私は、」
「エルフのリネだよね。それで君がサラマンダーのティナとドワーフのジン。君たちが誰と契約したのかも知ってるから自己紹介はいらないよ。」
「なぜそれを知ってるんだ。」
ジンは不思議そうな顔をして言った。
「やっぱりお前は単細胞だったか、見るからにそんな感じはしたよ。楓の記憶を少し見させてもらっただけだ。」
「なぁ、藺草よ。今日だけで俺は何回小馬鹿にされなきゃいけないんだ・・・。」
「あれ、少し傷つけちゃったかな。」
アルマが笑いながらジンの背中を叩いた。
稀少種だからと言って他の精霊との格差などがあるわけでもなく、皆が本当の笑顔を見せていた。
「・・・」
ただ1人を除いて。

「さぁ、皆疲れただろう。今日は部屋でゆっくり休んでくれ。正直に言って君たちにもそう遠くないうちに戦場に出てもらうだろう。」
俺たちは全員、今までにないほどの真剣な眼差しで小さく首を縦にふった。
「と、言うことで、明日は思いっきり遊んできていいよ。」
「え、本当ですか!やったー!」
雪笹からの外出の許しを聞くと、紅葉がまるで小学生のようにはしゃいだ。
「椿、お前も行ってきていいぞ。」
「え?本当に、いいの?」
「あぁ、楽しんでこい。」
椿は満面の笑みで、首を縦に大きくふった。
「楓くん、すまんが少しいいかな?」
皆が部屋に戻ろうとしたとき、何故か俺だけがひき止められた。皆がいなくなったあとその部屋には雪笹と俺、そして重苦しい空気だけが残った。
「えっと、どうかしたんですか?」
「あぁ、実は君に頼みがある。」

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