異世界で旅を〜異世界チートは必須でしょ?〜

ちゃまたん

魔法構築とトレントさん?

 このスライム、マジで動きが速いんですけど。それとゴブリンをすでに3匹倒してる。

 ちなみに、従魔が倒した魔物の経験値は1度、俺に還元されているらしい。仕組みなんて知らない。ユキさんに聞いてくれ。

 それにしても、称号の『スライムの強者』は伊達じゃないみたいだ。
 ゴブリンを相手取る前に敵対していたら確実に死んでいたな。
 ポチもレベルが30に上がったし、ちゃんと俺の祝福ギフトが範囲されているみたいだな。俺のレベルも1上がったしな。

 【硬化】【高速移動】を併用して急所に確実に当ててゴブリンを倒している。
 一体【硬化】した後にどうやって動いてるんだよ。不思議すぎる。

---------------------------------------------------------

 村までは残り2キロと少しか。というか、さっきからゴブリンしかいないんだけど、これはどうなってるんだ?

《A,この辺りはゴブリンの縄張りのようですね》

「オークとトレントはどこにいるんだ?」

《A,村周辺には生息していないようです。村から少し離れた場所に縄張りがあるようです》

 ちょっと怖いけど一回ぐらい見ておきたい気もするな。

「トレントってのは木の魔物であってるんだよな?」

《A,はい。普段は木に擬態していて、獲物が近づくと根や蔓を使って絞め殺し養分とします》

「そうか、今の俺がトレントと戦って勝てると思うか?」

《A,剣での攻撃では通常は有効打にはなりませんが、火炎系統の魔法なら苦戦はしないと思われます》

「そうか、ならトレントが居たら教えてくれ」

《A,了解しました》

 火炎系統の魔法か……
 火ってのは確か、ガスとか有機物が発火点に到達すると燃えるんだったけか?

 今回の場合、ガスや有機物の代わりはMPをそれに見立ててやればいいのかね。

 回復魔法を使った時に、体の中に自由に動かせるものがあったが、ユキいわくそれは『マナ』と言うらしい。『マナポイント』でMPなのか『マジックポイント』でMPなのかよくわからんな。

 そんなことを考えつつも足は止めずにマナを手のひらに集中させる。
 結構器用なことをしてるな。でも、戦闘中に新しい魔法を作らなきゃいけない事もあるかもしれないからいい練習か。

 魔法を作るためにイメージする炎はやはり完全燃焼、つまり青い炎だ。中学のの理科の実験でよくやるやつだな。
 ちなみに、周辺のゴブリンはポチが全部倒してた。ポチ強い。

「ところでユキ、魔法の炎ってのも酸素を使って燃えてるのか?」

 地球では酸素を使って燃えてたけど、こっちの世界ではいったいどうなんだろうか?

《A,いいえ。魔法の炎はマナを使って燃えているので酸素の消費はありません。しかし、魔法から燃え移った炎ならば対象外なので酸素を消費します》

 酸素が無いと酸化現象にならないし、まず燃えないだろうにな。相変わらず不思議な原理だな。
 それとステータスにMPが表示されてるのに各々のイメージによってMPの消費量が変わるのも微妙に腑に落ちないな。
 ゲーマーとしてはMPのコントロールが難しくてやりにくいしな。

 こんなに考え事をしてたらさすがに魔法が発動しないか。
 よし、そろそろちゃんとやるか。

 俺は再び火が青くなる様子を思い浮かべ、マナを手のひらに集中させてイメージする。

《A,マスター》

「なんだよ、今はちょっと魔法イメージに集中してるから静かにしててくれ。」

《A,マスター。その事についてですが、イメージが明確ならば魔法の構築は私でも行うことができますが、どうしますか?》

「え、マジで?」

《A,マジです》

 ユキさんはなんでもっと早く言ってくれないんだろうか。

「……えっと、どうしてそれを最初に言ってくれなかったんですか?」

《A,一度くらい、自力での魔法構築、使用はさせるべきだと思いました》

 やっぱりちゃんと俺の事を考えての事らしい。

《A,それと、初めての魔法構築で苦戦するマスターが見たかったので最初には言いませんでした。あと、それほど面白くなくて残念でした》

 半分は娯楽のためだったらしい。
 くそぅ、祝福のくせに!

 「そんなことより! 魔法構築がユキでも出来るなら早くやってくれよ! もうイメージは固まってるんだから。」

《A,本当にその頼み方でいいんですか?》

 ユキ! お前って奴は!

「よ、よろしければ、魔法構築をして頂けないでしょうか……」

《A,拒否します》

「なんでだよ!」

《A,冗談ですよ、マスター」

 ただでさえ、平坦で感情があるかないかわからない声なのに、冗談とか分かりにく過ぎるだろ!

《A,マスター、魔法構築が完了しました》

 そのくせ仕事は早いとか……

「…ああ、ありがとう」

《A,……? 魔法名はステータスの魔法欄で確認してください》

 まぁ、仕事は早いし、完璧っぽいから多少の冗談とかは別にいいんだけどさぁ。


---------------------------------------------------------
[魔法]
---------------------------------------------------------
[攻撃魔法]
【蒼炎Lv:1】
---------------------------------------------------------
[回復魔法]
【ヒールLv:3】
---------------------------------------------------------
[生活魔法]
炎生成クリエイトファイア
---------------------------------------------------------
[無属性魔法]
【サーチLv:2】
---------------------------------------------------------


 なんか2つ魔法覚えたんだけど、どういうことだ?

「ユキ、いっぺんに魔法を2つ覚えたんだけど、どういうことなのか説明を頼む」

《A,はい。魔法は原理的に同じ物ならば、本来構築していた魔法よりも下位の魔法を覚えることができるケースも稀にあるようです。
 マスターの場合は【高望み】の効果によってスキルや魔法を覚えやすくなっているので、2つ同時に魔法を覚えることも珍しくなくなるでしょう》

 なるほどな。
 つまり、アリルとフラカンに持たされた祝福チートのおかげでこんな状況も出てくるってことだな。

 魔法名が【火生成クリエイトファイア】って……

「火は作るものじゃなくて起こすものだろうに」

《A,生活魔法の魔法名はこんなものです》

「こんなもんなのか。それにしても【蒼炎】か、なんか強そうな名前だな。」

《A,残念ですがマスター、この魔法はガスバーナー以上の火力は出ません》

「なんでだよ、イメージは結構しっかりしてたはずだぞ?」

 物質の燃え方から完全燃焼まで原理自体は解ってるから効果は高いと思うんだがな。

《A,イメージがしっかりとしていたからこそ、それ以上の現象を引き起こすことができないということです》

「つまり、今回の場合は、遠距離からなら打ち出すイメージをって感じか?」

《A,はい。攻撃魔法は最終的にどうしたいかを考えなければなりません》

【ガスバーナーをイメージ→魔法構築】→【蒼炎】←イマココ

 こんな感じってことだよな。 これだとイメージ通りガスバーナーにしかならない。
 これを例えば爆発に変えたいなら

【蒼炎→打ち出す→標的に接触→爆発炎上】

 ここまでイメージしてから魔法構築をしなければないということだ。

「魔法って結構めんどくさいのな」

《A,ですか、それさえクリアしてしまえばMPが膨大(なる予定)であるマスターは、ほぼなんでも出来るようになります》

 労働に見合った、もしくはそれ以上の効果が発揮されるなら、まあそれぐらいなんともないか。

「じゃあ早速、【蒼炎】の改良をしよう。結局、それをやるのは俺じゃなくてユキなんだけどな。よろしく頼むよ」

《A,了解しました。それではイメージをお願いします》

 ユキにお願いをしてから俺は、今回の魔法をイメージする。
 最初のイメージは炎だ。それはさっきと変える必要はない。次に打ち出しだが、これがなかなか難しい。どうやって打ち出しているのかが解らなければ、やりようがない。

「……あれ?地味に詰んでるんじゃね?」

《A,マスター。マスターが解らない原理や過程は私が補いますので、別に明確なイメージでなくても大丈夫です》

 さっきから言うのが遅くないですかユキさん?

「なんで最初に言ってくれないんだよ!」

 デジャブだよ。
 ついさっきもやったばっかりだよこのやり取り。

《A,これを機に、私の大切さをマスターに教えて差し上げようと思いまして》

 確かにユキがいなきゃ魔法構築どころか腕の傷すらまともに塞げなかったかもしれない。

《A,感謝こそすれ、悪く言われる事は何もありませんよ?》

「いや、あるだろ。特に俺への対応とか俺への対応とか」

《A,愛しか込めていませんが?》

「はぁ…、もうそう言う事でいいよ……」

 結局俺が折れた。 というかこれはもう言っても治らないと思う。そんな予感がする。

「……魔法構築を頼むよ」

《A,了解しました。それではイメージをお願いします》

 俺は再び、ユキに魔法のイメージを送る。それから数秒とたたずに。

《A,魔法構築完了しました。以後、魔法は魔法欄からお使いください》

 相変わらず仕事の早いことで。

「その事なんだが、消費するMPの量とか見れるように出来たりしないか?」

 MPが見えれば圧倒的に魔法が使いやすくなる。調子に乗ってダメージを受けた時、回復できません。じゃあシャレにならないからな。

《A,わかりました。魔法欄の表記に消費MPを記載しておきます。消費MPは変化するので最低消費量を記載しておきましょう》

「ありがとう。それで頼むよ。
 ところで、村まであとどれくらいで到着なんだ?」

《A,村までの距離はあと1キロ弱です》

 1キロ弱か……じゃあ、もうすぐ村に着くな。

《A,っ! マスター!》

「うぉ! どうした!?」

 ユキが慌てるなんて、一体何があったっていうんだ!?

《A,マスター、300メートル先にトレントがいます》

「トレント? それがそんなに慌てるような事なのか?」

 トレントはその場から動けないはずだから、別に慌てるような事じゃないはずだ。

《A,いえ、問題はトレントではなく、そのすぐ近くに村の住人、それも少女がいる事です! このままだとトレントに接触してしまいます!》

「なんだって!? ……接触したらどうなる?」

《A,まず、間違いなく殺されてしまうでしょう》

 まぁ、当たり前か…
 俺だってゴブリン1匹にあれだけ苦戦してたんだ。 非力な女の子なんて抵抗できるわけがない。

「って、こんなこと考えてる暇はないな! 急いで向かうぞ!」

 俺は全速力でトレントのいる所へ走る。
 レベルが上がって強化されていた俺は、走るスピードがかなり早くなっていた。
 そして、その俺の横をポチが並走していた。
 スライムのくせにふざけた速さだな、おい。

《疾走Lv:1を取得しました》

 よし!
 名前からも想像はつくが、足が速くなるスキルか。
 今のこの状況では非常にありがたいスキルだ。

「たかだか300メートル!このスピードなら…!」

 このスピードなら間に合うはず! 間に合ってくれっ!

「きゃあぁぁぁぁ!!」

「っ!……間に合わなかったか!?」

 見ると12歳くらいの女の子が4メートル強ほどもある木の根に体を絡め取られ締め付けられていた。 
 俺は更に強引に走るスピードを上げる。

《疾走のレベルが1から2へと上がりました》

 流石は神様チート!
 ご都合主義ウェルカムだ!

 速度を上げた俺は、通り様に少女を絡め取っていたトレントの根を剣で切断した。

「ッ!!」

 トレントは一瞬の驚きの様な動きを見せたが、すぐに俺に警戒の色を示して刺す様な敵意を向けてきた。

「大丈夫かっ!?」

「けほっけほ、だ、だいじょうぶです……」

「そうか……、今ここにいるトレントはこの一体しかいない。 こいつをどうにかするまで隠れていてくれ!」

 俺の声かけに答えた女の子は、コクリと頷くと、少し離れた木の陰に隠れた。

 そう言ってトレントへと向きなおると、トレントはすでに根を俺に向かって振り下ろしていた。

「ちょっ、マジかよ!」
 
 しかし、トレントの根は俺に当たることはなく、すぐそばの地面を打った。

「なんだ!?」

 状況がわからずに辺りを見回すと、トレント根に張り付き、溶かしながら喰らっているポチがいた。
 
《A,ポチが迫っていたトレントの根を弾いた様です》

 今の攻撃は避ける事ができず、受ける覚悟を決めていたので、ポチは非常にありがたいタイミングだった。

「ポチ、ナイスだ! はぁぁっ!!」

 俺はポチに気を取られているトレントの幹に向かって剣を放った。

 しかし、剣は幹に当たると『ドッ』と音を立てて表面数センチで動きを止めた。

「くっ、なんだこいつ!? めっちゃ硬いぞっ!?」 

《A,マスター、ただでさえ切れ味が悪いうえに、軽い片手長剣ではトレントを両断することはほぼ不可能です。 トレントと遭遇したら、重量のあるバトルアックスや大剣などで牽制しつつ魔法で一気にカタをつけるのが定石です》

「なるほどな。 そういう事なら、早速さっき作った魔法をぶっ放すぞ!」

 俺は、つい先ほど出来上がったばかりの魔法を魔法欄から開く。


---------------------------------------------------------
[魔法]
---------------------------------------------------------
[攻撃魔法] ※消費MP
【蒼炎Lv:2※MP10〜】【蒼爆炎ブルーボムLv:1※45〜】
---------------------------------------------------------
[回復魔法]
【ヒールLv:3※10〜】
---------------------------------------------------------
[生活魔法]
炎生成クリエイトファイア※5〜】
---------------------------------------------------------
[無属性魔法]
【サーチLv:2※10〜】
---------------------------------------------------------

 俺はトレントの幹を蹴り距離を取る。

「ポチッ! 離れろっ!」

 俺が言うとポチはまた、スライムとは思えぬ速度で戦線を離脱した。

「よし! くらえっ!【蒼爆炎ブルーボム】」
 
蒼爆炎ブルーボム】って安直かっ!
 そもそも爆炎ってボムじゃないだろ!

 前にかざした俺の手のから、拳ほどの大きさの青い炎がトレントに打ち出される。
 打ち出された青い炎は、身を守る為に出したトレントの根に当たると、爆音の代わりに『ゴオォ』と音を立て、幹にも燃え移る。

「ーーッッ!」

蒼爆炎ブルーボム】を食らったトレントは、ギシギシと木が軋む様な音をたてながら、がむしゃらに根を振り回した。

「一回じゃ倒すまではいかないか。 ならもう一発!」

 俺はすぐにもう一度、魔法欄を開こうとしてある事に思い当たった。

『イメージの差によって消費MPが変動する。』

 この世界の魔法概念の基礎である。

「ユキ! 今から魔法イメージを送る!
 構築したらすぐにぶっ放すから準備を頼むっ!」

《A,了解しました》

 正確には、魔法イメージの基礎型をユキに伝えて、それをユキがイメージとして固めて構築するから、実際の所、俺はあまり何もしてないんだけどな。

「1人でやるより、心強い相棒がいると頼もしいな!」

 そう言って、俺は今も若干燃えているトレントの繰り出す根を剣で払いながら、攻撃魔法のとなる範囲、威力を決めていく。 範囲はトレントから半径2メートル、威力は……【蒼爆炎ブルーボム】の倍でいいか。
 俺は大雑把ながらも、前回よりも明確な威力と範囲指定のイメージをユキに送る。

「この魔法でも十分にダメージになってたはずだから倍でちょうどいいだろっ!」

《A,了解しました。 構築が完了しました。 マスター、いつでも撃てます》

「よし、くらいやがれ!【蒼爆炎ブルーボム】!」

 俺は先ほどと同じ様に、手を前にかざした。
 すると、動けなくなるほどではないが、前回とは比べ物にならないぐらいの倦怠感けんたいかんが俺を襲った。
 そして、【蒼爆炎ブルーボム】の威力も先ほどの倍に設定していたからか凄まじい熱量を感じた。
 俺の魔法は、トレントが振り回していた根に当たることもなく、そのままトレントの幹へと吸い込まれた。

 その瞬間、秘められていた凄まじい熱量の炎が爆ぜた。

 俺が放った青い炎は、燃え移っていないはずの周囲の木をも焼きながら、トレントを中心に渦を巻く様に燃え、確実に炭化させた。

《150の経験値を入手しました》
《レベルが41から42へと上がりました》

「っ!…すごいな、おい…」

《A,当然です。 この世界にはない知識と、この世界だからこそある魔法という概念が合わさったのですから》

 あらゆる現象は何らかの法則に従って起きている。と昔の偉い人が言っていたようなきがするが、それは地球の法則だ。
 ユキの言う通り、その地球の法則を、この世界、この異世界だからこそある魔法という法則概念で補うことで、地球ではありえなかった、地球での法則の限界を越えた現象を簡単に引き起こすことができる。 まぁ、もっとも、魔法なんてものがある時点で、地球の限界なんてあっさり越えているだろうけどな。

《A,マスター。 そんな事よりも少女の安否の確認をしましょう》

「っと、ああ、そうだな」

 脱線していた思考をユキに読まれていたみたいだ。
 俺は遠くの木にの後ろにしゃがみ込んでいた女の子を、できるだけ怖がらせないように優しい声で話しかけた。

「大丈夫か?」

「は、はい! ありがとうございましたっ! このお礼は必ずしますので!」

 俺が声をかけると、女の子は慌てて立ち上がると、ものすごい勢いで頭を下げこんな事を言い始めた。

「あ、ああ。 いや、お礼をされる程の事じゃないよ。 俺はただ、森で迷ってたらたまたま君を見つけただけだからさ」

《A,マスター、なにを格好をつけているんですか》

 う、うるせぇ!
 もてない男の子はみんな女の子の前では格好をつけたいもんなんだよ!
 女の子は俺が頭の中で一人会話を繰り広げている事などつゆほども知らずに

「で、でも命の恩人にお礼もなしでは……」

「お礼は本当にしなくてもいいんだよ? 見返りほしさに君みたいな小さな女の子を助けたなんて、格好がつかないだろ?」

《A,もともと格好なんてついていませんでしたが?》

 ユキがなんか言っているが、無視だ、無視。

「そ、それでも!」

 ここまで言っても女の子は引き下がらないか……
 うーん、どうやらこの女の子はかなり強情みたいだな。 どうしたものかな。
 ここはひとつ、お礼のハードルを下げてみるか。 相手は子供だしな。

「それでも、どうしてもお礼がしたいって言うなら、君の住んでいる村まで案内してくれないか? ほら、道に迷ってたって言っただろ?」

 これでどうだ! 完璧だろう?

《A,癪ですが、マスターにしては頑張ったと思います》

 本当に煽りが激しいなこいつは……

 俺がまた一人会話を繰り広げていると

「……わかりました」

 よし! どうだユキ!

《A、イラッ》

「でも! 村に戻ったら必ず何かお礼をしますので!」

 もうこれは素直にお礼を受け取った方が丸く収まるかもしれないな……

《A,私もそう思います》

 密度の濃い1日だったが、こうして俺はやっと村へとたどり着く事が出来ましたとさ。
 めでたしめでたし。

《A,マスター、異世界生活初日で頭をやられてしまいましたか》

 うるせぇ、俺はいつだって正常だよ!
 まぁ、兎にも角にも、ついに村だ。 新しい出会いが楽しみだな!

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品