デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか

Beater

28.5 回想してみたり

ある日、悪魔に拾われた。

ぼくは所謂捨て子だった。
何で捨てられてしまったのかは知らない。
気づいたら森に立った一人で倒れていた。
隣にはぺらぺらの毛布が一枚。
これから自分だけで生きていくぼくに対する最後の思いやりだったんだろう。

一日が経った。
二日が過ぎた。
三日が逃げた。
四日目は、留まった。

人の姿をした、魔物が言った。
お前、一人だな。
ほぼ飲まず食わずだったーー川の水と酸っぱい木の実でなんとか生き延びていたーーぼくは投げやりに返した。
見れば分かるでしょ。
寝そべったぼくを上から覗き込んでくるやつはニヤニヤ笑っていた。
食ってやろうか。
オレの役に立てるぞ。
とんでもない発言をした。
それにむかむかしたぼくは握り拳を顔にお見舞いしようと突き出した。
けれど、それは腕の長さが足りずに空気を裂いて終わった。
よし、オレについて来い。
返事も聞かずに踵を返したやつの後を追って行ったぼくは、数年後、ひどく後悔することとなった。

「デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「文学」の人気作品

コメント

コメントを書く