魔王を倒そうとしていた勇者と勇者を倒そうとしていた魔王を入れ替えてみた。

りゅう

入れ替わり、遭遇

ある日…

2箇所同時に雷が落ちた。それが神による天罰か…ただ不幸だっただけなのかはわからない…


目がさめると2人は知らない場所にいた。

「「ここ何処だ?」」

遠く離れた場所で2人は同じ言葉を口にした。




魔王城

「魔王様〜大丈夫ですか?」

そういいながら1人の悪魔のメイドさんが近いてくる。

「あぁ…大丈夫だよ…」
「だよ?急にどうしたんですか?魔王様らしくないですよ」

……………………え?
こいつ今なんて言った?僕が魔王?いやいやそんなわけない…
と思いながら近くの鏡を覗く…

「はっ?なんで…僕が…魔王になってるんだー」

気づいたら叫んでいた。もともと僕は魔王を倒す勇者だったはずだ…
それが何故魔王になっているんだ…

僕は慌てて城を飛び出した。




勇者の家

「勇者様大丈夫ですか?」

そういい1人の人間の女性が魔王を見つめていた。

「あぁ…大丈夫だ」

「なら、良かったです」

そういいながら女性は台所に戻っていった。
…………………………………は?
今あいつなんて言った?我が勇者だと?
恐る恐る魔王は近くの鏡を覗く。

「我が勇者になっておる…」

あまりの衝撃に我を忘れ家を飛び出して走りだす。




2人はしばらく走った先で自分の元の身体を発見した…

「僕の身体…」
「我が身体…」

2人は自分の身体目掛けて走りだす。

「お前僕の身体を返せ‼︎」
「なっそっちこそ我が身体を返せ‼︎」

2人は睨み合いながら身体を取り返そうとする。

「この泥棒魔王め」

魔王の中にいる勇者が勇者の中にいる魔王に向けて言う。

「なんだと!泥棒は貴様だ‼︎この泥棒勇者め‼︎」

今度は勇者の中にいる魔王が魔王の中にいる勇者に向けて言い返す。

キリがにないのう…
神はそう思いながら2人の様子を見ていた。

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