〜豪勇無双なるスピリット〜

RA15

1-5 学園長 水戸光香

カーテンの隙間から眩しい光が漏れている
「おい起きろ」
堺の声で目が覚めた
「お前も早く着替えろ、学園長に会いにいくぞ」
「え?もう?
朝飯はないんですか?」
「そんな時間などない」
(まぢかよ、めちゃくちゃ腹減ってんだぞ)
落ち込む綾人に堺はやや慌てた様子で言う
「ほら、早く着替えろ」
投げられた洋服、ではなく制服を手に取り、ため息をつきながら眠たそうな顔で着替え出す
鏡で自分の姿をみる
黒がベースに襟が赤のブレザー姿が映し出されていた。
(以外と動きやすいなこれ)
「一応その制服には対魔法用の塗料が含まれている、大抵の魔法はその服着てりゃ大丈夫だ、まぁ魔法なんて使えるやつ滅多にいないがな」
「なんかすごい服なんですね」
「そんなことよりいくぞ」
「あ、はい!」
学園長室へとむかう堺の背中をついていく
ドアを開け、階段へと長い廊下を向かって行く
廊下にはカツンカツンと二人の歩く足音が鳴り響く
階段を上がり、目の前にある白いエレベーターに乗り10階のボタンを押しドアが閉まる
「学園長ってどんな人なんですか?」
「あいつはただの気分屋だな、だが戦闘に関しては人以上の力と技術を持っている、まぁもうすぐ着くんだからきにするな」
チーン
ガーー
目の前には、床は赤色の壁は真っ白な長い廊下がある。その奥には、ごく普通の木の扉が見える。
二人は扉に向かい歩き出し、堺がその扉をノックする
コンコン
(誰だ!)
!?
女性の声で不機嫌そうな声が聞こえる。
「堺だ、入るぞ」
ガチャ
「勝手に開けんなっ
ん?誰だそこのやつは」
「あ、初めまして
天月綾人っていいます」
綾人がそう話す相手は、癖っ毛のある長い金髪の翠の目をした女性だった。
だがどこからどう見ても中学生くらいの幼い女の子に見える
(この子が学園長なのか?)
そこに堺が話し出す
「光香・・」
「学園長と呼べ!」
学園長は不機嫌なご様子だ
「はいはい、学園長、こいつが昨日話した入学希望者だ。」
学園長は、綾人を睨みつけ、少々間をあけてから答えた。
「この学校に入学したいのは、わかった
だがここに入学するということは、
この学校に命を預けると言う意味になるが、その心構えはできてるのか?」

「はい!」

「ならいい、私は水戸光香
ここの学園長を勤めている
で、少しお主の肩に身につけている武器を見せてもらいたい」
「あ、はい!」
綾人は慌てて肩から武器を取り、両手で光香に渡す。
それを手に取る光香は武器を眺めながら言った。
「ふっなるほどな、よし、お前の部屋は009号室、教室は1-D、分かったならすぐに教室に行け」
武器を綾人に投げ渡す。
そこに堺が驚いた顔で喋り出す
「Dクラスって!光香!」
光香は堺を殺気立つ鋭い目つきで睨みつける
「なにか意義でもあるのか?
学園長である私のいうことは絶対だ」
「ッチ、嫌なんでもない、いくぞ」
「あ、はい、」
「失礼する」
バタン
学園長室を出て、エレベーターの前で立ち止まる堺。
「どうかしたんですか、?」

「いいか、よく聞け、この学校には、当然戦闘技術が足りないやつが多数いて死者も少なくわない、その中でも戦闘に向いてないやつらは、使えないと判断され、訓練戦や講習なども雑に扱われ、実戦にそのまま出させ、当たり前のように戦闘技術の優れない者たちは死んでいく、言わば使えないやつらの捨て場のようなもの、それがDクラスだ。」
「え?、なんで俺最初からそんなとこに、、」
「そいつは俺にも分からねー、だが、このままだと例え真黒結晶の所持者だとしても、実戦で死ぬのは時間の問題だ、」
綾人は、引きつった顔で言う
「嘘だろ、じゃー俺、」
「大丈夫だ、代わりに俺が大体の基礎くらいから技の使い方くらいは教えてやる、後はお前の努力次第だ」

「俺の、努力次第、」

綾人は怯える顔で、自分の手のひらを見ながらそう言った。
「とりあえず、今日は教室に行くぞ
放課後また話し合おう」
「はい、」
二人は、エレベーターに乗り、各教室まで向かうことにした。

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