異世界で旅を〜異世界チートは必須でしょ?〜
マップと17対1?
俺は村へ向かって真っ直ぐと歩いていた。
いや、正確には真っ直ぐじゃないな。
俺は今、マップを見ながら敵を探しては極力戦闘を行わない様に進んでいる。
理由は簡単。
俺はまだ戦闘を1回しかした事がない。なのに、いきなりこんなに魔物のいる所で戦ってては体も体力も命も持たない。
しかし、魔物の数は1キロ以内に15〜20近くいる。そのうちに遭遇してしまうだろう。
まあ、あれだけ油断はしないと年を入れたんだから、そう簡単には囲まれたりはしないけどな。
---------------------------------------------------
そう思ってた時期が俺にもありました。
《A,あれほど気をつけるよう言ったのに……》
はい!すいませんでした!
今の状況はというと……
まず、前方にいるゴブリンが8匹。
そして、後方にいるゴブリンが9匹。
計17匹。
そう、1キロ内の魔物のほとんどが集中している。
なぜこんな事になったかと言うと……
---------------------------------------------------
「なぁ、マップを見なくても、魔物の位置が分かる様な魔法とかスキルってないのか?」
こんな事を口にしたのがいけなかった。
《A,存在します。[無属性魔法]の【索敵魔法】と[スキル]の【空間把握】がそれに当たります。ただし、【空間把握】は範囲が狭く、広範囲の索敵には向きません。【索敵魔法】は広範囲の索敵ができますが、範囲に応じてMPの消費が激しくなります》
なるほど。
それじゃあ、俺は【索敵魔法】でも覚えてみようかね。幸い俺、はすぐに覚えられるし。
《A,マスターはまだ魔力制御がしっかりと出来ていないのでやめておいた方がいいと思います》
ユキはちゃんと忠告してくれたのに俺はというと…
「ヒール使った時もなんとかなったし、大丈夫だろ」
《A,ヒールとは難易度が格段に違います》
「大丈夫、大丈夫」
これである。
《A,……》
そして、俺はイメージを開始した。
自分の魔力、MPを体外に放出して物の位置をつかむイメージ。
俺は魔力を外に思い切り放出した。
放出してしまった。
本来、魔物とは他のどの生物よりも魔力に敏感である。
ゴブリンやオークなどの数の多い魔物はその能力が低下している。
そう、低下しているだけであって、無いわけではないのだ。
その魔物達に向かって大きな魔力をぶつければ、当然発信元まで来るというものだろう。
---------------------------------------------------
そして囲まれた。
ユキの懸念どおりになった。
「ユキの言うことちゃんと聞いとけば良かったなぁ…」
《A,全くその通りです。私はマスターのできる事とできない事はしっかりとわかっているのですから》
「返す言葉もない…」
俺の事に関しては、スキルから魔法、祝福に至るまで【森羅万象】と高速演算で最適解を導き出しているのだ。
それが俺の【別人格】というものだ。
《A,そんな事よりも今はこの現状をどうにかしてしまいましょう》
「簡単に言ってくれるけどユキさんよ、ゴブリン1匹に苦戦していた俺じゃあちょぉっときついんじゃないかなぁ」
経験が足りないって言われたばっかですけど。
《A,問題ありません。今のマスターのステータスならば、ゴブリンの10や20問題ありません。それに先ほどの戦闘はマスターの躊躇いがあったから攻撃を受けただけです》
確かに、さっきの戦闘では躊躇ってしまって左腕をやられた。
でも……
「今回はゴブリン17匹も居るんだけど!?」
360度ゴブリンなんだけど!?
《A,見た限り武器を持っているゴブリンは正面の3匹だけです。素手のゴブリン討伐など、今のマスターならば赤子の手を捻るより簡単です》
「そんなこと言われてもなぁ…」
ユキとそんなやり取りをしていると、今まで見ていただけの後方のゴブリンの1匹が、痺れを切らしたのか俺に向かって攻撃してきた。
ゴブリンは意外に爪が鋭くこちらを引っ掻くような攻撃をしてきた。
「グキェ!」
しかし、俺はそれを危なげなく避けると剣を左上から振り抜いた。
「ふっ!」
短い息吹と共に剣はゴブリンの首を捉え、ゴブリンの頭が地面に落ちた。
俺は確実に強くなっていた。
躊躇いがないだけでここまで違うものか?
《A,レベルアップによる補正も影響しています》
やっぱりそうか。
「よし!」
《50の経験値を入手しました》
《レベルが8から14へと上がりました》
レベルも上がった。
ガンガン行かせてもらおうかね。
「行くぜ!」
仲間がやられ、呆然としていたゴブリンは俺の声でやっと身構えた。が、その時には武器を持った正面の3匹の頭が地面に落ちていた。
《150の経験値を入手しました》
《レベルが14から24へと上がりました》
祝福の効果もしっかりと出ているみたいだな。
とりあえずこれで4匹。
俺は流れるように、前方の残り5匹の頭を袈裟斬り、横薙ぎと次々に落としていく。
これで9匹。
《250の経験値を入手しました》
《レベルが24から31へと上がりました》
「グキャ!」
呆気にとられていた後方のゴブリンもやっと反撃するべく爪を振う。
しかし、俺は冷静に動きを見極めてその腕を落とした。
「グガァァ‼︎」
そして、首に一閃。
すると、それを見ていた他のゴブリン達は、一斉に背を向けて逃げ始めた。
俺はゴブリンが逃げる前に背後からの一閃で確実に真っ二つにしていく。
これで15匹。
《300の経験値を入手しました》
《レベルが31から38へと上がりました》
しかし、当然離れていて剣が届かないゴブリンもいる。なので、俺は落ちている手頃な拳より少し小さめの石を拾った。
「せーのっ!」
俺はその石を振りかぶって投げた。
狙うは頭、もしくは魔晶石のある心臓の位置。
石は【投擲術】の命中率、威力の補正とレベルアップの筋力増大によって正確に当たった。
1匹は頭の半分が砕けて。
もう1匹は魔晶石を砕かれて。
《100の経験値を入手しました》
《レベルが38から40へと上がりました》
こうして俺の対多数の戦闘が幕を降ろした。
いや、正確には真っ直ぐじゃないな。
俺は今、マップを見ながら敵を探しては極力戦闘を行わない様に進んでいる。
理由は簡単。
俺はまだ戦闘を1回しかした事がない。なのに、いきなりこんなに魔物のいる所で戦ってては体も体力も命も持たない。
しかし、魔物の数は1キロ以内に15〜20近くいる。そのうちに遭遇してしまうだろう。
まあ、あれだけ油断はしないと年を入れたんだから、そう簡単には囲まれたりはしないけどな。
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そう思ってた時期が俺にもありました。
《A,あれほど気をつけるよう言ったのに……》
はい!すいませんでした!
今の状況はというと……
まず、前方にいるゴブリンが8匹。
そして、後方にいるゴブリンが9匹。
計17匹。
そう、1キロ内の魔物のほとんどが集中している。
なぜこんな事になったかと言うと……
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「なぁ、マップを見なくても、魔物の位置が分かる様な魔法とかスキルってないのか?」
こんな事を口にしたのがいけなかった。
《A,存在します。[無属性魔法]の【索敵魔法】と[スキル]の【空間把握】がそれに当たります。ただし、【空間把握】は範囲が狭く、広範囲の索敵には向きません。【索敵魔法】は広範囲の索敵ができますが、範囲に応じてMPの消費が激しくなります》
なるほど。
それじゃあ、俺は【索敵魔法】でも覚えてみようかね。幸い俺、はすぐに覚えられるし。
《A,マスターはまだ魔力制御がしっかりと出来ていないのでやめておいた方がいいと思います》
ユキはちゃんと忠告してくれたのに俺はというと…
「ヒール使った時もなんとかなったし、大丈夫だろ」
《A,ヒールとは難易度が格段に違います》
「大丈夫、大丈夫」
これである。
《A,……》
そして、俺はイメージを開始した。
自分の魔力、MPを体外に放出して物の位置をつかむイメージ。
俺は魔力を外に思い切り放出した。
放出してしまった。
本来、魔物とは他のどの生物よりも魔力に敏感である。
ゴブリンやオークなどの数の多い魔物はその能力が低下している。
そう、低下しているだけであって、無いわけではないのだ。
その魔物達に向かって大きな魔力をぶつければ、当然発信元まで来るというものだろう。
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そして囲まれた。
ユキの懸念どおりになった。
「ユキの言うことちゃんと聞いとけば良かったなぁ…」
《A,全くその通りです。私はマスターのできる事とできない事はしっかりとわかっているのですから》
「返す言葉もない…」
俺の事に関しては、スキルから魔法、祝福に至るまで【森羅万象】と高速演算で最適解を導き出しているのだ。
それが俺の【別人格】というものだ。
《A,そんな事よりも今はこの現状をどうにかしてしまいましょう》
「簡単に言ってくれるけどユキさんよ、ゴブリン1匹に苦戦していた俺じゃあちょぉっときついんじゃないかなぁ」
経験が足りないって言われたばっかですけど。
《A,問題ありません。今のマスターのステータスならば、ゴブリンの10や20問題ありません。それに先ほどの戦闘はマスターの躊躇いがあったから攻撃を受けただけです》
確かに、さっきの戦闘では躊躇ってしまって左腕をやられた。
でも……
「今回はゴブリン17匹も居るんだけど!?」
360度ゴブリンなんだけど!?
《A,見た限り武器を持っているゴブリンは正面の3匹だけです。素手のゴブリン討伐など、今のマスターならば赤子の手を捻るより簡単です》
「そんなこと言われてもなぁ…」
ユキとそんなやり取りをしていると、今まで見ていただけの後方のゴブリンの1匹が、痺れを切らしたのか俺に向かって攻撃してきた。
ゴブリンは意外に爪が鋭くこちらを引っ掻くような攻撃をしてきた。
「グキェ!」
しかし、俺はそれを危なげなく避けると剣を左上から振り抜いた。
「ふっ!」
短い息吹と共に剣はゴブリンの首を捉え、ゴブリンの頭が地面に落ちた。
俺は確実に強くなっていた。
躊躇いがないだけでここまで違うものか?
《A,レベルアップによる補正も影響しています》
やっぱりそうか。
「よし!」
《50の経験値を入手しました》
《レベルが8から14へと上がりました》
レベルも上がった。
ガンガン行かせてもらおうかね。
「行くぜ!」
仲間がやられ、呆然としていたゴブリンは俺の声でやっと身構えた。が、その時には武器を持った正面の3匹の頭が地面に落ちていた。
《150の経験値を入手しました》
《レベルが14から24へと上がりました》
祝福の効果もしっかりと出ているみたいだな。
とりあえずこれで4匹。
俺は流れるように、前方の残り5匹の頭を袈裟斬り、横薙ぎと次々に落としていく。
これで9匹。
《250の経験値を入手しました》
《レベルが24から31へと上がりました》
「グキャ!」
呆気にとられていた後方のゴブリンもやっと反撃するべく爪を振う。
しかし、俺は冷静に動きを見極めてその腕を落とした。
「グガァァ‼︎」
そして、首に一閃。
すると、それを見ていた他のゴブリン達は、一斉に背を向けて逃げ始めた。
俺はゴブリンが逃げる前に背後からの一閃で確実に真っ二つにしていく。
これで15匹。
《300の経験値を入手しました》
《レベルが31から38へと上がりました》
しかし、当然離れていて剣が届かないゴブリンもいる。なので、俺は落ちている手頃な拳より少し小さめの石を拾った。
「せーのっ!」
俺はその石を振りかぶって投げた。
狙うは頭、もしくは魔晶石のある心臓の位置。
石は【投擲術】の命中率、威力の補正とレベルアップの筋力増大によって正確に当たった。
1匹は頭の半分が砕けて。
もう1匹は魔晶石を砕かれて。
《100の経験値を入手しました》
《レベルが38から40へと上がりました》
こうして俺の対多数の戦闘が幕を降ろした。
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