異世界で旅を〜異世界チートは必須でしょ?〜

ちゃまたん

未知との遭遇?

 俺は片手長剣とナイフを腰にベルトで固定して、小屋の外に出た。
 いよいよ異世界とご対面だ!

「おう…これは…」

 森だった。
 それはもう見事に森だった。
 小屋周辺の木々は伐採されていて、少し開けていた。それはいい。
 でも、360度全てが木々に囲まれていて、方角すら分からない。

 フラカンさん、難易度高くないですか、これ。
 まず、小屋は森のどの位置にあるんだよ。

《A,小屋の位置は、森全体のちょうど中心になります。周辺の地形を表示しますか?》

 ……【別人格オペレーター】さんそんな事できるんすか?是非お願いしたい!

《A,了解しました。周辺1キロの地形を表示します。》

 直後、脳内に電気が走ったような感覚があり、脳内にマップが表示される。

「マジで便利だな」

 しかも、ご丁寧に敵の位置、こちらに気付いているかなどが色違いの点で分かるようになっている。
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現在地:レクルタの森
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生息している魔物
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ゴブリン
オーク
トレント
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 おお!ゴブリンにオーク!
 いよいよ異世界って感じだな!
 差し当たってはの問題は…周辺1キロがずっと森だといことか…
 いや、待てよ、

 脳内アシストさん、もう少し広範囲をマップに表示する事は出来ますでしょうか

《A,私は脳内アシスタントさんではありません》

 ⁉︎…怒っていらっしゃる?俺の【別人格オペレーター】のはずなのに女声のオペレーターさんが?

 なら名前を教えて欲しいんですけど…

《A,名前はありません》

 おいぃ!じゃあなんて呼べばいいんだよ!てか何でさっき怒ったんだよ!

《A,私自身を蔑ろないがしにされている様に感じたので》

 くっ、この女オペレーター、ニュアンスでそんな事まで分かるのか。

 わかった。なら名前をつけようじゃないの。

 今からお前の名前はポチ《A,拒否します》早ぇよ!

 最近流行りの脳内解説は、かなり好き勝手な性格の奴が多いらしい。
 まぁ今のは流石に冗談だけどさぁ。

 よし、こうなったら、俺の好きなスライムが『教えるから』という理由で名前をつけていたから、俺も『教』から取ろう。
 『教』でキョウってのは安直過ぎるよな…
 確か『教』は『ゆき』とも読んだはず…
 よし、今日をもって(この世界に来たのも今日だが)【別人格オペレーター】さんの名前は『ユキ』で決定です。

《A,…分かりました。何なりとお申し付け下さい。ヤドル様》

 うーむ…そのヤドル様ってのもちょっとなぁ…
 マスターとかの方が聴きやすいかも知れないな。最近の脳内解説さん達はそう言ってるし。

《A,分かりました。以後、ヤドル様の事はマスターとお呼び致します》

 ところでユキさん?
 もう少し広範囲を見れないかっていう質問覚えていますかねぇ…

《A,はい。私がマスターの言葉を忘れる事はありません。(多分)》

 ちょっと心配だが、まぁいいか。
 とか考えてたらマップの範囲が5キロぐらいに広がってた。

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 さてと、こうして見ると結構な数の魔物がいるな。
 いや、でも5キロだからそこまでじゃないのか?寧ろ少ないくらいか?
 そういえば、フラカンが新人冒険者の街の近くの森とか言ってたっけ?

 それと、5キロでやっと村を発見しました。
 遠いわ、マジで。
 そして、村までに100弱の魔物がいる。俺のステータスは全部10。

 ユキさん、ちなみにこの世界の一般人の平均ステータスは?

《A,冒険者を除くと平均値は70前後になります》

 待て待て。
 俺、カスじゃんか。
 
 冒険者のステータスはいくつぐらい?

《A,冒険者の場合ですと、平均値は300前後になります。ただし、Sランク以上は除いています》

 …Sランクは?

《A,平均値、900以上です》

 もうやだ。
 ただでさえ冒険者の1/30なのに、Sランクとは90倍以上も離れてるとかシャレにならんわ。

《A,ですが、マスターには祝福ギフトがあるので問題ありません》

 ん?
 どういう事だ?

《A,マスターの持っている【効率上昇】・【効率強化】・【高望み】によって、マスターの成長率は一般人のソレとは比にもなりません》

 【効率上昇】と【効率強化】は、入手経験値2倍と必要経験値1/2だったか?【高望み】はレベルアップ時のステータス大幅補正だよな。

《A,はい。実際に戦闘を行い経験値を入手すれば実感いただけると思います。では、早速ですが、マスターの約30メートル後方にいるゴブリン1匹を討伐してみましょう》

 チュートリアルか!と心の中でツッコミを入れつつ後ろを向くと、そこには150センチ程の緑色をした人型の魔物がいた。

 小鬼。という言葉がピッタリの頭に小さな角を生やした魔物だった。

 数は1匹。
 本当に俺が殺れるのか?

 俺は元の世界では人はもちろん、虫にいたるまであまり殺さないようにしている人間だったんだぞ?

《A,『やらなければやられる』と言うそれだけの事です。ですが、私はそれを許容する事は出来ません》

 俺が死ねば、ユキも消える。
 その言葉は、そういう事なのだろう。 随分と太々しいことで……

 まぁ、覚悟を決めるしかないか…

 よし!
 まだ、生き物の命を刈りとる事が出来るかは分からない。
 でも、やれるだけの事はやってみよう。いざとなったら、なりふり構わず逃げればいい。

 ゴブリンはまだこちらへは来ていない。
 俺は片手長剣を腰から抜くと、軽く振ってみた。

 重い。筋力10で鉄の塊を持っているのだからあたりまえだろう。
 いや、命を奪うための武器だからそう感じるのかも知れない。

 覚悟は決めたんだ。後はこなすだけ。

「よし‼︎じゃあ、異世界初戦闘いってみますか‼︎」

 俺は近くまで寄ってきていたゴブリンへ向かってそう叫んだ。
 そして、もう一度自分自信に向かって

「やれるだけやってみますか!」

 そう言い聞かせた。

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