青春ゲーム!
6章 また部員が増えました。
▼
さて。
たまには哲学的な考えもしてみよう。
テーマは、俺が今感じている気持ち。
それは、人なら誰しもが経験した事のある感情。
━━恋愛とはなんだろうか。
宮原琴乃。
学年1の超絶美少女で、その見た目こそ清楚だが少しドジな部分もあるという、なんとも男子の妄想を具現化したような存在だ。
そんな、凡人には手の届かない高みのにあらせられる彼女と俺に一体なんの接点があるのかという話だ。
つい数日前。
俺のクラスである2年8組に、ある美少女が降臨した。
何を隠そう、宮原である。
彼女は、俺の姿を見つけ、歩み寄ってきた。
「ちょっとこっち来て!」
「お、俺……?」
周りを見ると、皆の視線が俺に向かっている。特に男子。
「あなたが噂のゲーム部の塩浦英治くんだよね?」
「あ、ああ、そうだが……」
もう学年中に名前が知れ渡っているとは。
恐ろしいな。この学園は。
「それで、あなたに頼みがあるんだけど、聞いて貰える?」
「まあ、話くらいなら……」
そして連れてこられたのは、誰も居ない学校の屋上だった。
「で、頼みって何?」
「えーっとね……」
なんだこの子は。
動作の一つ一つが可愛らしい。
「あ、あのね。皆には隠してたんだけど……ずっと前から、好きでした……」
え?マジ?
嘘だろこんな展開予想してなかったぜ。
まあ俺もそれなりに有名になったし、それくらいは……。
「ゲームが」
「は?」
「私がゲーム好きなのは知られていないけど……だから、皆の前で言うの恥ずかしくって」
「は、はあ……」
「で、私ゲーム部に入りたいんだけど、周りの人は『オタク部』とか『陰キャラ』とか言ってて、言い出せなくて……」
悪い意味で有名なのかよ!
なんだオタク部って!ナメてんのか!
「そういうことね。……よし。色々考えてみよう」
「あ、ありがとう」
笑顔可愛すぎんだろぉおお!!
とまあ、そんな事は置いといて、
(どうするか……)
まず目の前の問題は、宮原がゲーム好きなのを皆が知らないという事。
そしてもう一つは……ゲーム部の評判が悪いという事。
(その二つか……。別に宮原の件は言えば良くないか?)
そう。宮原自身の問題は、宮原が解決するべきだ。
しかし、その事を皆の前で話すのが恥ずかしいという性格も性格だから、上手く行くかどうか……。
何も考えつかないまま、放課後になった。
ドアの方を見ると、ひょいひょいと手招きしている。
「招き猫かお前は」
「いや、そんなつもりは…」
そして俺たちは、近くのカフェに身を移した。
「どうだった?」
「う~ん。中々思い付かないな。というか宮原」
「……?」
「どうだ宮原。お前、自分の口から告白しないか?」
それを聞いた宮原は、不思議そうな顔で言った。
「……だ、誰に?」
なんだこの天然ぶりはぁあああ!!!
ダメだ!耐えろ、俺!平静を装うんだ……。
「いや違う、そうじゃなくて」
「じ、じゃあなに?」
「お前が、ゲーム好きだって事」
実際、宮原のような人気者がゲーム好きだと公言してくれれば、ゲーム部の評判も少しは良くなるんだがな……。
だが宮原はそれができない。
「そ、そんなのできないよ!」
「どうしてだ?お前なら何言っても許されると思うぜ。……立花の次にな」
最近会わないが、何してるんだろう。
聞いた話だと、国会がなんちゃらだとか……。曖昧すぎるな。
「で、でも、そしたら皆、私の事を変に思うかもしれないよ」
「大丈夫だろ。勇気を出して言ってみろよ」
そして次の日。の放課後。
「どうだった?」
「言えなかった……て言うか、言うタイミングが無かった」
「……そうか」
俺たちは、昨日と同じ場所に行った。
「なんとかならないかな……」
「どうしよう英治くん。私、言い出す勇気が無いよ……」
しばらくして、一つの疑問に思い当たる。
「なあ、宮原。お前は、どうしてゲーム部に入ろうとしたんだ?」
それは、前に如月にもした質問だった。
「単純にゲームが好きだから、なんて理由じゃ無さそうだな。……他に何かあるのか?」
彼女がどんな意図を持って入部を希望しているのかは分からない。だが、ただ単純に『好き』というのでは無く、何か別の理由がありそうな気がしてならない。
「すごいね、英治くん。全部知ってるみたい」
「何でもは知らないよ。知ってることだけ」
さりげなく言いたいセリフを言わせて貰った。
「確かに私は、ゲームが好き。……だけど、楽しいとは感じない」
宮原は語り出す。
「皆で集まってゲームとかはあまりしないで、その場の空気を呼んで合わせてるだけ。ゲームする時は、いつも1人だった」
「だから、ゲーム部という物を知った時は嬉しかった。今度こそ皆で楽しめるんだって」
「……でもね「ちょっと待ったぁあー!!」
「な、何!?」
刹那の間。そして、
「前と同じミスはしないぜ」
はいシリアスモード終了ー。
「は、はあ」
「俺は、美少女は好きでも、シリアスは大嫌いだ!」
ビシィィッ!
そう美少女を指差して、言った。
「確かにお前の言う通りだ。ゲーム部は、ゲームを楽しむ場所だ」
「よく聞け宮原!ゲームとは、周りなんて気にしないで楽しんだ者勝ちだぁああ!!」
凄まじい暴論を叩きつけた。
「で、でも……」
「よし。俺に考えがある」
「宮原。お前自身はゲーム部への入部を望んでいるんだよな?」
「うん。まあ……」
「だったら」
そして、道端に落ちていた100円玉を手に取った。
「俺がこのコインを投げる。落ちてきた時に裏ならゲーム部への入部は拒否。表なら……」
「お前を、ゲーム部の新入部員として正式に入部させる」
そして、握った拳を天に掲げた。
「そ、そんな、まだ……」
「細かい事は気にすんな!」
「いくぜーー!!」
━━そして、翌日。
ゲーム部に新しく部員が1人増えた。 
「宮原琴乃です!よろしくお願いします!」
「よろしくね、英治くん!」
そんな笑顔で言われる物だから、男子なら誰でも抱くだろう。
これが恋心なのか!?
━━いや、これは単純に可愛いだけだな。うん。
━━はい。何も言うことありません。
あ、そうだ。
とりあえず、今回で大まかなキャラクター紹介は終わりです。
次回から新章(?)突入です。
ちょっとだけネタバレすると、レミが主役です。
それではまた!
さて。
たまには哲学的な考えもしてみよう。
テーマは、俺が今感じている気持ち。
それは、人なら誰しもが経験した事のある感情。
━━恋愛とはなんだろうか。
宮原琴乃。
学年1の超絶美少女で、その見た目こそ清楚だが少しドジな部分もあるという、なんとも男子の妄想を具現化したような存在だ。
そんな、凡人には手の届かない高みのにあらせられる彼女と俺に一体なんの接点があるのかという話だ。
つい数日前。
俺のクラスである2年8組に、ある美少女が降臨した。
何を隠そう、宮原である。
彼女は、俺の姿を見つけ、歩み寄ってきた。
「ちょっとこっち来て!」
「お、俺……?」
周りを見ると、皆の視線が俺に向かっている。特に男子。
「あなたが噂のゲーム部の塩浦英治くんだよね?」
「あ、ああ、そうだが……」
もう学年中に名前が知れ渡っているとは。
恐ろしいな。この学園は。
「それで、あなたに頼みがあるんだけど、聞いて貰える?」
「まあ、話くらいなら……」
そして連れてこられたのは、誰も居ない学校の屋上だった。
「で、頼みって何?」
「えーっとね……」
なんだこの子は。
動作の一つ一つが可愛らしい。
「あ、あのね。皆には隠してたんだけど……ずっと前から、好きでした……」
え?マジ?
嘘だろこんな展開予想してなかったぜ。
まあ俺もそれなりに有名になったし、それくらいは……。
「ゲームが」
「は?」
「私がゲーム好きなのは知られていないけど……だから、皆の前で言うの恥ずかしくって」
「は、はあ……」
「で、私ゲーム部に入りたいんだけど、周りの人は『オタク部』とか『陰キャラ』とか言ってて、言い出せなくて……」
悪い意味で有名なのかよ!
なんだオタク部って!ナメてんのか!
「そういうことね。……よし。色々考えてみよう」
「あ、ありがとう」
笑顔可愛すぎんだろぉおお!!
とまあ、そんな事は置いといて、
(どうするか……)
まず目の前の問題は、宮原がゲーム好きなのを皆が知らないという事。
そしてもう一つは……ゲーム部の評判が悪いという事。
(その二つか……。別に宮原の件は言えば良くないか?)
そう。宮原自身の問題は、宮原が解決するべきだ。
しかし、その事を皆の前で話すのが恥ずかしいという性格も性格だから、上手く行くかどうか……。
何も考えつかないまま、放課後になった。
ドアの方を見ると、ひょいひょいと手招きしている。
「招き猫かお前は」
「いや、そんなつもりは…」
そして俺たちは、近くのカフェに身を移した。
「どうだった?」
「う~ん。中々思い付かないな。というか宮原」
「……?」
「どうだ宮原。お前、自分の口から告白しないか?」
それを聞いた宮原は、不思議そうな顔で言った。
「……だ、誰に?」
なんだこの天然ぶりはぁあああ!!!
ダメだ!耐えろ、俺!平静を装うんだ……。
「いや違う、そうじゃなくて」
「じ、じゃあなに?」
「お前が、ゲーム好きだって事」
実際、宮原のような人気者がゲーム好きだと公言してくれれば、ゲーム部の評判も少しは良くなるんだがな……。
だが宮原はそれができない。
「そ、そんなのできないよ!」
「どうしてだ?お前なら何言っても許されると思うぜ。……立花の次にな」
最近会わないが、何してるんだろう。
聞いた話だと、国会がなんちゃらだとか……。曖昧すぎるな。
「で、でも、そしたら皆、私の事を変に思うかもしれないよ」
「大丈夫だろ。勇気を出して言ってみろよ」
そして次の日。の放課後。
「どうだった?」
「言えなかった……て言うか、言うタイミングが無かった」
「……そうか」
俺たちは、昨日と同じ場所に行った。
「なんとかならないかな……」
「どうしよう英治くん。私、言い出す勇気が無いよ……」
しばらくして、一つの疑問に思い当たる。
「なあ、宮原。お前は、どうしてゲーム部に入ろうとしたんだ?」
それは、前に如月にもした質問だった。
「単純にゲームが好きだから、なんて理由じゃ無さそうだな。……他に何かあるのか?」
彼女がどんな意図を持って入部を希望しているのかは分からない。だが、ただ単純に『好き』というのでは無く、何か別の理由がありそうな気がしてならない。
「すごいね、英治くん。全部知ってるみたい」
「何でもは知らないよ。知ってることだけ」
さりげなく言いたいセリフを言わせて貰った。
「確かに私は、ゲームが好き。……だけど、楽しいとは感じない」
宮原は語り出す。
「皆で集まってゲームとかはあまりしないで、その場の空気を呼んで合わせてるだけ。ゲームする時は、いつも1人だった」
「だから、ゲーム部という物を知った時は嬉しかった。今度こそ皆で楽しめるんだって」
「……でもね「ちょっと待ったぁあー!!」
「な、何!?」
刹那の間。そして、
「前と同じミスはしないぜ」
はいシリアスモード終了ー。
「は、はあ」
「俺は、美少女は好きでも、シリアスは大嫌いだ!」
ビシィィッ!
そう美少女を指差して、言った。
「確かにお前の言う通りだ。ゲーム部は、ゲームを楽しむ場所だ」
「よく聞け宮原!ゲームとは、周りなんて気にしないで楽しんだ者勝ちだぁああ!!」
凄まじい暴論を叩きつけた。
「で、でも……」
「よし。俺に考えがある」
「宮原。お前自身はゲーム部への入部を望んでいるんだよな?」
「うん。まあ……」
「だったら」
そして、道端に落ちていた100円玉を手に取った。
「俺がこのコインを投げる。落ちてきた時に裏ならゲーム部への入部は拒否。表なら……」
「お前を、ゲーム部の新入部員として正式に入部させる」
そして、握った拳を天に掲げた。
「そ、そんな、まだ……」
「細かい事は気にすんな!」
「いくぜーー!!」
━━そして、翌日。
ゲーム部に新しく部員が1人増えた。 
「宮原琴乃です!よろしくお願いします!」
「よろしくね、英治くん!」
そんな笑顔で言われる物だから、男子なら誰でも抱くだろう。
これが恋心なのか!?
━━いや、これは単純に可愛いだけだな。うん。
━━はい。何も言うことありません。
あ、そうだ。
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ちょっとだけネタバレすると、レミが主役です。
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コメント
スフィ
唐突な物語シリーズ出てきてビックリしました笑笑
天海愛米
コメントありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします!
とろろ
うぽつです。
個性が沢山あって次章がどうなるかとても楽しみです。
レミが主役になるのかー
それぞれのエピソードがあったりするんですかね?
投稿ペースは無理せずに!