勇者育成学校でトップの自称パンピー【凍結】

決事

第七話 俺は魔物を殺さない

「うん。何もおかしいところなんて無かったぞ」
「本当に本当にか!?」

耳元で叫ばないでくれ。
大声で叫ばれると頭がキーンってなるというのは本当だったんだな。

「…本当の本当に分からないというのなら答えを教えてやろう」

それなら最初っからそうしろよ!

「まず、その1!討伐する魔物の事前情報を与えなかったこと!次にその2!お前そのもの!その3!魔物を殺さなかったこと!」
「それのどこがおかしいって?あんた何言ってるんだ」

説明してやる。
前々からどんな魔物と戦うか教えてしまったら対処が簡単になる。
それじゃあ楽しくない。
そして俺は全くもっておかしいところなどない。
最後、それこそ分からないのは俺の方だ。
逆に何で倒すんだ?
殺すんだ?

「はぁ」

ため息をつかれる理由が見当たらない。

「前二つは貴様の信念、自己否定はいいものではないということで妥協するが…魔物を庇う訳を説明してもらいたい」

だから、そんな真摯な目で見られても…

「だって魔物って別に無差別に人襲ったりするわけじゃあないし」
「はあ!?何を言ってるんだ!」

先程だってええと、私たちの方からではなくあいつから襲って、私たちが応戦して!
どもりつつ力説された。

「でも、軽く殴ったらおとなしいもんだったろ」

それ以上、する必要ないじゃないか。
すぐ自分から角折ってくれたし。
てかあれ、折れたら数秒で生えてくるのな。
生態調べてえ。

「だって奴らは、原始の魔物は!」
我々と敵対し、応戦していた!
「はいそこ。今言ったとこ。原始の魔物。応戦していた。つまり?」


「人間から仕掛けたんだよなぁ?」


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