魔王を倒そうとしていた勇者と勇者を倒そうとしていた魔王を入れ替えてみた。

りゅう

自殺作戦

「ちょっと待てなんで俺がこんなやつと生死を共にしないといけないんだよ!」

勇者の中の魔王が神様に訴える。

「そうしたほうが面白そうじゃからな…でもお互いに殺しあえとかはないから安心しなさい」

「「そーゆー問題じゃない‼︎」」

やっぱりこいつら仲良いだろ…
神様は心の中で呟く。

「まあまあそう興奮しなさるな…そう簡単に死にはせんから大丈夫じゃよ」

もうどうにでもなれ…2人共そう思っていた。

「一応聞いておくが、身体が元に戻った後にどちらかが死んだらどうなる?」

「身体が元に戻ってからなら両方死にはせん身体が入れ替わっている間の特殊ルールじゃ」

勇者の中の魔王の問いに神様が答える。

「しょうがねえ、勇者一時休戦だ。元の身体に戻るために手を組むぞ」

勇者の中の魔王が魔王の中の勇者に言うが…

「どうした?」

「いや、今ここで2人同時に死ぬのもありかと思ってな…」

「は?何を言いだしやがる?」

「ここで私が死ねば貴様も同時に死ぬことになる。そうしたらこの星は魔王であるお前に支配されなくやる」

「なるほどのうお前さんの意見はようわかった」

魔王の中の勇者と勇者の中の魔王との会話に神様が入り込む。

「ようわかった…が…このまま2人に死なれては面白くない…だから自殺した場合死ぬのは自殺した者のみとしよう。そして残った方はずっとその身体でいてもらうことにしよう。これで君達は自殺しようとしなくなるはずじゃ」

「「お前本当に神様なのか?」」

2人同時に叫ぶ。
やっぱりこいつら仲良いんじゃね?
神様は心の中でそう思う。

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