福袋 of 十人十色

決事

傍観者 その5

チッ……。
またヤツがワタシの髪に触って来ている。
あれだけ完璧に拒否ったにもかかわらず、
裏目に出たかのようにいちいちちょっかいをかけて来るのだ。
ちょっかいなのかどうか。
イタズラと言うよりいじめてる気分なのかどうか。
自分のココロさえも知らないワタシには何も分からないが、もう一度釘を刺す必要があるかもしれない。

…観察していて察したこと。
ヤツは意外に人気者のようだった。
このクラスになった時から知られていたようだし。
いい意味で。
ワタシとは真反対……いや、ねじれの位置にいると言った方が適切か。
もう時期六限が終わる。

呼び出して決着をつけようぞ。

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