デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか

Beater

42 危険な遠足ⅰ

「じゃあ、ここからは何人か固まって動いてもいいし、単独行動しようと自由だ。ただし、ヤバそうだと思った時はすぐに迷わず俺を呼べよ。それが分かってればいい。……昨日の授業を活かして、この森に咲いているヤイ草の花を摘んでこい! 大方帰ってきたら強制終了するからな。はい解散!」
先生の声に、ツツラとナイケはサッと森の中へ入って行った。
「フーク、行こ」
「わたしもわたしも! ほら、後れを取っちゃったよ! 早く!」
アニセラとシータが進むのを、置いていかれないよう後を追った。

「何だか、不思議だね。この森薄暗いのに明るくて」
シータが言ったとおり、背の高い木々に日光が遮られて視界が暗いのに、感覚的には太陽の下と同じように見えている、気がする。
「気味、悪い。あの店主も気をつけろって」
前回の休日はゴルテと部屋で話したかったので、アニセラは一人で街の古本屋の店主に会って来たようだ。
あの怪しげな店を切り盛りする店主が注意しろとわざわざ忠告してきたことに胸騒ぎがした。
「喋るこの狼……お利口さん」
だが、続けて起伏の無い声でそう言うものだから、頬が緩んでしまった。
それでもたった2、3mmのことだけど。
「私はゴルテだと、何度言ったら……何かこちらに向かっている」
途中で言葉を切る彼に何事かと思えば、魔物が数体俺たちに向かって来ているらしい。

初めての対魔物戦である。

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